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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
今週のCool Deck:呪詛からの目覚め!アラーラ侵攻開始!(モダン+スタンダード)
やあやあ『機械兵団の進軍』でクールなカードは見つかったかい?というわけで今週もやってきたよ、クールを第一にデッキを解説する金曜日。皆はこのセットの何をクールに感じただろうか。僕は……結構、「バトル」にハマっちゃってるね。いきなり大量の新タイプがやってきて戸惑いを隠せなかったものだが、使いやすいものから触っていくうちにバトルのクールさに惹かれていったよ。目下、使いこなしたい1枚は……
《アラーラへの侵攻》!やっぱり5色のカードはそそられるというもの。このバトルはテキストがややこしいのだが、要するに続唱+αである。ライブラリーを捲って公開された4マナ以下の呪文を1枚唱えて1枚は手札に。つまり何が出来るかは捲れたカード次第、でも損をすることはそうそうないという親切な作りだ。
このバトルの守備値を0にすることで唱えられる第2面は《大渦の目覚め》。とりあえずカードが2枚引ける。これだけでもアドバンテージを獲得できるが、さらに盤面に対してごちゃごちゃといろんなことが起こる。パーマネントのタイプを問わずに問答無用で破壊することができるので、相手の重要戦力を除去したり、土地をぶっ壊して計算を狂わせたりと好き放題やっちゃおう。その上でこっちのパーマネントはコピーされ、クリーチャーはサイズアップ。こんななんでも出来ちゃうカード、使わない手はないって!クールなゲーム体験が約束されているのだ。迷わず唱えよ、唱えればわかる。
《アラーラへの侵攻》の難点を上げるのであれば、それは守備値が7と硬いこと。このバリカタあってこその大きなリターンがあるというものだが、これを減らすのはなかなか難しい。デッキによっては7点ダメージを通せるならそのまま本体殴った方が効率が良いのでは?となってしまうのでアフロデッキ向きではないのかもしれない。だったらコンボで……うまくカウンターを削いでやる方法を考えるのがクール・ピープルの性(さが)。どんなカードでもクールに運用してみせることを信条とするコンボメイカーたちが掲げた候補は……
《吸血鬼の呪詛術師》!パーマネントの上からカウンターを全て取り除くという、他に類を見ないニッチな能力がコンボ愛好家の心をとらえて離さない、名カードである。このクールな吸血鬼を生け贄に捧げ、バトルの上から守備カウンターを消し去り、第2面のボーナスを得る。うむ、良き心がけだ。黒のダブルシンボルと5色、この2枚を組み合わせたリストが……
4 《樹木茂る山麓》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《沸騰する小湖》 1 《新緑の地下墓地》 1 《ゼイゴスのトライオーム》 1 《サヴァイのトライオーム》 1 《血の墓所》 1 《繁殖池》 1 《草むした墓》 1 《聖なる鋳造所》 1 《蒸気孔》 1 《耐え抜くもの、母聖樹》 1 《森》 -土地(22)- 4 《縄張り持ちのカヴー》 3 《吸血鬼の呪詛術士》 4 《激情》 4 《ドラコの末裔》 -クリーチャー(15)- |
4 《部族の炎》 4 《力線の束縛》 3 《レンと六番》 4 《エルガモンへの侵攻》 4 《アモンケットへの侵攻》 4 《アラーラへの侵攻》 -呪文(23)- |
3 《虚空の力線》 2 《活性の力》 2 《羅利骨灰》 2 《耐え抜くもの、母聖樹》 2 《碑出告が全てを貪る》 2 《翻弄する魔道士》 2 《漂流自我》 -サイドボード(15)- |
このモダンの5色デッキ。ベースとなっているのは「ドメインZoo」。版図(ドメイン)能力を持ったカードの中から《部族の炎》《縄張り持ちのカヴー》などを用いたアグレッシブなデッキだ。
これらのカードはコントロールしている土地の中の基本土地タイプが多ければ多いほどボーナスが得られる。《樹木茂る山麓》などの特定のタイプを持った土地をライブラリーから探してくる土地、そして《ゼイゴスのトライオーム》のような2つ以上のタイプを持った土地とを組み合わせることで、早いターンから版図カードをフルパワーで用いようというのが狙いだ。
