- HOME
- >
- READING
- >
- 岩SHOWの「デイリー・デッキ」
- >
- 今週のCool Deck:夜警と祭壇、頑強コンボ!(ヒストリック)
READING
岩SHOWの「デイリー・デッキ」
今週のCool Deck:夜警と祭壇、頑強コンボ!(ヒストリック)
やあやあクールな金曜日!今週もやってきた~Cool Deckのお時間だ。『ファイレクシア:完全なる統一』が日本にてリリースされて一週間。世界的には今週末が発売週末になり、本格的に盛り上がりだすタイミングだ。週明けには紙のカードを用いた大会結果も出始めて、各フォーマットの熱量がグッと増していくことになるだろう。されどこの回を作成しているのは日本における発売日前日。締め切りの関係上仕方がないが、だからと言ってクールなデッキが紹介できないわけではない。『兄弟戦争』環境におけるデッキを紹介する最後の回、そう考えればこれもクールなものだよ。
今週のデッキは『兄弟戦争』がもたらしたカードによって成立したものだ。それじゃあクールにいってみよう!
19 《沼》 3 《ファイレクシアの塔》 -土地(22)- 4 《墓所破り》 4 《よろめく怪異》 4 《朽ちゆくゴブリン》 -クリーチャー(12)- |
4 《切り崩し》 4 《命取りの論争》 4 《ウォーロック・クラス》 3 《願い爪のタリスマン》 3 《不気味な教示者》 4 《スランの夜警》 4 《狂気の祭壇》 -呪文(26)- |
-サイドボード(0)- |
このクールなデッキは?
ヒストリックの《スランの夜警》コンボ!全く同じリストをレガシーで、《ファイレクシアの塔》を他のカードに置き換えればモダンでも再現可能だ。
自分のターンにクリーチャーが墓地を離れると能力が誘発するという、特殊な引き金を持った《スランの夜警》。『兄弟戦争』のカードの中でもあまり使われていないカードではないかな。このエンチャントがもたらすのはクリーチャーに+1/+1カウンターを置くという、戦闘を重視したデッキには嬉しいボーナスだ。
ただこのカードはそれだけではなく、コンボのお供でもある。死亡すると墓地から戦場に戻るという頑強能力。これは夜警の能力を即座に誘発させる。頑強はクリーチャーに-1/-1カウンターが乗っていない状態で死亡した際にのみ誘発し、戻すクリーチャーには同カウンターが1つ乗っている状態になる。-1/-1カウンターが乗ったクリーチャーが戦場に戻り、クリーチャーが墓地を離れたことで夜警が誘発。これでそのクリーチャーを対象にして+1/+1カウンターを置くと……これらのカウンターは相殺する。つまりカウンターが乗っていない真っ新なクリーチャーが復活した形になるね。これをまた死亡させる手段があれば?もう1回頑強で戻ってくる。その手段が使える限り、いくらでも戦場に戻ってくるというわけだ。
これは要するに、マナを支払わずにクリーチャーを何度でも生け贄に捧げられる能力があれば、クールな事態に発展するってわけだな。このデッキがそのために選んだのは……
《狂気の祭壇》ッッ!
クリーチャーを生け贄に捧げ、それのパワー分だけ対象のプレイヤーのライブラリーを切削させる。初出は『テンペスト』、かれこれ25年以上の歴史を持った名アーティファクトだ。これがヒストリックで使えるのは『兄弟戦争』にて旧枠版アーティファクトとして再録されたためだね。マナが不要でクリーチャーを生け贄に捧げられるパーマネントのことを一部のプレイヤーは“サクリ台”と呼んでいる。サクリは生け贄の意味の英単語、サクリファイス/Sacrificeの略。そして台とはまさに生け贄を捧げる祭壇、このカードのようなもののことを指している。正真正銘のサクリ台!
このクールなカードに《朽ちゆくゴブリン》を無限とも思えるほど捧げて、ゴブリンは永遠の死を繰り返す。そんな光景を見せられたプレイヤーが狂気に蝕まれるのも納得。対戦相手を対象にしてそのライブラリーを完全切削し、カードを引けない状況に陥らせて勝負ありッ!クールすぎる瞬殺コンボ、必要なカードは《狂気の祭壇》《朽ちゆくゴブリン》《スランの夜警》が3枚揃えば、それで勝てるというシンプルさ。さあ、夜警の目をかいくぐってゴブリンを祭壇へ!!(狂気の表情)
4 《秘密の中庭》 4 《花盛りの湿地》 4 《寺院の庭》 3 《草むした墓》 3 《陽光昇りの小道》 2 《枝重なる小道》 1 《コイロスの洞窟》 1 《低木林地》 1 《耐え抜くもの、母聖樹》 1 《平地》 -土地(24)- 4 《朽ちゆくゴブリン》 -クリーチャー(4)- |
3 《致命的な一押し》 2 《神の怒り》 2 《暗殺者の戦利品》 4 《豊穣な収穫》 4 《チーム結成》 4 《牧歌的な教示者》 4 《厳粛》 4 《九つの命》 4 《狂気の祭壇》 1 《虚空の力線》 -呪文(32)- |
-サイドボード(0)- |
このクールなデッキは?その2
こちらは先ほどの《スランの夜警》コンボの発展版というところ。海外のデッキリスト掲載・投稿サイトなどではGreedy ○○というような表記を目にすることがある。「欲深い」という意味が示す通り、それらのデッキは欲張りなあれもこれも取り入れた詰め合わせリストになっていたりする。このリストはまさにGreedy!欲を追求すること、それもまたクールな姿勢だ。
《狂気の祭壇》と《朽ちゆくゴブリン》での無限眼鏡を狙うのは同じだが、第3のコンボパーツに夜警以外のものを採用している。それは《厳粛》。このエンチャントはプレインズウォーカー以外のパーマネントにカウンターの類が一切乗らなくなる。これにより頑強の制約はなくなり、死亡したら真っ新な姿でゴブリンが帰ってくることになるのだ(朽ちてはいるのだがね)。
この《厳粛》といえば、《九つの命》ともコンボを形成することで有名だ。ダメージを全て軽減する代わりに具現カウンターが増えていき、9個乗ると追放されてゲームオーバー。しかし横に《厳粛》があれば具現カウンターは乗らず、九つどころか永遠の命を得ることになる。ライフで敗北しなくなるので、相手の攻撃を無視して後は祭壇一式が揃うのを待つのみ。コンボのための時間稼ぎをコンボで行う、クールすぎる発想!コンボパーツが被っているからこそ許される異形の構築には痺れるね!
