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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ラクドス・リアニメイト:アトラクサでバトルをGET!(スタンダード)

岩SHOW

 プレビュー、プレリリースと新セット発売前の期間を経て(プレリリースは今回は発売前日4月20日まで!)、『機械兵団の進軍』環境が遂に眼前に迫ってきた。ちなみに今回は14日から新カードを構築フォーマットで使うことができるので、新カードを手に入れて一足早く新環境のスタンダードをプレイしたという方も少なくないだろう。これを書いているタイミングではまだ実際にカードを触ることができず、絶賛ウズウズしているところだ(笑)。あ~、待ち遠しいぜ。僕と同じように発売日にカードを購入してプレイ開始、あるいはちょっとだけ早くプレイできるデジタル上での機械兵団を待ちに待っている方々……あと数日、この感覚を楽しもうじゃないか。

 そんなマジック欲が高まり続ける日々、時間つぶしにでもなればと現スタンダードのデッキを振り返りつつ、新カードとの相性などを考察する、この新セットリリース前のお約束コラムをお届けしていこう。さあ、早速リストから。

Alex Yatsenko - 「ラクドス・リアニメイト」
Standard 10k Open 8-Slot RCQ 6-0-2 / スタンダード (2023年4月10日)[MO] [ARENA]
2 《ジアトラの試練場
2 《ザンダーの居室
4 《黒割れの崖
4 《憑依された峰
2 《日没の道
2 《砕かれた聖域
2 《硫黄泉
2 《英雄の公有地
1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼
2 《
2 《
-土地(25)-

3 《税血の収穫者
2 《黙示録、シェオルドレッド
4 《偉大なる統一者、アトラクサ
-クリーチャー(9)-
2 《強迫
3 《切り崩し
2 《喉首狙い
1 《削剥
1 《兄弟仲の終焉
1 《告別
3 《大勝ち
3 《勢団の銀行破り
1 《セレスタス
4 《鏡割りの寓話
4 《ギックスの残虐
1 《ヴェールのリリアナ
-呪文(26)-
2 《強迫
2 《石の脳
2 《墓地の侵入者
2 《未認可霊柩車
1 《喉首狙い
1 《切り崩し
1 《シェオルドレッドの勅令
1 《削剥
1 《兄弟仲の終焉
1 《告別
1 《勢団の銀行破り
-サイドボード(15)-
Melee より引用)

 

 こちらは『ファイレクシア:完全なる統一』のスタンダード環境で花開いたデッキ、「ラクドス(黒赤)リアニメイト」。デッキを構成するカードのうちほとんどが黒と赤の2色で構成されている中速のデッキだ。そして4枚採用されているのが赤以外の4色を必要とする《偉大なる統一者、アトラクサ》。これを唱えるためにスタンダードに豊富な2~5色を供給する多色土地をズラリと並べた贅沢なデッキ。アトラクサ以外には白青緑を要求するカードを極力採用せず、黒or赤とそれらのカラーを供給する土地を組み合わせることで実質的に2色の5色デッキというワガママが過ぎる構成が成立!

 そしてアーキタイプ名にも含まれるリアニメイト。これは墓地からクリーチャーをよみがえらせ、直接戦場に出す黒のお家芸だ。

 このリアニメイト要素を担っているのが《ギックスの残虐》。どの能力も強く、先読能力でどの章からでも誘発させられる器用さとパワフルさを兼ね備えた英雄譚だ。これのⅢ章能力が墓地からクリーチャーを戦場に戻す、典型的なリアニメイト。ライフの損失やクリーチャーの弱体化などない、ピュアな一本釣りなので気軽に扱えるのが魅力だ。この能力でアトラクサをリアニメイトする、という形で黒赤2色のデッキでこの4色の最強生命体を運用しようというのがデッキの主な狙いである。

回転

 手札に来たアトラクサを《鏡割りの寓話》《大勝ち》などで捨てて、《ギックスの残虐》で釣り上げる。戦闘面でも、手札を満たすアドバンテージの面でも強すぎるアトラクサを降臨させて勝つ――しかも7マナのクリーチャーを5マナで!これらの赤いカードは宝物を生成するので、残虐を早く唱えたり、アトラクサを素出しする助けにもなる。スマートなデッキだぜ……。

 このリアニメイトに『機械兵団の進軍』から新カードを採用するとしたら……本当に相性が良いかはまだまだ未知数なのだが、やっぱり「バトル」に手を出したくなるね。バトルという新タイプの存在を知らしめたのはアトラクサのテキストの注釈文というのもあるし、彼女の能力で手に入るカードが1枚でも多くなるようにこの新タイプから何かカードを盛り込んでみたいところ。

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 バトルの中では《メルカディアへの侵攻》がこのリアニメイトデッキにおあつらえ向きなように見える。2マナで手札を1枚捨ててカードを2枚引く。赤にはよくあるルーターなんて呼ばれる類の手札入れ替え能力を持ったバトルだ。これで手札に来たアトラクサなどの大物を捨てて、リアニプランの下準備をしようということだ。

 バトルはダメージを与えて守備カウンターを0にすると変身した状態で唱えられる。このバトルの第2面は《カイレンの火炎職人》で、これまた手札を捨てられるスペルシェイパー。さらにトークンを生成しつつクリーチャーに速攻を与えられるので、アトラクサが唯一持っていない赤のキーワード能力、速攻の欄を埋めてあげて正真正銘の偉大なる統一者にしてやるなんてことも……できなくもない。

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 また、単純にアトラクサで得る手札の量を増やしたいがためのバトルであれば、クリーチャーなどのパーマネント除去を一部、インスタントやソーサリーからバトルに置き換えるのが良いのではないか。《兄弟仲の終焉》を《カーサスへの侵攻》へ、《喉首狙い》を《イニストラードへの侵攻》へと入れ替えるなどして、デッキ内のカードそれぞれが担う役目のバランスを崩さずにタイプのバリエーションを豊富にすることができる。こういった工夫が、既に強いデッキを一段階に上に引き上げる。あるいは強さが劇的に変わらないにしても、新しいものを使うのは純粋に楽しいからね。デッキの折角の良さを損なわない程度に新要素を盛り込んでみよう。

回転

 スタンダードにおける定番デッキの一つとして地位を確立した《ギックスの残虐》リアニメイト。『機械兵団の進軍』の到来を受けて変化を受けるスタンダードの中で、変わらん物良さを維持しそうな予感……てことは、サイドボードに墓地対策は欠かせないね。前の環境で強かったデッキをしっかりケアしつつ、新たなスタンダードを楽しんでいこうじゃないか。

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