この潤沢なマナ基盤があれば、5ターン目に《アラーラへの侵攻》を唱えることなど容易いと、そういわんばかりに組まれたこのクールなリスト。まだまだ実験的な段階のようではあるが、制作者はMagic Onlineのリーグ戦で4勝1敗と手ごたえを感じているようだ。とりあえず呪詛術士×侵攻コンボが決まらなくとも、殴り勝てる手段がしっかり用意されているのは素晴らしいね。
このデッキに仕込まれたコンボは実質的に1枚コンボである点も、安定した勝利が期待できるポイントだ。《アラーラへの侵攻》から《吸血鬼の呪詛術》が公開されれば、そのまま唱えて即座に《大渦の目覚め》へと繋げられるのだから。
さて、そうして目覚めを唱えるわけだが……このカードを使ったことがある人は、こう感じたことはないかな?「手札から戦場に出すアーティファクト、ないな……」と。このソーサリーはアラーラを構成していた5つの断片の要素が反映されているようで、青を中心とした断片・エスパーの特性であるアーティファクトに関する一文もしっかりと書かれている。実はこれを活かすデッキを作るというのは結構難しい。どうせならマナコストを踏み倒して嬉しいデカいアーティファクトを、と欲張るとデッキが一体何をしたいのかわからない、ノット・クールなものに陥ってしまうからなぁ。
こんな悩みをこのリストはクールに解決しているッ!「ドメインZoo」といえば、その主役は《ドラコの末裔》だ!版図でコストが軽減され、MAXでたったの2マナで唱えられる4/4飛行である。これを早いターンから展開してカヴーらに色ごとにあわせた能力を与えて、ガンガンと仕掛けていくのが「ドメインZoo」の必勝パターン。そんなドラコを《大渦の目覚め》で引いてきたなら、マナコストを踏み倒して戦場に出せる。デッキの形を大きく歪めず、得られるものはなんでもいただく。このクールに商魂たくましい精神は、どんなデッキを組むときにも見習いたいものだ。
《ドラコの末裔》の各色クリーチャー強化の中でも、特にそそられるのが黒に対して絆魂を与えるもの。従来のZooではあまり黒いクリーチャーは用いられないのでこれが活きてくるケースは珍しかったのだが……このバトルデッキと呼ぶにふさわしいリストなら、殴り合い上等の絆魂持ちを用意できる可能性が。《アモンケットへの侵攻》の第2面である《ラゾテプの改宗者》は、墓地のクリーチャーのコピーであり黒い4/4のゾンビであるトークンを生成する。これでコピーしたものは誰でもドラコの恩恵を受けられるということ。更に言うなればドラコ自身をこれで疑似リアニメイトすれば、自分に絆魂を与えるというクールな現象も。想起で唱えて生け贄となった《激情》を極上の除去&攻撃役として再利用したいね。
クールなオマケ
2 《解体爆破場》 13 《島》 9 《山》 -土地(24)- 4 《くすぶる卵》 4 《傲慢なジン》 -クリーチャー(8)- |
4 《考慮》 3 《情報収集》 3 《胸躍る可能性》 4 《アーテイの嘲笑》 4 《かき消し》 4 《否認》 3 《代償破》 3 《嵐の捕縛》 -呪文(28)- |
4 《稲妻の一撃》 2 《家の焼き払い》 4 《組立分解》 2 《渦巻く空、開璃》 3 《精神接合器》 -サイドボード(15)- |
最新セットのカードがまだ揃っていなくてデッキが……という人も大丈夫。マジックは何も新しいカード上手に使おう選手権というわけではない。新セットの影響を色濃く受けるスタンダードであっても、新カードを用いずともクールなデッキは組めるのだ。というわけで今回紹介するオマケは『機械兵団の進軍』のカードが0枚でも組める「イゼット(青赤)ジン」!《傲慢なジン》を用いたデッキのバリエーションの一つを紹介しよう。
インスタントやスタンダードを唱えるコストを軽減し、墓地にあるそれらの呪文の枚数分のパワーを誇るこのジン。主に青単のインスタントで固めたテンポ系のデッキを成立させるとクールな1枚だ。
このジンと今回組み合わせてクールな勝利を狙いにいくのが《代償破》。生け贄に捧げたクリーチャーのパワー分のダメージを与える、《投げ飛ばし》系カードのひとつだ。ドローがついているため4マナと少々重めだが、そこをジンで軽減。そしてジンを生け贄にすれば大ダメージが見込めると、とにかく噛み合ったコンビネーション!ジンを生け贄はリスキーであるというなら、《嵐の捕縛》で同等のパワーを持ったトークンを生成するのもオススメ。《考慮》《情報収集》などで墓地を肥やして、スムーズかつクールにぶん投げろ!
それでは今週はここまで。Stay cool! Let’s battle together!
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