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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
とことん!スタンダー道!赤単の道&テゼ鮫原案完成!(スタンダード)
よーしスタンダード、いってみようか!
今週もとことんスタンダードに向き合うこのコーナーの始まりだ。さあ、まずは『ファイレクシア:完全なる統一』環境のデッキ振り返りから!
とことん!赤単道!
17 《山》 4 《ミシュラの鋳造所》 2 《反逆のるつぼ、霜剣山》 -土地(23)- 4 《僧院の速槍》 1 《フェニックスの雛》 4 《血に飢えた敵対者》 3 《ロノムの発掘家、フェルドン》 4 《焼炉の懲罰者》 4 《轟く雷獣》 1 《シヴの壊滅者》 -クリーチャー(21)- |
4 《火遊び》 1 《絞殺》 4 《稲妻の一撃》 3 《無謀なる衝動》 4 《熊野と渇苛斬の対峙》 -呪文(16)- |
4 《引き裂く炎》 2 《呪い金の斬撃》 2 《抹消する稲妻》 2 《巨竜戦争》 2 《シヴの壊滅者》 2 《レジスタンスの火、コス》 1 《勝負服纏い、チャンドラ》 -サイドボード(15)- |
赤単色のアグロ。環境最初期から使われ続けたアーキタイプ、環境末期はこんな具合に。《僧院の速槍》と《熊野と渇苛斬の対峙》という赤が誇る最高クラスの1マナ域からスタートし、ザクザクと手札を展開して攻め立てる、攻めるデッキの代表格だ。他のカラーリングのアグロと見比べた時、赤単のセールスポイントはやはり“火力”。
赤の象徴であるダメージを与える呪文、《火遊び》や《稲妻の一撃》などはクリーチャーやプレインズウォーカーにダメージを与える除去であり、同時に対戦相手のライフを減らす手段にもなる。そういったダメージ呪文を本体火力や直接火力という風に表現し、それが縮まって火力と呼ばれるようになったようだ。炎を使役する呪文が多く、赤という色自体がマナシンボルから分かる通り火の色なのも手伝って、この火力という呼称が一般的なものになったのだと思われる。実際には火ではないものがダメージを与えているものも多いが、全部ひっくるめて火力ということで。
これらの火力呪文はスタンダードにおける扱いが難しい存在のようで……時期によってはスタンダードに存在する火力の中で、プレイヤーにダメージを与えられるものが1枚もない、なんてこともあったりする。
現行のスタンダードでは例で挙げたもののように、除去としてもプレイヤーへの直接ダメージとしても使える火力があるため、赤単が得意の戦術を仕掛けられるように。速攻持ちのクリーチャーを展開して攻撃、邪魔するクリーチャーは除去、そして最後は対戦相手の本体に火力を叩き込んでフィニッシュ!ライフに向かって一直線なデッキが帰ってきたことに歓喜し、現行スタンダードで赤単のみを練り続けているプレイヤーも少なくない。彼ら彼女らはとことん赤単道を歩んでいるってことだね。
この火力の枠に、『機械兵団の進軍』から新戦力が加わる!《かき立てる炎》ッッ!懐かしい、2014年から15年にかけてのスタンダードにて活躍した実績を誇る火力が再録だ。4マナとマナ総量が大きいが、そのコストはマナだけでなくクリーチャーをタップすることでも支払える召集能力を持っている。赤単の小型クリーチャーをタップすることで、土地の枚数を削ったアグロでも問題なく唱えられるというわけ。
この火力はインスタントであり、そして与えるダメージは4点!初期ライフの五分の一を持っていく、効率に非常に優れた火力界の名作として現代まで語り継がれている。そんな《かき立てる炎》がまたスタンダードにやってくるとは……まさか再録されるなんてこれっぽっちも思わなかった。クリーチャーをタップしてダメージを与える、という点で見れば現在の赤単が用いる《轟く雷獣》と役目が近いかな。複数回攻撃できる雷獣と、下準備なしで一発で4点と瞬発力のある《かき立てる炎》。どちらを使うか、両方使うかは皆の調整と環境の他のデッキと……最後は各々の好みかな。
低コストの速攻クリーチャーと火力にて構成される「赤単アグロ」。スタンダードにおけるこのデッキに対する最悪の天敵こそ、《黙示録、シェオルドレッド》!カードを引くとライフが2点回復する、この能力にはマナなど不要なので、せっかく減らしたライフが安全圏へと戻ってしまう。1ターンに何枚引いても誘発するので《鏡割りの寓話》や《勢団の銀行破り》で一気にモリッと回復される可能性も。こうなってはお手上げた。シェオルドレッド本人も4/5と突破しにくいスペックで、接死持っているのでアグロ目線からするとかなり困ったやつである。タフネス5を何とかするために、《引き裂く炎》など本来はあまり使いたくないようなカードに頼らざるを得なかった。これがスタンダードの赤単の実情だ。
このシリアスプロブレムに対処可能で、かつ「これは使いたい」!とポジティブに思わせる新火力も登場したのは朗報だ。《ナヒリの戦争術》!ソーサリーではあるが、プレイヤー以外に5点ダメージが与えられる、3マナとマナ効率の良い除去。そしてこのソーサリー、タフネスが低いクリーチャーに対して唱えるとオマケが付いてくる。余剰ダメージ分ライブラリーの上から見て、そのうち1枚を追放。それを唱えても良いというアドバンテージをもたらしてくれるのだ。小粒に対してマナ効率が今一つな大振りになるのではなく、カード1枚で2枚分の働きを見せるお得な火力となってくれるのは頼もしい。メインからも比較的採用しやすいので、シェオルドレッドを眺めて投了、という悲劇を華麗に回避するシーンが増えそうだ。
とことん!脳内構築
前回に引き続き今週も脳内構築をお届け!《金属の徒党の種子鮫》と《肉体の裏切者、テゼレット》の相性の良さを見込んで、これらを用いたアーティファクト中心のデッキを作ろうと……カード情報も出そろったので色々と考えてみた。いつもこのコラムで紹介するデッキを考案する時、配信しつつ視聴者の皆の意見を求めたりしている。今回もアイディア提供やぶつぶつああでもないこうでもないと言っているのに付き合ってくれてありがとう!
