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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
緑単信心:機械兵団がもたらしたもの(パイオニア)
さあさあ『機械兵団の進軍』のお通りだ。これを書いているのは同セットのプレリリースが始まった週末が明けた、久しぶりに晴れたある日。太陽が顔を見せるように、新カードを採用しているリストがないか早速PC起動して検索だ。今回のプレリにて手に入れたカードは、即日各フォーマットで使用可能。このルールにより、パックから飛び出たカードでシールドを遊んだ後、マイデッキにそれらを投入して構築フォーマットのトーナメントを遊ぶ、なんていう贅沢な機械兵団三昧な週末を送ることが可能だったのだ。
そんな気合いの入ったデッキがないか探していると……見つけたぞ!実際に新カードを採用しトーナメントで使用されたデッキ、第1号がこちらだ!
12 《森》 4 《ニクスの祭殿、ニクソス》 3 《ハイドラの巣》 2 《耐え抜くもの、母聖樹》 -土地(21)- 4 《ラノワールのエルフ》 4 《エルフの神秘家》 4 《老樹林のトロール》 2 《ポルクラノスの再誕》 4 《茨の騎兵》 -クリーチャー(18)- |
4 《ニッサの誓い》 4 《狼柳の安息所》 4 《収穫祭の襲撃》 1 《世界樹への貢納》 4 《ビヒモスを招く者、キオーラ》 4 《大いなる創造者、カーン》 -呪文(21)- |
2 《大食のハイドラ》 1 《マイトストーンとウィークストーン》 1 《影槍》 1 《街並みの地ならし屋》 1 《真髄の針》 1 《エシカの戦車》 1 《減衰球》 1 《領事の旗艦、スカイソブリン》 1 《石の脳》 1 《トーモッドの墓所》 1 《鎖のヴェール》 1 《死に至る大釜》 1 《宝物庫》 1 《機能不全ダニ》 -サイドボード(15)- |
パイオニアの「緑単信心」!緑マナシンボルをマナコストに含んだパーマネントを戦場に並べ、信心を稼ぐことで《ニクスの祭殿、ニクソス》から得られるマナを爆発的に殖やす。その圧倒的なマナ量で《収穫祭の襲撃》のフラッシュバックや、《大いなる創造者、カーン》から大型アーティファクトを引っ張ってきて叩きつけるなど、パワープレイで対戦相手を圧倒する……コンボ要素を持った力技デッキの代表格だ。
そんな信心デッキに採用される新カード、そりゃあ言うまでもなく緑マナシンボルの濃いものになるわけだ。その答えは……《ポルクラノスの再誕》!
テーロスの死の国にいたハイドラが遂に解き放たれた。過去に2度カード化されているキャラクターだが、それらと比べても最軽量の3マナ!しかも要求するマナは全部緑のトリプルシンボル!本来なら採用可能なデッキが限られてしまい足枷になるマナシンボルも、デッキによってはメリットになるのがマジックの奥深いところ。ポルクラノスは戦場に信心を一気に増やしつつ、4/5という立派なサイズで壁役になってくれる。有難く迎え入れようじゃないか、と思い至っての構築なんだな。到達も持っているので飛行クリーチャーからプレイヤー及びプレインズウォーカーを守ることもできて頼もしい。そして……
ポルクラノスが蘇ったタイミングで、不運とは重なるもの。ファイレクシアの侵攻が始まり、その油に感染したポルクラノスはファイレクシアンに!《破滅のエンジン、ポルクラノス》に変身だ。6/6にサイズアップ、到達に加えて絆魂も持ち、攻防両面での貢献度がさらに上昇。そして自身やハイドラの死亡により、到達と絆魂を持ったファイレクシアン・ハイドラをそれぞれ生成する!かつての《ワームとぐろエンジン》を思い出させる、戦線維持能力を持っている。変身には計7マナ必要で、その内1マナは白か2点のライフで支払うファイレクシア・マナ。残り6マナは不特定なので、ニクソスからのマナを注ぎつつ2点の支払いでこの破滅のエンジンへと変貌させ、対戦相手を圧倒だ!
この新ポルクラノスは単に自身が強いだけでなく、サイド後のプランとも噛み合う。「緑単信心」はその色の関係上、クリーチャー除去に乏しいデッキである。緑には直接的にクリーチャーを破壊や追放する手段が少なく、信心というパーマネントを重視するデッキではその候補も限られる。そもそもカーンからアーティファクトを持ってくるための倉庫としてサイドボードを用いるので、15枚フルにそれに注いでサイド入れ替えを一切行わないというリストも多い。
そんな中、《大食のハイドラ》を2枚ほど潜ませて、アグロデッキに対してこれを投入。格闘で相手のクリーチャーを討ち取れる壁役であり、ダブルシンボルでしっかり信心にも貢献するニクい1枚。このサイドプランとポルクラノス、ハイドラという関係がしっかりと活きて強力なシナジー(相互作用)を生み出す!格闘で相討ちになってもハイドラ2体がわいてきて、1体は絆魂持ち。こうなってしまってはアグロデッキは絶望だな。
もう1枚採用されている新カードが《世界樹への貢納》。このエンチャントもトリプルシンボルで、クリーチャーにドローか+1/+1カウンター2個かのボーナスをもたらす。これは《ビヒモスを招く者、キオーラ》に追加する形のドロー源として採用されているのだろう。
ポルクラノスや《老樹林のトロール》といった面々を戦場に出すことで手札が増える。これらのカードが残すトークンでもこのドローは誘発するので、しぶとく戦えるデッキになるだろう。1枚に留めているのはあまり複数引きたいカードではないことと、あくまで新環境でのお試し枠というポジションということからかな。実際にこのカードが信心デッキにとって超重要という存在ではないだろうが、イラストが美しく、デッキがぶれない新しい要素を盛り込めるのは新環境最初期の醍醐味。こんな具合に強いデッキに積極的に新カードを採用してみよう!
パイオニアのデッキということは、MTGアリーナ上ではエクスプローラーにて再現することも可能ということでもある。《ニッサの誓い》はまだ実装されていないので、完全にこのリストをコピーすることはできないが……そこは別のカードを用いることでカバーできるのでご安心を。アグロとの対戦が多いとかならこのスロットに《大食のハイドラ》を採用しても良いかもしれないね。
さあ、君も『機械兵団の進軍』の新カードを手に入れて、様々なデッキに投入してみよう。「緑単信心」のようにしっかりした土台に新カードを盛り込んで、使用感を確かめてみようじゃないか。そのデッキにもしマッチしなくても、ではどのようなデッキなら活きてくるか?そういったビジョンも開けるだろう。それじゃあ今週も新しい風を感じられるデッキ、ガッツリ紹介してくよ~!
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