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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
今週のCool Deck:スゥルタイ・シャドウ(モダン)
今週もやってきましたクールなデッキを紹介する金曜日。先週の金曜日は僕にとって、そして数千人のマジックプレイヤーにとってクールな一夜となったことだろう。何故なら……プレイヤーズコンベンション千葉2023、その前夜だからだ。
3年以上ぶりに幕張へと赴き、ここしばらくなかった4時間を越える移動に疲弊こそしていたが……それ以上に、翌日から始まるマジックの祭典、好きなものでのみ構成された週末が楽しみで仕方がなかった。ワクワクが抑えられずに思わずウォーキング&24時間制ジムでのワークアウトで深夜に汗をかき、興奮をさらに高めてしまったよ。クールな夜になったぜ。皆はどんな金曜の夜を過ごしていたのだろうか?それじゃあ今週もクールで刺激的なデッキを紹介するCool Deckのコーナー、いってみよう!
4 《汚染された三角州》 4 《新緑の地下墓地》 4 《霧深い雨林》 1 《湿った墓》 3 《草むした墓》 1 《繁殖池》 1 《ドライアドの東屋》 1 《沼》 -土地(19)- 4 《死の影》 4 《タルモゴイフ》 1 《吸血鬼の呪詛術士》 4 《通りの悪霊》 -クリーチャー(13)- |
4 《ミシュラのガラクタ》 4 《思考囲い》 1 《コジレックの審問》 4 《致命的な一押し》 3 《激しい叱責》 3 《頑固な否認》 1 《突然の衰微》 3 《ウルヴェンワルド横断》 4 《イコリアへの侵攻》 1 《飢餓の潮流、グリスト》 -呪文(28)- |
4 《虚空の力線》 2 《広がりゆく海》 2 《狼狽の嵐》 2 《夏の帳》 2 《集団的蛮行》 2 《仕組まれた爆薬》 1 《活性の力》 -サイドボード(15)- |
このクールなデッキは?
プレイヤーズコンベンション千葉2023モダンオープンSupported by 楽天ブックス、2回戦のフィーチャーマッチを選定した際に……せっかくだから著名なプレイヤーの卓をお届けしようと参加者リストを見ていると、我らが大阪のベテラン・日本人初のプロツアー優勝者である黒田正城さんの名が。ええやん!デッキは「5色エレメンタル」だったので配信映えもしそうだなと……そしてその対戦相手であるYamaya Gunさんの使用デッキも滅茶苦茶クールだったので、これしかないなと決断。結果としてとても面白く白熱するマッチが観られたので良かったよ、クールな名勝負を展開してくれた両名に拍手!Yamaya産の使用していたデッキは「Sultai Death's Shadow」と分類されていた。スゥルタイ、つまり青黒緑の3色デッキでキーカードが《死の影》である。とてつもないことが書かれているマジック屈指のインパクトを放つこのアバターが主役のデッキ、解説していこう!
どこがどうクールなのか?
クールポイントその1:その影はド開幕からにじり寄る
1マナ13/13、桁違いのマナ効率を誇る《死の影》!何度見ても狂ったスペックで惚れ惚れする。こやつはコントローラーのライフと同じだけの-修正を受ける。ライフが20点だったら?-20/-20修正を受けてパワー/タフネスは0以下、言うまでもなく即死亡だ。つまりライフが12点以下でなければ戦場に出せない、とんでもないデメリット持ちだ。しかしながら残ライフ5とかだと、1マナで8/8と比類なきハイスペックに。死が迫るほどその影は伸びる、極上のクールデザインではないか。
《死の影》を運用するにはとにかくライフを失わなくてはならない。対戦相手が攻撃してくるのを待つのは悠長過ぎるので、自分で自身を積極的に攻めるべし!幸いモダンにはライフがすり減る土地がたんまり。《汚染された三角州》などのフェッチランドで1点、それから持ってきた《草むした墓》などのショックランドをアンタップで出して2点。土地1枚から計3点のライフを失える。とりあえず1ターン目からライフは17点、これは死の影デッキに限らないモダンの日常の光景だ。朝の挨拶のようなもの、おはよう。
