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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
各フォーマットにおける「ラクドス」!(パイオニア&モダン)
今回も月末にやってくるビッグイベント、「プレイヤーズコンベンション千葉2023」のオープンイベントに向けてパイオニアとモダンのデッキを紹介していこう!
今回は両フォーマットをまとめて2本立て、それらのデッキには共通点がある。両者ともに黒赤、つまりラクドスと呼ばれるカラーリングの中速デッキ(ミッドレンジ)だ。スタンダードでもお馴染みのカラーリングなわけだが、パイオニアやモダンでもその強さをバキバキに発揮している強アーキタイプとして勢力を誇っているぞ。では早速パイオニアから!
4 《血の墓所》 4 《荒廃踏みの小道》 4 《憑依された峰》 2 《黒割れの崖》 2 《目玉の暴君の住処》 1 《バグベアの居住地》 2 《ロークスワイン城》 1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼》 1 《反逆のるつぼ、霜剣山》 1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 2 《沼》 1 《山》 -土地(25)- 4 《税血の収穫者》 2 《死の飢えのタイタン、クロクサ》 4 《砕骨の巨人》 2 《墓地の侵入者》 3 《黙示録、シェオルドレッド》 -クリーチャー(15)- |
4 《思考囲い》 1 《強迫》 4 《致命的な一押し》 3 《パワー・ワード・キル》 1 《削剥》 3 《勢団の銀行破り》 4 《鏡割りの寓話》 -呪文(20)- |
3 《絶滅の契機》 1 《害悪な掌握》 1 《衰滅》 2 《真っ白》 2 《強迫》 1 《屍呆症》 1 《未認可霊柩車》 1 《碑出告が全てを貪る》 1 《真髄の針》 1 《コラガンの命令》 1 《ヴェールのリリアナ》 -サイドボード(15)- |
400名を超す大規模となり、オープンに向けてのサンプルデータとしてはまさに最適なものと思える「Grand Open Qualifier Valencia」より、2位に入賞したリストをピックアップ。同トーナメントではこのリストと同様の「ラクドス・ミッドレンジ」がTOP16に計4名が入賞。そもそも全体使用率が約20%と2位にダブルスコア以上をつけての圧倒的な使用者数で、まさしくパイオニアを語る上で外せないデッキとなっている。
デッキとして何か特殊なところがあるかというと、そうではないのがラクドスの特徴と言えるのかもしれない。比較的低コストで高いカードパワーを持ったクリーチャーらを展開し、それらでの戦闘を非クリーチャー呪文でサポートしていく。マジックの根っことも言えるシンプルなゲームプランを遂行するだけだ。《鏡割りの寓話》を筆頭に《税血の収穫者》《黙示録、シェオルドレッド》とスタンダードプレイヤーにもなじみのあるカードで対戦相手を攻めるも良し。
あるいは豊富な除去と妨害で対戦相手の攻勢を挫くも良し。挨拶代わりの《思考囲い》で相手のデッキが何かを見極め、そのデッキが勝つために最重要なカードやこちらの勝ちを遠ざけるカードを捨てさせること。これがパイオニアの黒の強みの一つの柱であることは疑いようがないね。相手の手札が分かれば危ない橋を渡る選択も避けられるというもの。
また戦場に出てしまったクリーチャーには豊富な除去を投げつける。《致命的な一押し》は2マナ以下の最序盤に出てくるものはもちろん、税血やそれが生成する血、寓話の生成する宝物といったトークンなど生け贄に捧げられるパーマネントと組み合わせることで4マナまでターゲットが拡大。能動的に条件を満たして戦場を掃除しよう。《パワー・ワード・キル》は対象に取れるものが限られるが、ドラゴン・天使・デーモンらを用いるデッキと遭遇することが少ない環境であれば2マナインスタントの万能除去!特に同型戦ではこれでほぼ全てのクリーチャーを除去できるというのも大きく、環境を読んだうえでリスクを飲んでメインの除去の一つに使われていることが多いね。自身よりもガンガン攻めてくるデッキに対してはこれらの除去で捌いてから逆転を狙う、コントロール的に立ち回るのだ。
パイオニアのラクドスは《死の飢えのタイタン、クロクサ》が使えるのが嬉しいから、という理由でデッキ選択しているプレイヤーも少なくないんじゃないかな。序盤は2マナの手札破壊として、墓地が貯まった中盤以降は脱出から繰り出される脅威として、どう転んでも強いタイタンの称号に相応しいヤツ。消耗戦にもつれた時にはこのタイタンの攻撃時に誘発する能力がえげつない。1回の攻撃で最大9点を叩き込む慈悲なきクロクサ、パイオニアをやるなら君もこのタイタンの封を解いてみないか?
