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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

エスパー・レジェンド:新たな伝説はダニと……?(スタンダード)

岩SHOW

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 これは何の数字でしょう?答えは……『ファイレクシア:完全なる統一』に収録されている伝説のカードの枚数!これは結構なボリュームじゃないか。伝説のクリーチャーとプレインズウォーカーを足すとこの枚数になる。初登場になる新ファイレクシアの幹部クラス、残念ながらファイレクシアに取り込まれてしまった人気キャラ、さらには生死も定かではなかった久しぶりの登場になる抵抗戦力……伝説がズラリ。

 個性豊かな面々を目にして、皆はどう考えたかな?統率者戦のデッキを組む、それはもちろんあるよね。でも伝説の使い道はそれだけじゃないぜ!前スタンダード環境で輝きを放っていたデッキがコチラ!

Augusto Lespier - 「エスパー・レジェンズ」
The Pizza Box Open: Standard 12位(6-2) / スタンダード (2023年1月15日)[MO] [ARENA]
4 《英雄の公有地
4 《ラフィーンの塔
1 《さびれた浜
4 《難破船の湿地
2 《砕かれた聖域
3 《アダーカー荒原
3 《コイロスの洞窟
2 《皇国の地、永岩城
3 《天上都市、大田原
1 《平地
-土地(27)-

4 《スレイベンの守護者、サリア
3 《鴉の男
3 《敬虔な新米、デニック
4 《策謀の予見者、ラフィーン
4 《賢明な車掌、トルーズ
2 《第三の道のロラン
3 《復活したアーテイ
2 《黙示録、シェオルドレッド
2 《アーボーグのラタドラビック
4 《夜明けの空、猗旺
-クリーチャー(31)-
1 《冥府の掌握
1 《喉首狙い
-呪文(2)-
4 《切り崩し
2 《寄生性掌握
3 《婚礼の発表
2 《軽蔑的な一撃
2 《魅せられた花婿、エドガー
2 《漆月魁渡
-サイドボード(15)-
Melee より引用)

 

 伝説のクリーチャーをズラリと並べて実に31枚!「エスパー(白青黒)レジェンズ」だ。ここまで伝説で固めることに意味があるのか?……あるんです!

 まずはマナ基盤。如何にスタンダードの2色以上を供給する土地が優秀なラインナップだからといっても、3色以上のデッキを組むとどうしてもどれかのマナが得られずに手札を消化しきれない展開になりがちである。その問題を解決するためにデッキをほぼ伝説オンリーに仕上げて《英雄の公有地》を4枚投入!

 伝説の呪文を唱えるためであれば好きな色のマナが得られる、つまりこのリストでは夢のノーリスク5色土地!土地が有り余っているのであれば生け贄に捧げて、伝説に呪禁と破壊不能を与える、除去対策や戦闘を有利にするオプションとしても活用できる。この強い土地を使う!レジェンド軍団結成の決め手その1だ。

 もう1つの決め手は《アーボーグのラタドラビック》!このリッチはまさしくレジェンド・コレクターだ。

 伝説のクリーチャーが死亡すると、2/2のゾンビとして蘇らせて使役させる。そのゾンビはもう有象無象の歩く死体、伝説ではなくなるのだが……これを逆手に取れば伝説のクリーチャーが2体並ぶという状況を作りだせる。

 同一の伝説パーマネントをフル投入したデッキを組むと、戦場に1枚しか出せずに手札に来ると無駄なドローになりがち。この問題をラタドラビックは解決してくれる。伝説ルールで片方は墓地に送り、ゾンビとなって戦場に残ると。特に《夜明けの空、猗旺》は死亡時に強力な能力は誘発するので、自主的に2体並べていく動きを肯定してくれるのはありがたい限りだ。シンプルに除去耐性にもなり、ラタドラビックを抱えた白黒+αな伝説デッキ、なかなかやりよるぞ。

 このデッキを、新たに始まったスタンダード環境でも用いたい!せっかく大量に新戦力候補がやってきたんだ、そりゃあ装いを新たにしたレジェンズを集結させたいよ。というわけで今回は新たな伝説たちを分析しよう!