さてさてそんな脳内構築の結果だが……まず、テゼレットと鮫の青という色は当然として、悩んだ結果色を足すことにした。青一色だとカッコいいんだが……やっぱりクリーチャーからの攻めに対して脆いのがね。バトルを使いたいプレイヤーも多いだろうから、ガンガン攻めようとしてくるデッキも増えるだろうしね。それらに一方的にボコスカ殴られたら、いかに鮫→テゼレットのラインで8/8を用意出来たとしても、ブロックじゃしのぎ切れないという状況に陥ってしまう。ここは黒の力を借りよう。
安心と信頼のブランド、《喉首狙い》は確定として、追加で《胆液まみれ》も採用するとしよう。2マナと軽く、ただの除去だけでなく増殖で培養器のカウンターを増やして盤面を強くすることも可能。テゼレットの[-2]能力を連続して起動できるというのも嬉しいオプションになるね。
あとはテゼレットの常在型能力、アーティファクトの起動型能力のコスト軽減も活かす方向でカードを採用してデッキ完成へと持っていこう。{2}軽くなるってことで真っ先に思いつくのは《勢団の銀行破り》。どんなデッキに採用しても強いカードの代表だが、テゼレットがいると0マナで起動できるので、より輝くというもの。ありがたくフリードローを頂戴しよう。それから……
現スタンダードにはミラディン産の剣サイクルが2種類もある。これを使わない手はないって!剣は装備しているクリーチャーをサイズアップし2色に対するプロテクションを与える。これだけでも素晴らしいのに、装備したクリーチャーがプレイヤーにダメージを与えることに成功すると2種類のボーナスが。このマジックの歴史に燦然と輝く装備品サイクルの最新モデルを鮫テゼレットデッキで暴れさせることにしよう。これらの装備コストは{2}であり、テゼレットがいればフリー装備だ。どちらの剣もダメージを通すとカード1枚分のアドバンテージをもたらすが、特に《過去と未来の剣》は墓地の2マナ以下のインスタントかソーサリー、つまりは黒の除去を唱えられるので、殴り合いがより有利になるというものだ。鮫に装備させて除去耐性を持たせて良し、培養器たちをより逞しくして良し。
装備と言えば《ジアーダの贈り物、ラクシオール》も味わい深い1枚になるはず。装備しているクリーチャーに乗っているカウンターの数だけのサイズアップをもたらすので、培養器が無茶苦茶デカくなる。最高じゃないか。プレインズウォーカーにも持たせられるので、テゼレットやその他の面々に持たせて重い一撃をかましてやろう。
4 《闇滑りの岸》 4 《難破船の湿地》 4 《地底の大河》 2 《ミレックス》 1 《マイコシンスの庭》 1 《爆発域》 1 《廃墟の地》 1 《天上都市、大田原》 1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼》 3 《島》 3 《沼》 -土地(25)- 4 《高波エンジン》 4 《金属の徒党の種子鮫》 2 《大変成家、アンクタス》 -クリーチャー(10)- |
4 《喉首狙い》 3 《胆液まみれ》 2 《ギタクシアスの眼》 4 《勢団の銀行破り》 2 《鉱炉と前線の剣》 2 《過去と未来の剣》 1 《ジアーダの贈り物、ラクシオール》 1 《イニストラードへの侵攻》 4 《肉体の裏切者、テゼレット》 1 《踊る影、魁渡》 1 《裏切りの棘、ヴラスカ》 -呪文(25)- |
-サイドボード(0)- |
というわけで、一旦このような形にまとめてみた。執筆時点、リリース前の脳内構築なので実際に使ったわけではないから、効果的に機能するかは分からないが……とりあえずアイディアの共有ということでね。「テゼ鮫(シャーク)」デッキ、もし皆も良い形が思いついたら実際に組んでみて、楽しんだうえで共有してくれると嬉しい。その後良い形に仕上げて対戦でも勝てる形、プレイしていて楽しい形に組み上げられたらまた紹介させてもらうよ!
よーし今週も『機械兵団の進軍』環境への期待を胸に、スタンダードの話がたっぷりできたな。また来週、このコーナーで会う頃には……皆スタンダードをプレイしまくっているんだろうな。それじゃあ新環境をでどんなデッキを組むか考えながら……今日もスタンダードやりますか。
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