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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:ナヤ・ランバージャック~ティタニア合体を添えて~(レガシー)

岩SHOW

 今週もやってきましたクールなカード、クールなデッキにフォーカスして紹介する金曜日。

 本日は『兄弟戦争』発売日! クール極まる週末の幕開けだ。個人的に思い入れの強い時代やキャラクターを扱うこのセット、さまざまなフォーマットに影響を与えそうな個性的なカードにも大いに期待しているよ。

 発売前のカードの話をする時、強いかそうでないかは断言できないものである。でもクールか否かは「君がそう感じたのならそれはクール!」なので何も気にせずに語れるという、当コーナーの無敵っぷりを再確認。

 カードを見る時にはまず強さだけを気にしがちな我々プレイヤーの体質。これをどうにかしたいという気持ちが年々高まっているのだ。マジック初心者の発言や様子を目にすると、ピュアな目線でカードを見ていて本当になんというか、羨ましいんだよな。「このカードでどんなデッキが組めるだろう?」というワクワク感、『兄弟戦争』で膨らませたいなというのが個人的な目標だ。

Connors Eilersen - 「ナヤ・ランバージャック」
Jordan Aisaka Event @ ETB (Oakville, Canada) トップ4 / レガシー (2022年11月5日)[MO] [ARENA]
1 《
1 《ドライアドの東屋
1 《冠雪の平地
2 《Savannah
1 《Taiga
1 《Plateau
4 《吹きさらしの荒野
1 《樹木茂る山麓
2 《成長の揺り篭、ヤヴィマヤ
2 《トロウケアの敷石
1 《カラカス
2 《セジーリのステップ
1 《耐え抜くもの、母聖樹
1 《ボジューカの沼
1 《古えの墳墓
3 《不毛の大地
1 《演劇の舞台
1 《暗黒の深部
1 《イス卿の迷路
-土地(28)-

3 《オークの木こり
1 《エルフの開墾者
1 《森を護る者
3 《聖遺の騎士
1 《忍耐
1 《ラムナプの採掘者
2 《アルゴスの庇護者、ティタニア
1 《原始のタイタン
1 《モウロック
-クリーチャー(14)-
3 《モックス・ダイアモンド
3 《輪作
2 《剣を鍬に
2 《森の知恵
1 《壌土からの生命
4 《緑の太陽の頂点
2 《虹色の終焉
2 《時を超えた英雄、ミンスクとブー
-呪文(19)-
1 《Glacial Chasm
1 《溜め込み屋のアウフ
1 《秋の騎士
2 《忍耐
2 《紅蓮破
2 《赤霊破
1 《耳の痛い静寂
2 《窒息
1 《無垢への回帰
2 《活性の力
-サイドボード(15)-
mtgtop8 より引用)

 

このクールなデッキは?

 というわけでクール所信表明から入った今回取り上げるのはレガシーのナヤ(白赤緑)カラーのデッキ。

 このフォーマットでは赤緑の2色を含むデッキの立ち位置が以前よりも上昇している。《時を超えた英雄、ミンスクとブー》という速やかにゲームに勝てる1枚が加わったからね。

 毎ターン「ブー」をサイズアップさせて突撃させているだけで相手のライフを瞬く間に削り取れる。《罠の橋》などを置かれて攻撃を防がれても[-2]能力で投げつけて直接ダメージ! 「ブー」は除去されても毎ターンひょっこり復活するのでロングゲームもお手の物。

 赤緑+αの3色デッキの中でも、ナヤは安定感のあるカラーリングだ。白を足すと3色以上のデッキで輝く《虹色の終焉》が使えるからだな。

 プレインズウォーカーと除去、優秀な矛と盾を備えたこのナヤの詳細を見ていこう。

どこがどうクールなのか?

