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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
とことん!スタンダー道!:5色コントロールとゴイフスペシャル(スタンダード)
キタキタキタァッ!「とことん!スタンダー道!」の始まりだ!
……テンションが高すぎたかな。まあ、新しいことを始める際には高いテンションは不可欠。エネルギッシュにこってりいこうか!
そんなわけで、おかげさまで長期連載となっている私岩SHOWのデイリー・デッキ。金曜日には「今週のCool Deck」などの固定コーナーを行ってきたが、そろそろ違う曜日にもそういうものを設けてみても良いだろうなと。思い立ってはじめてみたのが、スタンダードの新たなデッキ・定番デッキの変化や進化・サイドボードの考察・スタンダードで過小評価されているかもしれないカード……そういったとことんスタンダードの話をしようというこの「とことん!スタンダー道!(仮)」。まあまだ仮題だけどもね、スタンダードという突き詰めるには長く険しい道を歩んでいこうという思いで、こう銘打たせていただいたよ。
直近約2年間にリリースされたセットのみを用いてデッキを構築して対戦する、スタンダード。基本的・標準的といった意味が示す通り、マジックにおいては長きにわたって構築フォーマットの定番として長いサイクルを経てきたもの。今現在、構築フォーマットは非常に幅広く存在し、スタンダードを遊ばなくなったプレイヤーも増えたというのは実際に感じるところではある。でも、やっぱりスタンダードって良いものだよなと……そういう気持ちが最近僕の中でふつふつと湧き上がってきて、このようなコーナーを始めさせていただくことにした。
スタンダード大好き、スタンダード最高!と既にドはまりしている君も、最近スタンおっかけてなくて……というあなたも!一緒にスタンダードを読み解いていこうじゃないか。じゃあ、早速デッキ紹介いってみよう!
地域予選を勝ち上がったのは5色(3色)デッキ!
4 《ラフィーンの塔》 4 《スパーラの本部》 4 《ジェトミアの庭》 1 《ジアトラの試練場》 1 《天上都市、大田原》 1 《耐え抜くもの、母聖樹》 4 《平地》 2 《島》 1 《沼》 1 《山》 2 《森》 -土地(25)- 4 《伝染病のヴォラック》 3 《偉大なる統一者、アトラクサ》 -クリーチャー(7)- |
3 《かき消し》 2 《終わりなき迂回》 3 《骨化》 4 《力線の束縛》 3 《集団失踪》 4 《群れの渡り》 1 《記憶の氾濫》 3 《勢団の銀行破り》 1 《セレスタス》 3 《放浪皇》 1 《永遠の放浪者》 -呪文(28)- |
1 《向上した精霊信者、ニッサ》 2 《沈黙を破る者、スラーン》 2 《否認》 2 《軽蔑的な一撃》 2 《自然への回帰》 2 《痛烈な一撃》 4 《軍備放棄》 -サイドボード(15)- |
《力線の束縛》は《偉大なる統一者、アトラクサ》と共に。以前紹介した「5色の」アゾリウス・コントロールのような、メインカラーに補色する形でこれらのカードを用いるデッキは、数こそ多くはないが一定数のユーザーを保持している。常に安定して4色以上、望んだ色が揃うわけではなく、それを嫌って使用を避けるプレイヤーも少なくないが……逆に理想的な展開になった時のリターンにどっぷりハマったヘビーユーザーもいるのが事実。アトラクサ1枚から戦況をひっくり返す気持ちよさは何ものにも代えられない!
そんなアツい思いを結実させるために、各々の工夫がみられるリストが散見される。このリストは東南アジア地区の地域チャンピオンシップにおいて名誉ある1位に到達したデッキ。何とも派手なデッキが優勝したものだ。5色コントロールという形になるが、実質的には白青緑の3色が中心。力線と《骨化》や《集団失踪》などで除去を司る白、そして《かき消し》《終わりなき迂回》といった青らしいトリッキーなインスタントで相手を撹乱。
緑の役目は……マナ基盤の安定化だ。《群れの渡り》は基本的に手札から捨てて使用する。基本土地をもってきつつ3点回復し、重いアトラクサが降臨するまでの下準備と力線のコスト軽減を狙う。ゲーム終盤ではビーストを5体呼び出す強力なフィニッシャーにもなってくれるだろう。
そして《伝染病のヴォラック》!シブいぜ。3マナ3/3、ブロック役で相手のクリーチャーと相討ちになってくれれば上等。戦場に出した時にライブラリーから土地が見つけて手札に加えられるので、この手のヘビー級デッキにとって致命傷となりかねない「土地が置けないターン」を回避できる……かもしれない保険になる。パワーカードの運用には、こういった一見地味ながらしっかりとデッキを支えてくれる1枚が欠かせないのだ。
今週のラダーチャレンジ!
