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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

パイオニアを知ろう! コンボデッキ編(パイオニア)

岩SHOW

 いや~ヤバいぞヤバい、もう今週末! これが公開される日からあと4日でプレイヤーズコンベンション2022愛知が始まる! 発表された時には「今年の11月末ねぇ~めっちゃ先やな」とかボケーっと考えていたが、もう目前ではないか。

 というわけで「パイオニアを知ろう!」シリーズもラストスパートだ。オンライン上で対戦模様を見ることができる2大メインイベント、「チャンピオンズカップファイナル サイクル1」「プレイヤーズコンベンションオープン 2022 supported by 日清食品」のフォーマットであるパイオニアのデッキを紹介することで、観戦のお供に役立てていただこうという思いでひっそり進めてきた企画だ。締め切りの関係もあって『兄弟戦争』参入前のデッキリストになってしまうのは許してね! もちろん新戦力候補にも触れるので、参考になれば幸いだ。

 それじゃあ今回はコンボデッキを紹介しよう。スタンダードよりも広いカードプールを誇るパイオニア。カードの選択肢が多いということは、ただ単にそれら1枚1枚がどうこうという取捨選択ではなく、組み合わせによって大いに化けるカードたちというものが出てくるものだ。

 2枚以上のカードを組み合わせてゲームに勝利する、それをコンボデッキとジャンル分けする。パイオニアではスタンダードよりも派手なコンボが組めるのもあって、コンボスキーの方の琴線にも触れるようなデッキが揃っている。それじゃあ見ていこう!

Brandon Bercovich - 「アブザン・パルヘリオン」
2K RCQ @ Card Shop (Santa Clara, CA) ベスト8 / パイオニア (2022年11月6日)[MO] [ARENA]
1 《
1 《神無き祭殿
4 《秘密の中庭
2 《草むした墓
3 《花盛りの湿地
3 《闇孔の小道
4 《寺院の庭
1 《枝重なる小道
1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼
1 《耐え抜くもの、母聖樹
-土地(21)-

4 《ラフィーンの密通者
4 《サテュロスの道探し
4 《大牙勢団の総長、脂牙
1 《黄金牙、タシグル
-クリーチャー(13)-
4 《思考囲い
1 《強迫
4 《忌まわしい回収
4 《ウィザーブルームの命令
3 《未練残り
4 《エシカの戦車
1 《領事の旗艦、スカイソブリン
4 《パルヘリオンⅡ
1 《ヴェールのリリアナ
-呪文(26)-
3 《墓地の侵入者
4 《致命的な一押し
2 《強迫
3 《暗殺者の戦利品
2 《未認可霊柩車
1 《領事の旗艦、スカイソブリン
-サイドボード(15)-
mtgtop8 より引用)

 

 これは先に行われた世界選手権のエクスプローラー・ラウンドでも使用者の多かった「アブザン・パルヘリオン」。

 《大牙勢団の総長、脂牙》の能力で墓地にある《パルヘリオンⅡ》を戦場に戻し、登場してそのまま攻撃! パルヘリオン自体とそれが生成する天使とで空中から大ダメージを叩き込み、早期決着を狙う。

 デッキは「メインのコンボパーツである脂牙と機体」「手札から捨てたりライブラリーを切削するなどで機体を墓地に送るカード」「《思考囲い》や除去などのサポート」というところで構成される。

 特に墓地に送る方法が重要で、土地の枚数を削っている分《サテュロスの道探し》《忌まわしい回収》《ウィザーブルームの命令》でマナ基盤を整えつつしっかりと機体を埋めていきたい。

 この際に脂牙が墓地に落ちたら《未練残り》でリアニメイトするというルートも。

 墓地を追放するなどのカードで簡単に止められてしまうコンボではあるが、このデッキの強みはコンボが決まらなくても適当にビートダウンして勝てるという点。

 《エシカの戦車》《領事の旗艦、スカイソブリン》は脂牙に頼らずとも運用可能で、それらで普通に攻撃しているだけでゲームに勝ててしまう展開も多数。

 なので単に墓地を封じて勝つという対策は危険で、クリーチャーやアーティファクトを(なるべくインスタントで)除去、アーティファクトの起動型能力を封じて機体を機能不全に、などの対策で勝負したい相手である。

 『兄弟戦争』では新しい機体カードは登場しなかった。《やり場のない悔恨》や《敵意ある交渉》など墓地関係で面白いカードは増えたが、ちょっと重いかな……。

Raphael Azevedo - 「睡蓮の原野コンボ」
Guru Gaming - 2022 @ Guru Gaming (Rio de Janeiro, Brasil) ベスト4 / パイオニア (2022年11月5日)[MO] [ARENA]
1 《
1 《繁殖池
4 《植物の聖域
4 《神秘の神殿
4 《睡蓮の原野
2 《耐え抜くもの、母聖樹
2 《天上都市、大田原
4 《演劇の舞台
-土地(22)-

4 《樹上の草食獣
4 《砂時計の侍臣
1 《溺神の信奉者、リーア
-クリーチャー(9)-
4 《見えざる糸
4 《衝動
4 《森の占術
1 《感電の反復
3 《バーラ・ゲドの復活
1 《首謀者の収得
4 《熟読
1 《闇の誓願
3 《出現の根本原理
1 《来世の警告
1 《深淵への覗き込み
1 《時を越えた探索
1 《全知
-呪文(29)-
1 《終止符のスフィンクス
1 《自然のままに
1 《真髄の針
2 《神秘の論争
2 《危難の道
3 《神聖の力線
1 《衰滅
1 《至高の評決
2 《思考のひずみ
1 《副陽の接近
-サイドボード(15)-
mtgtop8 より引用)

 

 こちらは《睡蓮の原野》を用いたコンボデッキ。

 この土地のデメリットを無視する方法はいくつかあるが、このデッキでは土地を2つ生け贄というデメリットを許容して原野を素出し。「土地をアンタップする」という魔法の言葉が書かれた呪文をたっぷりと採用して、この土地を何度もアンタップしては3マナ得るという形で驚異的なマナ加速を行って勝利へと繋げる。

 具体的にはゲーム外の《副陽の接近》を《首謀者の収得》で手札に加えて唱える→各種ドローやサーチ、《出現の根本原理》からもう一度唱えて勝利、というド派手なムーブを狙う。

 一体何マナ必要なんだというところだが、《砂時計の侍臣》《見えざる糸》《熟読》でひたすらに原野を起こせばマナはいくらでもモリモリと得られる。

 どれだけ窮地に追い詰められても原野さえ戦場に出ていれば相手の盤面やライフがどんな状態であろうが大逆転が狙える、職人向けのコンボデッキだ。いきなりハイと渡されてこれ勝利するというのは難易度が高いが、何度も回し続けることで感覚が掴めるはず。

 昨年発売された『パイオニア・チャレンジャーデッキ』のひとつにも採用されており、実は組みやすいデッキのひとつでもある。

 『団結のドミナリア』にて《衝動》が加わったことでコンボパーツをより一層集めやすくなった。

 『兄弟戦争』では《ファイレクシアへの門》のような重量級アーティファクトが多数収録されているため、原野からの加速で叩きつけるという別方向のデッキも作られたりするかも?

 コンボデッキというのはマジックを盛り上げてくれる華とも言うべき存在だ。実際にプレイしていても、観戦していても、これらのコンボが動き出す瞬間は盛り上がるもの。パイオニアならではのコンボデッキをこの週末は堪能してほしいね!

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