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 まずは伝説デッキ待望の1マナ圏、《離反ダニ、スクレルヴ》!1/1と戦闘向けではなくブロックにも参加できない、一見ひ弱すぎるようにも見えるが、これの能力はかなりの曲者。

 味方クリーチャーに指定した色に対する呪禁とその色のクリーチャーにブロックされないという、除去耐性と回避能力を同時付与!これはかつての《ルーンの母》を思い出してしまうね……コイツはダニだけどもな(笑)。1ターン目にこれが出てくると、後続のクリーチャーが非常に除去しにくくなり、まず真っ先にダニ退治しなければ不利なゲーム展開を強いられることになる。これは外せないピースになるなぁ。マナではなく2点のライフを支払う形で起動のためのコストを払えるのも、展開を阻害しないので非常に優秀。カード1枚を守れたら2点のライフなどタダのようなものだよ!

 今セットより新登場の伝説のファイレクシアン・ホラー・サイクル、ドミヌス!語感が最高にカッコイイ連中の中でも、白と黒のものはカラーリングも相まってラタドラビックと愛称◎!トークンの生成を倍にする《栄光のドミヌス、モンドラク》、クリーチャーが死亡することで誘発する能力を倍にする《修羅のドミヌス、ドリヴノッド》、どちらもラタドラビックのゾンビが2体出てくるようになる!

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 モンドラクはレジェンドデッキの採用率の高い《輝かしい聖戦士、エーデリン》を後押し、ドリヴノッドは《夜明けの空、猗旺》をおかわりして盤面展開も強化も思いのまま!これらがいる状況で猗旺ゾンビが2体並ぼうもんなら……もうわけのわからん盤面になっちまうぞ!

岩SHOW - 「エスパー・レジェンズ改」
スタンダード (2023年2月9日)[MO] [ARENA]
4 《英雄の公有地
4 《ラフィーンの塔
2 《砕かれた聖域
3 《金属海の沿岸
3 《闇滑りの岸
2 《アダーカー荒原
2 《コイロスの洞窟
2 《皇国の地、永岩城
3 《天上都市、大田原
1 《平地
-土地(26)-

4 《離反ダニ、スクレルヴ
4 《スレイベンの守護者、サリア
2 《敬虔な新米、デニック
1 《残忍な巡礼者、コー追われのエラス
4 《策謀の予見者、ラフィーン
2 《輝かしい聖戦士、エーデリン
1 《第三の道のロラン
2 《復活したアーテイ
1 《黙示録、シェオルドレッド
2 《栄光のドミヌス、モンドラク
3 《アーボーグのラタドラビック
4 《夜明けの空、猗旺
1 《修羅のドミヌス、ドリヴノッド
-クリーチャー(31)-
1 《シェオルドレッドの勅令
1 《冥府の掌握
1 《喉首狙い
-呪文(3)-

-サイドボード(0)-

 《策謀の予見者、ラフィーン》の強さは今更説明するまでもないレベル。3マナで高タフネス、護法により除去耐性に飛行で攻撃を通して謀議で手札入れ替え&サイズアップ!特に重ね引いて不要な伝説クリーチャーを捨てつつ打点に変換できるのは見事としか言いようがない。

 スクレルヴとサリアでしっかりと対戦相手を妨害しつつ、3ターン目にラフィーン出せれば序盤の攻防はもらったと言えるでしょうよと。それを目指して上記のリストに注目カードをねじ込んでみたリストだ。

 リリース前にざっくりと組んだだけで実際にプレイ出来ておらず、すでに新スタンダードを体験している人からすると思うところはあるだろうが……叩き台ということでここはひとつご勘弁を。まあベースのデッキが安定しているものなので、新しいものを取り入れていきやすいのは強みだよね。《金属海の沿岸》《闇滑りの岸》と再録された便利2色土地をすんなりと採用出来るのもVery Good.

 《英雄の公有地》と《アーボーグのラタドラビック》が支える白黒の伝説クリーチャー中心デッキ。このアーキタイプの引き出しもまた増えた感があるね。リリース前の噂によると、何やら怪しげな挙動の無限コンボもあるのだとか?それは今回取り上げず、今後のコラムのネタにとっておくよ。という具合に正直を売りにしております、どうも岩SHOWでした~また明日ね。

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