僭越ながら、僕が実際にスタンダードで使用したデッキも定期的に紹介させていただこう。デッキを練り上げていく過程なども楽しんでもらえるかなと……これも一つのチャレンジだ。MTGアリーナのラダー(ランク戦)にて使ってみたデッキを取り上げさせてもらうよ!ちょっと癖のあるデッキを作りたいあなたの参考になれば嬉しいね。
今週はこの企画を始めるにあたって、デッキをゼロから作ってみようと思い至った。今回主役に選んだのは《アーボーグのルアゴイフ》!
イラストが最高に良いよね。ゴイフ系クリーチャーらしさを感じる昆虫と爬虫類が混じったような顔つき、背中に乗った小さな死霊的な存在……味わい深いぜ。能力もハーフ《ルアゴイフ》という感じで、自身の墓地のクリーチャーしか参照はしないが、2マナと軽いのが強み。キッカーを支払えば自身のライブラリーを切削し、自らの手でサイズ参照のためのクリーチャーを墓地に落とせるのが自己完結していて素晴らしい。
スタンダードで使用可能になってから、二度三度マニアックなリストで見かけたくらいで、活躍を実際に目の当たりにしたことはない。アリーナの日々の報酬などでいつの間にかこのゴイフが4枚集まっていたので、デッキを組んでみることにした。
相棒に選んだのは……《歓喜する喧嘩屋、タイヴァー》!
彼もまた切削を行えるプレインズウォーカーであり、そして墓地からゴイフを戦場に戻すことができるので、除去耐性のないゴイフのお供にはこれ以上ないくらいにうってつけ。ガッチリボディが自慢のマッチョなタイヴァーは、平然と8/9とかに育つゴイフを気に入ってくれるはずだ。というわけでタイヴァーとゴイフの緑と黒を中心に、ゴイフのキッカーも意識して青をチョイ足しするのを意識して組んでみたリストがこちら。
4 《死天狗茸の林間地》 4 《難破船の湿地》 4 《夢根の滝》 4 《ラノワールの荒原》 1 《ヤヴィマヤの沿岸》 2 《見捨てられたぬかるみ、竹沼》 1 《耐え抜くもの、母聖樹》 1 《沼》 1 《森》 -土地(22)- 4 《かじりつく害獣》 4 《アーボーグのルアゴイフ》 4 《堕落産みの蜘蛛》 4 《硬化した屑鉄喰らい》 4 《腐れ花》 4 《ラトスタイン翁》 1 《年経た枝指》 -クリーチャー(25)- |
4 《切り崩し》 2 《喉首狙い》 2 《麒麟の教え》 2 《梅澤俊郎の生涯》 3 《歓喜する喧嘩屋、タイヴァー》 -呪文(13)- |
-サイドボード(0)- |
《ラトスタイン翁》などなど黒と緑の切削カードを多数採用。また《腐れ花》や《年経た枝指》らタイヴァーで釣って嬉しいクリーチャーも積極的に。デッキとしては自分からアグレッシブにライブラリーを擦り減らしていき、ゴイフを展開して殴り勝つというシンプルなもの。名付けて「ゴイフスペシャル」!(そのまんま)
ゴイフと並んでお気に入りのパーツは《堕落産みの蜘蛛》!リリース当初からスタンダードで使ってみたいなと思い続けていたカードをようやくデッキに採用してあげられたという面でも感慨深いものがある。毎ターンの切削と、生け贄に捧げることで墓地のクリーチャーの数だけ昆虫を生成する能力、どちらもデッキに噛んでいる。特にタイヴァーがいればタイムラグなく即能力が起動できて、しかも蜘蛛を拾って出し直すという鬼の連打も可能!
実際にこれでラダーに挑んでみたところ、これがなかなかデッキとして機能している。仮組みにしては上出来、破綻していると感じたところもないかな。ラダーには赤単が非常に増えているのでそれらへのガードを上げつつこちらを参考に、ゴイフと蜘蛛の硬さで勝負。この戦術がハマって、赤単などのアグロ相手には良い感じに勝てた。このままデッキを伸ばしていきたいと思える形にはなったので、細部のカードの選定やサイドボードの構築などが今後の課題かな。来週紹介する時にはどのような形になっているか?全くの別デッキを紹介しているかもしれないが、それも含めてお楽しみにということで(笑)。
というわけでね、スタンダードの楽しさやアツさを伝えたい気持ちを爆発させて突発的に新コーナーとして始めさせてもらった「とことん!スタンダー道!(仮)」。タイトルは今後、編集さんやウィザーズスタッフさんの方針、あるいは気分なんかで変わるかもしれないが……とことんスタンダードの魅力を伝えていきたい!日刊連載だからこそできるスタイルでスタンダーを追いかけていきたいという思いはホンモノのつもりだぜ。
僕自身、ただのごく一般的なスタンダードプレイヤー。人にものを教える立場ではないが、このコーナーを道場みたいな感じで続けて行って、皆とともに切磋琢磨成長しながら、スタンダードという至高のフォーマットを遊んでいきたい。それじゃあ今日も……スタン、やりますか!
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