そんな1ターン目をさらに理想のライフロスにするべく唱えるのは《思考囲い》!これも挨拶、こんにちはお元気ですか?対戦相手の手札を確認、デッキを把握しつつ手札の重要なカードを捨てさせる。コンボだったらそのパーツ、それ以外なら《死の影》を除去するカードやこちらのライフを減らし過ぎる攻め手などを引っこ抜こう。これでライフは15点、恐れ知らずでクールであるぞ。
さらにマナを使わずにライフを失える《通りの悪霊》も最高だよ、2点のライフを支払ってサイクリング。悪霊を手札から捨てることで《タルモゴイフ》や《ウルヴェンワルド横断》のような墓地参照カードの後押しも出来てパーフェクト。
効率よくライフを失ったところで《死の影》を展開し、さっさと殴り勝つ。このムーブを強引に完遂させるためには《激しい叱責》も上手く使いたいところ。このエンチャントは1ターンで生け贄に捧げられてしまうが、一時的に全クリーチャーが能力を失う。つまり、叱責が出たターンは《死の影》が残ライフ何点だろうと問答無用の13/13に!3/3くらいの状態で攻撃が通ったら、瞬速から叱責を唱えてクールな瞬殺をもたらそう。
この叱責は防御的な側面も持っている。相手のクリーチャーから能力を失わせるわけだが、特にこれをあわせたいのは《孤独》が唱えられた時。《孤独》はクリーチャーを追放し、そのコントローラーにそれのパワー分のライフを与える。《死の影》が2体以上並んでいる時に《孤独》を出されると、影のサイズが一体ナンボであろうともライフが13点になり、追放されたもの以外の影も0/0になって消え去ってしまう!この最悪の事態は、叱責でクールに、そして絶対に回避しよう。
クールポイントその2:影の侵攻、頂点の大怪獣
《死の影》デッキはクリーチャーで勝つデッキだが、その総数自体は少な目だ。少数精鋭のクリーチャーを得るために《ウルヴェンワルド横断》でサーチするのがお約束。フェッチに《通りの悪霊》、《ミシュラのガラクタ》に《思考囲い》と動けたら1ターン目でライフは13まで減り、同時に墓地に4種類のカードタイプが落ちるので、早くも横断からクリーチャーを探してこれるようになる。
そして最新の影デッキには横断だけでなく《イコリアへの侵攻》というクリーチャーサーチが。これが……ただの横断の水増しどころか、むしろデッキ名を「スゥルタイ・イコリア侵攻」にしても良いぐらいの中核パーツとして、デッキにかつてない要素を与えている。
イコリア侵攻、X=1は当然《死の影》。X=2は《タルモゴイフ》と戦闘要員を持ってこられる。そしてX=0は……《ドライアドの東屋》!まさかのマナ加速が行えるようになった。2ターン目にこのムーブからの3ターン目4マナでイコリア侵攻X=2で唱えるなんて動きもクールだろう。
そしてそんな2マナ域にはタルモの影にもう1体……《吸血鬼の呪詛術士》!何故この吸血鬼がいるのか?プレインズウォーカーなどの除去となる、というのもあるが……狙いはコンボだ。《イコリアへの侵攻》は守備値が6とバトルの中でもかなり硬いものであり、《死の影》で殴れば落とせることもあるだろうがそう簡単には陥落できない。だったら呪詛術士の対象にして、守備値を示すカウンターをそっくり取り除いてやればよい。そうしたなら《イコリアの頂点、ジローサ》として唱えられる!
こりゃヤバいぜ!ジローサは人間以外のクリーチャーがブロックを無視して対戦相手にダメージを与えられるようになる。ジローサ単騎でも一瞬でゲームが終わるし、影やタルモがたむろしているところに出てくればそのターンでフィニッシュへと持っていける。4マナと《イコリアへの侵攻》からブロック完全無視の本体ダメージが狙えるというコンボを得て、《死の影》デッキはクールさをより増したデッキへと進化したってわけだ!
クールなまとめ
《死の影》といういつの時代になってもそのクールさを失わない、むしろ深みを増していく至高のカード。そこに《イコリアへの侵攻》のような最新のクールが混じりあう……モダンは本当に最高にクールなフォーマットだ。この夏も各地でモダンのイベントが開催されてプレイヤーがクールなデッキと共に名勝負を繰り広げることを願っているよ。それじゃあ今週はここまで。Stay cool! Shadows will invade!!
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