ヒストリックであればサーチも豊富なのでコンボも成立させやすい。クリーチャーをゴブリン4枚のみに絞ることで《豊穣な収穫》で確実に手に入れられるのはスマートかつクール。キーカードがエンチャントなので《牧歌的な教示者》も万能だ。
そしてモダンやパイオニアには存在しない、ヒストリックだからこそのカード《チーム結成》!デジタルならではの面白いサーチであり、4枚採用しているカードであれば概ねみつかるような、そうでないようなバランスが味わい深い。
このデッキはコンボには緑が一切絡んでいないが、これらの優秀なサーチ及び《暗殺者の戦利品》のために白苦との2色ではまとめずに貪欲3色構造となっているのだ。欲に忠実に組まれたコンボ、クールじゃないか。
クールなまとめ
今回は『ファイレクシア:完全なる統一』前の環境のデッキを紹介させてもらった。来週掲載分からは新環境!クールなカードが大挙して押し寄せてきて、マジックはどう変わるのか?一つ言えることは、世界に新たなクールが生まれることは間違いないって!それじゃあ今週はここまで。Stay cool! Ready for completion!
RANKING ランキング
-
広報室
年末年始もマジックづくし!「お年玉キャンペーン」&「プレマ&スリーブゲット!年末/年始スタンダード」開催決定|こちらマジック広報室!!
-
コラム
スクウェア・エニックスで「マジック体験会」を開催!?『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』に向けたインタビューも|企画記事
-
戦略記事
ラクドス・サクリファイス:クリーチャーともう一つの生け贄要員(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
戦略記事
ジャンド独創力:プランは複数、独創力のみにあらず(パイオニア)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
戦略記事
とことん!スタンダー道!まさかまさかの複製術、コピーされ続ける先駆者(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
NEWEST 最新の読み物
-
2024.12.23戦略記事
グルール&ボロス、赤いアグロとダメージ呪文(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.20戦略記事
今週のCool Deck:ロータス・コンボ、遂にアリーナにて始動!(パイオニア)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.20読み物
第51回:0から始める統率者戦|クロタカの統率者図書館
-
2024.12.19戦略記事
とことん!スタンダー道!まさかまさかの複製術、コピーされ続ける先駆者(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.19コラム
スクウェア・エニックスで「マジック体験会」を開催!?『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』に向けたインタビューも|企画記事
-
2024.12.18戦略記事
ラクドス・サクリファイス:クリーチャーともう一つの生け贄要員(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
CATEGORY 読み物カテゴリー
戦略記事
コラム
読み物
BACK NUMBER 連載終了
- Beyond the Basics -上級者への道-
- Latest Developments -デベロップ最先端-
- ReConstructed -デッキ再構築-
- Daily Deck -今日のデッキ-
- Savor the Flavor
- 射場本正巳の「ブロールのススメ」
- 津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ
- 浅原晃の「プレミアイベント三大チェックポイント!」
- ガフ提督の「ためになる」今日の1枚
- 射場本正巳の「統率者(2017年版)のススメ」
- かねこの!プロツアー食べ歩き!
- ロン・フォスターの統率者日記
- 射場本正巳の「統率者(2016年版)のススメ」
- マアヤのマジックほのぼの日記
- 金子と塚本の「勝てる!マジック」
- 射場本正巳の「統率者(2015年版)のススメ」
- 週刊連載インタビュー「あなたにとってマジックとは?」
- なかしゅー世界一周
- 中村修平の「デイリー・デッキ」
- 射場本正巳の「統率者(2014年版)のススメ」
- 中村修平の「ドラフトの定石!」
- 浅原晃の「プロツアー観戦ガイド」
- 鍛冶友浩の「プロツアー観戦ガイド」
- ウィザーズプレイネットワーク通信
- Formal Magic Quiz
- 週刊デッキ構築劇場
- 木曜マジック・バラエティ
- 鍛冶友浩の「デジタル・マジック通信」
- 鍛冶友浩の「今週のリプレイ!」
- 渡辺雄也の「リミテッドのススメ」
- 「明日から使える!」渡辺リミテッド・コンボ術
- 高橋優太の「このフォーマットを極めろ!」
- 高橋優太の「このデッキを使え!」
- 黒田正城の「エターナルへの招待」
- 三田村リミテッド研究室
- 新セットめった切り!
- シングルカードストラテジー
- プレインズウォーカーレビュー
- メカニズムレビュー
- その他記事