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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ボロス・ミッドレンジ:エターリの咆哮!超絶パワーカード襲来!(スタンダード)

岩SHOW

 『ファイレクシア:完全なる統一』ではプレインズウォーカーらが大量に完成化、ファイレクシアンとなってしまったことにショックを受けた方もいたことだろう。そして続く『機械兵団の進軍』では新ファイレクシアの次元侵攻が開始され、各次元の住人らが油に感染しファイレクシアンと化した姿が多数カード化された。個人的にこれにはちょっとワクワクしてしまった。もう二度と姿を見ることはないかもしれないと思っていたキャラクターが再登場するのだから(同時に悲惨な最期になるかもしれないのは置いといて)。

 ファイレクシアンへと変貌した者は両面カードで表現された。第1面は通常の姿であり、自身と異なる色のファイレクシア・マナを含むコストを支払うことで第2面の機械化された姿へと変身する。それらのカードの中でも最もインパクトある1枚……個人的にはエターリかな。

回転

 エターリはイクサランに棲息する、強大なる恐竜だ。いわゆるスピノサウルス系の見た目がインパクト抜群でカッコいい。他の恐竜よりも古き時代に生まれ、黄金都市オラーズカと共に長き眠りについていたためエルダーのタイプも持つ。

 この屈強な頂点捕食者に目を付けたのがファイレクシアンの中でも銅の徒党と呼ばれる一派。この集団はヴォリンクレックスが統べる悪意の大群という派閥の中でも他次元へと侵攻したもののことであり、この徒党の連中は強き者しか認めない。彼らの査定をクリアする強さを見せつけた個体には褒美として完成化させてやる、という強者のみを求める危険な連中だ。イクサランのエターリはこの徒党も認める強さを誇ったために完成化させられたというわけだな。ファイレクシアンとなり肉を捨て、鋼鉄のような骨格のみの機怪獣と化した姿は、これぞファイレクシアン×恐竜という、望んでいたカッコよさで痺れるぜ。

 カードとしてもこれは大変にパワフルなもの。《原初の征服者、エターリ》は7マナと重いながらも7/7トランプルと体格で並ぶものは少ない。そして何よりもその能力がヤバい!戦場に出れば誘発、お互いのライブラリートップから土地でないカードが捲れるまで公開し、そしてそれらの呪文をマナを支払わずに唱えられる!マナ・コスト踏み倒し系にして対戦相手のカードいただき系、カード1枚で実質カード3枚分の働きを見せるというデンジャラスっぷり!これを戦場に出すことさえできれば、それだけで大きくアドバンテージを得られる。捲れるもの次第ではゲームが一瞬で終わってしまうことだろう。

 《原初の病、エターリ》に変身するのも多大なコストを要するが、これに化けてしまえばもうジ・エンド。破壊不能を活かしておもむろに攻撃を仕掛け、対戦相手にダメージを与えればその数分の毒も与える。ほぼ一撃でノックアウト!かつての《荒廃鋼の巨像》を思い出させる激ヤバフィニッシャーだ。この超強力な恐竜を扱うデッキ、スタンダードでも色んな構成が考えられるが……

Daftendirekt - 「ボロス・ミッドレンジ」
Boa Qualifier #3 5-1 / スタンダード (2023年4月23日)[MO] [ARENA]
4 《戦場の鍛冶場
4 《日没の道
4 《舞台座一家の中庭
4 《道路脇の聖遺
1 《反逆のるつぼ、霜剣山
5 《平地
2 《
-土地(24)-

3 《野心的な農場労働者
3 《神憑く相棒
3 《選定された平和の番人
3 《ギラプールの守護者
2 《第三の道のロラン
2 《セラの模範
1 《聖域の番人
3 《原初の征服者、エターリ
-クリーチャー(20)-
4 《骨化
1 《邪悪を打ち砕く
4 《鏡割りの寓話
2 《勢団の銀行破り
4 《放浪皇
1 《永遠の放浪者
-呪文(16)-
2 《痛烈な一撃
2 《石術の連射
2 《集団失踪
1 《邪悪を打ち砕く
2 《勢団の銀行破り
2 《未認可霊柩車
2 《石の脳
1 《永遠の放浪者
1 《聖域の番人
-サイドボード(15)-
Melee より引用)

 

 実際に僕自身使ってみて、このリストの安定感には唸らされた。前スタンダード環境で広く使われ、現在もなお強デッキとしての地位を確立している「白単ミッドレンジ」。それがこのリストのベースだ。

回転

 白単色で構成されているため土地基盤には不安がなく、《野心的な農場労働者》などの平地を探すカードにより順調にマナを伸ばしていく。エンチャントやアーティファクトでカードを引いたりトークン生成したりとアドバンテージを獲得しつつどっしり戦うデッキで、単色故に《骨化》などの除去も効果的に運用可能。パーマネントをひたすらに除去し、力技でも突破できない強固な盤面を作り上げて勝つ中速デッキで、プレインズウォーカーの中でも最高クラスの性能を誇る《放浪皇》はまさしく白単ブランドの看板である。崩せない牙城で攻めのデッキを退け、またクリーチャーで攻めに転ずることも可能なのでのっそりもっさりした展開の相手に一気に畳みかけることもできるなど、ミッドレンジならではの器用さも併せ持っている。

 そんな白単のミッドレンジに、尋常ならざる決定力を誇る《原初の征服者、エターリ》をデッキのゴールとして迎え入れたのがこのリスト。エターリ以外には《鏡割りの寓話》と、正真正銘のパワーカードを赤から採用。ただメインデッキの赤いカードはこの2枚に留めることで、基本土地主体の構成は崩さずに《骨化》を運用するという、安定志向を大きく反映した構成だね。どんなパワーカードであろうとも白単ミッドの良いところを捨て去ってまで採用するのであれば、もう2色以上のデッキにした方が良い。このリストはあくまで白単にエターリを足すという意志を具現化したものだという強い意志を感じるね。

 白単ミッドと同様に強い盤面を作りながら相手のパーマネントを自由にのさばらせない、コントロールチックにゲームを展開。《セラの模範》と《舞台座一家の中庭》で土地を伸ばしながらライフも保ち、エターリ降臨という至高の展開へと繋げていく。そんなエターリから、対戦相手の《黙示録、シェオルドレッド》《ギックスの残虐》《絶望招来》《偉大なる統一者、アトラクサ》などなどのパワーカードを美味しくいただければもう文句なし。自分のデッキから捲れてうれしいカードは……

ギラプールの守護者》および《永遠の放浪者》に辿り着ければ文句なしというところ。これらのカードの共通点は「エターリ、おかわり」。《原初の征服者、エターリ》は戦場に出れば能力が誘発する守護者も放浪者も、このエターリを追放してから戦場に戻すという能力持ちである。出し入れされることでエターリは再誘発、またお互いのライブラリーからカードを計2枚追放して唱えさせてくれるのである。これが決まった時のアドレナリン、他でなかなか体験できるものではない。一度試してみて欲しい、そしてマジック観をエターリに塗り替えられる体験を……とくと味わって。

 いやぁエターリ、このリストと出会ってからエターリ漬けの毎日が始まってしまった。めちゃくちゃなことをやってくれる、常識をぶち壊す規格外カード、体験しない手はない。見た目もカッコイイのだからもう最高。君もエターリを活かすデッキを作ってみるべし!良いリストができたら教えてね。

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