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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
オムナスの下に……あの法務官が来る!(パイオニア)
プロツアー、堂々の帰還。2018年11月に開催されたプロツアー『ラヴニカのギルド』以降、他のイベントに置き換わりその長い歴史に一旦幕を下ろした。新しい競技イベントの形態が模索され、世界情勢も相まってオンライン・トーナメントが競技イベントの最高峰となっていたが……やっぱりプロツアーでしょ!ということだね。3年以上の空白期間を経て復活したプロツアー・ファイレクシア、テーブルトップ(紙のカード)での招待制イベントが復活だ。
紙のカードをシャッフルして引いて、時に静かに手札のカードを凝視し、時に激しく盤面に叩きつける……プレイヤーの所作と表情が見えるのがたまんないよなぁ。マジックはただカードだけでなく、対戦相手と向かい合うゲームということ、だからこそ最高に面白いということを再度深く認識させられた週末となったね。
さて、この復活プロツアーが開催されたフィラデルフィアの会場には他にも山のようなマジック要素が詰め込まれていたという。MagicCon: Philadelphiaはマジック30周年記念の一環として開催され、大小問わず様々なテーブルトップのトーナメントが同時開催され、物販やアーティストサイン会なども過去のイベントと桁違いの規模で行われた。すごいね、30周年。今回紹介するデッキは同会場にて開催されたプロツアー予選にて用いられたデッキ!フォーマットはプロツアー本戦同様、パイオニア!
2 《スパーラの本部》 2 《ケトリアのトライオーム》 1 《ラウグリンのトライオーム》 1 《ラフィーンの塔》 1 《ジェトミアの庭》 1 《ジアトラの試練場》 1 《ザンダーの居室》 3 《聖なる鋳造所》 2 《踏み鳴らされる地》 2 《寺院の庭》 1 《陽花弁の木立ち》 1 《耐え抜くもの、母聖樹》 4 《寓話の小道》 1 《平地》 1 《島》 1 《沼》 1 《山》 1 《森》 -土地(27)- 4 《森の女人像》 1 《嘘の神、ヴァルキー》 1 《無私の象形織り》 4 《創造の座、オムナス》 1 《人質取り》 1 《機械の母、エリシュ・ノーン》 -クリーチャー(12)- |
4 《岩への繋ぎ止め》 1 《絶滅の契機》 4 《力線の束縛》 1 《急使の手提げ鞄》 4 《鏡割りの寓話》 4 《白日の下に》 1 《僻境への脱出》 1 《殺戮遊戯》 1 《プリズマリの命令》 -呪文(21)- |
1 《湧き出る源、ジェガンサ》
-相棒(1)- 2 《勢団の銀行破り》 2 《真髄の針》 2 《ドビンの拒否権》 2 《安らかなる眠り》 2 《軽蔑的な一撃》 1 《引き裂く流弾》 1 《アゾリウスの造反者、ラヴィニア》 1 《真っ白》 1 《霊気の疾風》 -サイドボード(14)- |
パイオニアの「オムナス白日」だ。オムナスは多種存在するが用いるのは《創造の座、オムナス》。4色要求という強烈なマナシンボルにして4マナ4/4のガッシリボディ。戦場に出ればカードが1枚引けるということで、出せさえすればその時点でアドバンテージを確約。さらに上陸能力が1ターンに最大3度誘発、特に2つ目の能力は4マナ加えるというぶっ飛んだマナ加速だ。このはちゃめちゃエレメンタルを使いたいがためにパイオニアをプレイしている方も少なくないはず。
このオムナスと組み合わされているのが《白日の下に》。ソーサリーにして、実質的にクリーチャーでありインスタントでもある特殊な呪文だ。これを唱えるために支払ったマナの色の数に等しいマナ総量の該当呪文をライブラリーから探して唱えることができる、臨機応変を体現した1枚である。デッキの主役であるオムナスをこれで水増ししつつ、他のクリーチャーを展開したり《僻境への脱出》《殺戮遊戯》といった呪文を唱えたりとテクニカルな動きを可能にしてくれる。また、オムナスの4色マナを注ぐための使い道としてもこれ以上ない逸品でもあるね。これは色も噛み合っているオムナスと白日を共演させた5色のコントロールデッキというわけである。
『ファイレクシア:完全なる統一』の新カードの中からは《機械の母、エリシュ・ノーン》が採用されている。
新ファイレクシアのボス、その能力は戦場にパーマネントが出たことで誘発する能力を2倍にするというもの。つまりこれはオムナスの上陸能力にも適用される。通常オムナスの上陸を同一ターンに2回誘発させようと思ったら《寓話の小道》などの1枚で2枚分仕事をする土地を用いたり、《僻強への脱出》などでプレイできる土地の枚数を増やすという手段が必要だ。ノーンはどんなまどろっこしいことを抜きに、土地1枚で上陸2回誘発!4点回復→4マナ獲得と続けざまに誘発させることで相手の攻めを受け切り攻勢に転じよう。
5色デッキの友《力線の束縛》や山タイプを持つ土地があることで運用可能な《岩への繋ぎ止め》、《人質取り》などノーンと相性◎なカードは他にもどっさり。
ノーンが出ればコントロールが「完成」すると言っても大袈裟な表現ではあるまい。複数枚引くと使い道に困るカードではあるので1枚に抑えているが、《白日の下に》があればデッキに4枚以上入っているようなもの。ファイレクシアンと化すことが発表されたオムナス同様、対戦相手も機械の兵団に取り込んでやることにしよう。
《創造の座、オムナス》《白日の下》を使った5色デッキ。《力線の束縛》を除去の軸としたコントロールデッキには《機械の母、エリシュ・ノーン》を潜ませよう。《奇怪な具現》によりノーンをサーチするデッキもプロツアーで結果を残しており、この法務官が支配の手をどれだけ拡げるか?パイオニアの動向に要注目だ。
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