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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ヤツはるつぼのゴライアス。ラクドス・サクリファイスを組んでみよう(スタンダード)

岩SHOW

 『ファイレクシア:完全なる統一』はプレビューでカードをざっくり見た段階でも全体的に強そうなセットに見える。このようなセットがやってくると、やはりスタンダードが楽しみになってくるというもの。新セットの加入でもっとも影響を受けるフォーマットであるだけに、新ファイレクシアと抵抗勢力の新カードはスタンダード待望の超刺激。皆はビビッとくるカードと出会えたかな?未だの人も、リリース後にカードをたっぷり触って熱くなれるカードと巡り合えるように祈ってるよ。

 僕も気になるカードはいっぱいある、1枚1枚を見て行ったら目移りしてキリがないけども……こういう時には己の好みでまずフィルターをかける。僕は4マナ4/4というスペックがものすごく好みで、変な話だが4/5や5/5よりも4/4の方がなんだか惹かれてしまうものがある。こういう人の性質ってものはあるだろうし、マジックを遊ぶ際にはそれも大事にしてほしいなというのが個人的な願い。そんなわけで新セットでもまずは4マナ4/4をチェック!すると、なんとも理想的なヤツがいるじゃない。

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 《るつぼのゴライアス、ケテク》!ゴライアスという通り名も激熱だし、イラストも巨大機械獣感があってカッコいい。このケテクの能力はクリーチャーの生け贄に関するもの。ターン終了時にクリーチャーを生け贄に捧げ、それよりもマナ総量が小さいクリーチャーをライブラリーから戦場へ。普通に考えれば2マナのクリーチャーが死亡し、1マナのクリーチャーと入れ替わる。そんなに嬉しいことじゃないように見えるが、そこはデッキ構築の腕の見せ所。スタンダード目線でデッキを考えると……

toncula - 「ラクドス・サクリファイス」
FISHTOUCHER 9位(5-2) / スタンダード (2022年11月26日)[MO] [ARENA]
4 《憑依された峰
4 《硫黄泉
2 《ザンダーの居室
1 《反逆のるつぼ、霜剣山
1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼
1 《道路脇の聖遺
7 《
4 《
-土地(24)-

4 《ヴォルダーレンの美食家
4 《税血の収穫者
2 《剃刀鞭の人体改造機
2 《ファイレクシアのドラゴン・エンジン
-クリーチャー(12)-
4 《電圧のうねり
2 《喉首狙い
4 《実験統合機
4 《鬼流の金床
3 《人体改造機の冠
4 《鏡割りの寓話
2 《機械化戦
1 《敵対するもの、オブ・ニクシリス
-呪文(24)-
3 《強迫
2 《切り崩し
1 《削剥
1 《夜の棍棒使い
1 《魂転移
1 《未認可霊柩車
1 《巨竜戦争
1 《怪しげな統治者、スクイー
1 《燃え立つ空、軋賜
1 《黙示録、シェオルドレッド
1 《ヴェールのリリアナ
1 《敵対するもの、オブ・ニクシリス
-サイドボード(15)-
Melee より引用)

 

 まずは現行スタンダードの「ラクドス(黒赤)サクリファイス」。サクリファイスは生け贄のことで、これを複数回行うデッキに用いられることの多いアーキタイプ名だ。このデッキが生け贄にするのはクリーチャーと、そしてメインはアーティファクト。キーカードは《鬼流の金床》だ。

 アーティファクトを生け贄にして対戦相手のライフを吸い取る。金床はアーティファクトが戦場を離れると構築物を生成する能力もついており、それを餌とすることで毎ターン生け贄を行える。あるいは《電圧のうねり》等の生け贄を用意し続ける。

 このリストでは《人体改造機の冠》でのドローもメインのエンジンを担っている。これを装備させた構築物を生け贄にし続けているだけで手札が満たされ、ライフを削り取り、そして損失はナシ。完璧な永久機関とも言えるね。

 《剃刀鞭の人体改造機》や《キキジキの鏡像》で作ったコピーに装備させてもオイシイ思いが出来ちゃうね。《税血の収穫者》に装備して収穫者自身の能力で生け贄にするのも隙のない運用で、バンバン生け贄を行って手札とライフの差をつけたいものだ。

 このリストをベースに《るつぼのゴライアス、ケテク》ら新ファイレクシアの新戦力参入後のリストを考えてみたぞ!

岩SHOW - 「ケテク・サクリファイス」
スタンダード (2023年2月1日)[MO] [ARENA]
4 《黒割れの崖
4 《憑依された峰
4 《硫黄泉
2 《ザンダーの居室
1 《反逆のるつぼ、霜剣山
1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼
4 《
3 《
-土地(23)-

4 《溌剌としたヒューズリング
4 《税血の収穫者
4 《剃刀鞭の人体改造機
3 《るつぼのゴライアス、ケテク
-クリーチャー(15)-
4 《電圧のうねり
4 《実験統合機
4 《鬼流の金床
2 《上機嫌の解体
3 《人体改造機の冠
4 《鏡割りの寓話
1 《敵対するもの、オブ・ニクシリス
-呪文(22)-

-サイドボード(0)-
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 カッコいいケテクが戦場で雄叫びをあげる「ケテク・サクリファイス」だ。狙いとしてはケテクで《剃刀鞭の人体改造機》を生け贄に捧げ、ライブラリーから《溌剌としたヒューズリング》を連れてくる。これを数々のサクリファイス要素で育て上げてしっかり噛みついていこうという攻めのラインを太くすることを意識してみた。他にも新カードからは《上機嫌の解体》を採用。これも《実験統合機》や人体改造機を破壊してトークンを並べる一種のサクリファイス的な要素を担いつつ、いざとなれば対戦相手の《勢団の銀行破り》などに撃ち込んで除去として用いることも出来るアドリブの効く1枚だ。

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 このカラーリングのデッキが得た最大の補強は《黒割れの崖》かもしれない。元々現在のスタンダード環境は土地の種類が豊富であり、多色デッキを組む際に不自由を感じることは少ない方である。しかしそれらのラインナップは《ザンダーの居室》《憑依された峰》と最序盤ではタップ状態で戦場に出るため、スタートを重要視するデッキでは扱いづらい側面もあった。逆に早いターンのうちであればアンタップ状態で出せる2色土地のサイクル、通称「ファストランド」の帰還は、アグロや軽いカードを主体としたデッキにおける多色化を強く支えてくれるマナ基盤として信頼できる。

 もちろん他のカラーリングのファストランドの恩恵を受けるデッキも多数登場するだろう。それら2色の組み合わせ5種類のカラーリングのデッキをおさらいして、新環境のスタートダッシュを切ろう!

 『ファイレクシア:完全なる統一』はワクワクするカードが本当に多い。日本では2月3日に発売予定であるため、節分を祝いながらパックを剥き新カードを迎え入れるという楽しいイベントを体験可能だ。《るつぼのゴライアス、ケテク》はどう見ても鬼側ではあるが、これを内に入れると福がくるかも?皆も悪鬼の如く屑鉄を生け贄にするデッキを組んでみてね!

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