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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
とことん!スタンダー道!ラスゴの連打&今シーズンも赤単を追え!(スタンダード)
さて今週も……来るか?来るか?来たぁッ!
というわけで、ゴールデンウィークで一週間飛んでしまったが、とことんスタンダードを熱く語るスタンダー道の始まりだ。連休だったが、皆鍛錬は続けていたかな?鍛錬ってのは日々のデッキ構築、リスト調整、そして対戦……まあ要するにスタンダードを遊ぶと、それだけの話だね。これが公開される頃には無事にプロツアーも終了しており、世界的にスタンダードの熱気が高まっているに違いない。その熱気を携えて、さあ今週もガッツリスタンダードという険しくも楽しい道を歩んでいこう!
とことん!ラスゴ連発!
「ラスゴ」というマジック用語をご存じだろうか。キャリアの長いプレイヤーには聞くまでもないが、新参プレイヤーにはなんのこっちゃというフレーズだろう。ラスゴとは「ラス・オブ・ゴッド/Wrath of God」の略。これは《神の怒り》の英名のことであり、この最古の全体除去を指す言葉として古くから親しまれている。対象を取らず、1枚で複数のクリーチャーを薙ぎ倒し、当時の除去耐性であった再生も許さないラスゴは、多くのプレイヤーにとってこの上なく頼もしくまた心を折られる1枚であった。
基本セットに長きにわたって再録され続けたが、ある時を境に再録が途絶える。それでも同様の、クリーチャーをまとめて吹き飛ばす除去呪文はデザインされ続けた。時代に合うようにコストや除去の仕方、何らかのオマケなどなどが調整され、スタンダード環境に存続し続ける白い全体除去。それらの名前のどこにもラスもオブもゴッドも含まれていないにしても、ベテランプレイヤー達は「ラスゴ」「5マナラスゴ」「追放ラスゴ」などなど呼びやすい愛称をつけてそれぞれに用いていたりする。
18 《平地》 4 《廃墟の地》 4 《ミレックス》 -土地(26)- 2 《野心的な農場労働者》 2 《神憑く相棒》 -クリーチャー(4)- |
4 《軍備放棄》 2 《運命的不在》 2 《邪悪を打ち砕く》 4 《太陽降下》 2 《告別》 2 《白の太陽の黄昏》 2 《第三の道の機構》 2 《マイトストーンとウィークストーン》 4 《永岩城の修繕》 4 《放浪皇》 2 《永遠の放浪者》 -呪文(30)- |
2 《救済の波濤》 1 《運命的不在》 2 《痛烈な一撃》 2 《大群退治》 2 《第三の道の機構》 2 《聖域の番人》 4 《勢団の銀行破り》 -サイドボード(15)- |
この白単色のコントロールデッキは、まさしくスタンのラスゴを詰め込んだ対クリーチャー戦の鬼。否……神と呼ぶのが正しいか。エンチャントなどのパーマネントにも対処可能な《告別》、ライフ回復にダニ生成と複合的な機能を持つ《白の太陽の黄昏》とスタンダードにはラスゴのバリエーションが揃っているのだ。
そして新たにラインナップに加わった《太陽降下》!こいつはヤバいぜ、5マナとちょい重ではあるがそのコストを払うだけの価値はある。まず、クリーチャーはすべて追放!破壊不能などなんのその、汚らわしい生命を根絶やしに。そしてそれら追放したクリーチャーの数だけの+1/+1カウンターを乗せた培養器・トークンを生成する。つまりクリーチャー除去にして、こちらの盤面にクリーチャーを用意するフィニッシャーも兼ねているってわけだ。対戦相手がズラリとクリーチャーを並べれば並べるほど、このラスゴの効果は増していくというのが実に面白い。
イラストで全てを吹き飛ばしている、降下した太陽とは《歪んだ日食、ヘリオッド》のこと。テーロスの太陽神が悪しきファイレクシアに堕ちたというニュアンスが含まれたカード名がこれまたたまらない。ヘリオッドはかつて《神の怒り》のイラストに描かれたこともあるので、これまたエモいってやつだな。
これら充実のラスゴラインナップ。圧倒的な全体除去のバックアップを受けて、対戦相手の攻めをシャットアウトするのがこのリストの狙い。ヘビー級のコントロールデッキというわけだ。白単にはミッドレンジと呼ばれる一大派閥があり、そちらはクリーチャーを積極的に展開するゲームプランもある。対してこのリストのクリーチャーは4枚のみ。培養器から変身したファイレクシアンや、《放浪皇》《永遠の放浪者》の生成する侍などのトークンで、疲弊しきった対戦相手を打ち倒すというロングゲームを計画しているので、そういったまったりしたゲームが好みのスタンプレイヤーにはオススメしたいものだね。
《永遠の放浪者》は除去もできるすげーやつ。更にこのリストでは《マイトストーンとウィークストーン》を対象にして[+1]能力を起動することで、これを出し入れして誘発型能力を使いまわすという貪欲仕様。手札を常に満たし、少しでもクリーチャーが並べば即ラスゴ!対戦相手とのリソース差を圧倒的なものにして心をへし折ろう!