4 《血染めのぬかるみ》 2 《新緑の地下墓地》 1 《汚染された三角州》 1 《湿地の干潟》 3 《血の墓所》 4 《黒割れの崖》 1 《ロークスワイン城》 3 《沼》 1 《山》 -土地(20)- 4 《敏捷なこそ泥、ラガバン》 4 《ダウスィーの虚空歩き》 4 《歴戦の紅蓮術士》 4 《悲嘆》 4 《激情》 -クリーチャー(20)- |
3 《思考囲い》 3 《稲妻》 3 《終止》 3 《フェイン・デス》 3 《不死なる悪意》 1 《コラガンの命令》 2 《血染めの月》 2 《鏡割りの寓話》 -呪文(20)- |
3 《仕組まれた爆薬》 2 《致命的な一押し》 1 《危難の道》 2 《血染めの月》 2 《未認可霊柩車》 1 《虚無の呪文爆弾》 2 《戦慄の朗詠者、トーラック》 1 《碑出告が全てを貪る》 1 《コラガンの命令》 -サイドボード(15)- |
一方モダンのリストは……パイオニア側がスタンダードの強化版といった作りなのに対して、こちらはガラリと雰囲気が異なる。流石モダンだ、カードプールも広い上に「モダンホライゾン」シリーズなどの専用セットもあるだけあって、採用されているカード群が《思考囲い》や一部の土地を除いて重なるものがなく、別世界感がすごいな。
『モダンホライゾン2』がもたらしたインカーネーションは非常に強く、モダンの各色のデッキに採用されている可能性が非常に高い。特にラクドスにおいては《悲嘆》と《激情》はただのデッキパーツの域を超えて核を担っている。手札破壊と盤面にダメージをばら撒く除去としての能力を持ち、想起コストを支払うことで1ターン目からも唱えられる。手札を追放しつつ唱える想起は、それで唱えられたクリーチャーが戦場に出てから生け贄に捧げなければならない。本来ならこのデメリットでカードの枚数的に損をしてしまうこともあるのだが……。
《フェイン・デス》及び《不死なる悪意》で生け贄となる前に対象に取れば、これは墓地に落ちた後に再び戦場に戻る。こうなると想起で唱えたものとは別カウントになるので、そのまま戦場に居座る。この動きで能力をおかわりしてゲーム展開をコントロールしつつ、威迫や二段攻撃を持った戦闘要員を確保して攻めていこうというのがこのデッキの主計画。特に1ターン目に《悲嘆》が2回手札を捨て去る動きはやられた方がたまったもんじゃない!
このメカニズムを抱えた「ラクドス想起」、パイオニアのラクドスのような支配的な数字を誇っているわけではないが(モダンはそもそもデッキの種類が多すぎてばらける)、オープンのような大規模トーナメントであれば予選ラウンドで何度か当たるということも十分に考えられる無視できない存在だ。
さあ、千葉にて開催されるプレイヤーズコンベンション。オープンに参加する人はもちろんのこと、これらのトーナメントのフィーチャーマッチも動画として公開される予定なので、それらを観戦する人もこれらのラクドスを頭に留めておくと、より楽しい時間を過ごせるはずだ。黒赤2色の進撃、まだまだ続くぜ!
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