とことん!赤単アグロ!
18 《山》 2 《ミレックス》 2 《反逆のるつぼ、霜剣山》 -土地(22)- 4 《僧院の速槍》 4 《フェニックスの雛》 4 《血羽根のフェニックス》 3 《血に飢えた敵対者》 3 《呪文槍のケンラ》 -クリーチャー(18)- |
4 《火遊び》 4 《稲妻の一撃》 2 《絞殺》 3 《ナヒリの戦争術》 4 《熊野と渇苛斬の対峙》 3 《過去と未来の剣》 -呪文(20)- |
4 《焼炉の懲罰者》 3 《祭典壊し》 4 《石術の連射》 1 《抹消する稲妻》 3 《真髄の針》 -サイドボード(15)- |
新環境の開幕の華、アグロデッキ。今は赤単がまた脂が乗ってきたタイミング。新セットから得たものも結構あるもんだから、このデッキのバリエーションも色々と出てきそうな予感。当コラムでも不定期でその変遷を追っていけたら良いなと考えているよ。とことん突き詰める人が多いアーキタイプでもあるので、現スタンダードを一つのきっかけにこの赤単道を歩みはじめるプレイヤーも沢山生まれるだろうね。
今回紹介するリストはフェニックス型とでも呼べるだろうか。お馴染みとなっている《フェニックスの雛》に加えて《血羽根のフェニックス》も4枚採用しているのがカッコイイ!
2マナ以下で飛行を持つ、お手軽航空戦力で最序盤から攻撃を仕掛けていく。どちらもフェニックスらしく戦場に戻る能力を持ち、特に血羽根は対戦相手に直接ダメージ呪文、通称”火力”でダメージを与えた際に追加コストで戻ってくるというもの。ブロックには参加できないので、両フェニックスで相討ちを恐れずにガンガン攻撃して、討ち取られたら蘇らせてと息継ぎさせないラッシュをかけ続けよう。
このデッキの火力のメインはこれまでの赤単通りの《火遊び》《稲妻の一撃》。いずれも軽くて対戦相手にも当たるもので、クリーチャーの果敢を誘発させつつ大ダメージに繋げていきたい。それを後押しするのは意外な1枚、《過去と未来の剣》!プロテクション(青)および(黒)でクリーチャーを除去やブロックさせにくくするだけでなく、これで攻撃を通せば墓地から2マナ以下のインスタントやソーサリーを唱えられる!この能力で火力を再利用し、対戦相手のライフを一気に削り取ろうという魂胆だ。《黙示録、シェオルドレッド》などを無視してぶん殴りにいけるのも、現環境では無視できない強みだね。さあ、このリストを参考に皆も自分専用の赤単のリストを練り上げてみよう!
時間を作れる時には可能な限りスタンダードをプレイする。そんな日々が続いている。スタンダードが面白いのはなんとも幸せなことだ。やっぱりこれだよ、これ。そんな気持ちが高まった状態で、今夜もスタンダード、遊んじゃいますか。
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