クールポイント:トップメタに激シブクリーチャー

 実はこのリストに近いデッキは当コラムでも取り上げたところ。詳しくはこちらにて。《暗黒の深部》《演劇の舞台》のコンボを搭載しつつ、それらにアクセスする手段として採用した《エルフの開墾者》《聖遺の騎士》が攻撃役も担うというコンボ要素を持ったビートダウンとして理想的なデッキ「ナヤ・デプス」だ。

 このリストはその一派の中でもカードチョイスがクールなものなので取り上げさせてもらった。まず目を引いたのは、枠のデザインが他と大きく異なる《モウロック》!

 『統率者デッキ:Warhammer 40,000』のカードを取り入れているのはクールだぜ。《緑の太陽の頂点》から出てきて小粒を除去してという選択肢の幅が増えたわけだ。

 同じく統率者セットに含まれる《アルゴスの庇護者、ティタニア》のチョイスも光る。

 土地が戦場から墓地に落ちれば5/3とデカいトークンが生成されるなかなかにヤバいカード。《吹きさらしの荒野》《樹木茂る山麓》《不毛の大地》と能動的に能力を誘発させられる土地は揃っている。《トロウケアの敷石》や《成長の揺り篭、ヤヴィマヤ》を2枚並べて強引に5点分の打点を生み出すのもなかなかにクールだ。

 他にも土地利用デッキにおける絶対的なパワーカード《原始のタイタン》など、個性的なクリーチャーチョイスを行っているが、そのため全体的に重めのカードが並ぶ。軽いカードが主役のレガシーで、この大振り構成は大丈夫か心配になるが……そこはこのデッキの最もクールな部分がしっかりと支えているのでご安心を。《オークの木こり》!

 初出『アイスエイジ』のイラストがたまらない。子供向けアニメの悪役のようなマシーンに乗り込んでいる姿が、同セットの他のカードと雰囲気が違いすぎてクール極まっている1枚だ。

 マジックの歴史上でも相当ハイテンションなイラストで大好きなカードなのだが、その強さもかなりのもの。森を生け贄にすることで{R}か{G}を3つ供給! 1マナのクリーチャーでここまでのブースト具合というのはそうあるものではない。

 土地を使い潰すというコストは状況によっては重くのしかかるだろうが、上記のような強力クリーチャーを展開したりデプスコンボを決めたりすれば土地1枚という代償も簡単にペイできてしまう。このリターン重視な構成、無茶苦茶にクールだぜ。オークが森林伐採してティタニアが能力を誘発させる光景も味わい深いぜ……。

さらなるクールのために

 ティタニアと言えば、『兄弟戦争』では新カード《ガイアの声、ティタニア》は冒頭で述べたようなデッキを組みたくなるワクワク感にあふれたクールな逸品だよな。

//

 何せ合体カードだ! 《自然の聖域、アルゴス》と両方揃えて条件を満たせば、この2枚は合体して《ガイアの具現、ティタニア》となる。

titania_meld.png

 ティタニアは4つのキーワード能力で攻守ともに秀でており、土地の枚数分のパワー/タフネスというどこまでも巨大になれる夢にあふれたスペックの持ち主。

 合体条件は墓地に土地が4枚以上あることで、これは兄弟戦争に巻き込まれてアルゴスの森林が焦土と化していくことにティタニアがブチギレたというフレイバーも表していて素晴らしい。

 その墓地に落ちた土地は合体時に戦場に戻るので、土地の再利用カードという側面も持っている。《不毛の大地》やデプスコンボなどなど、レガシー特有の土地を戦場に戻してオーバーキル感を味わおう!

 というわけでこのリストに《ガイアの声、ティタニア》《自然の聖域、アルゴス》を1枚ずつ仕込みたい欲が高まる。《緑の太陽の頂点》《輪作》とサーチは十分揃っている。《輪作》や《オークの木こり》《モックス・ダイアモンド》と土地を墓地に4枚落とすのはとても簡単だ。今後、ティタニアがレガシーの常連となるかも?

クールなまとめ

 本日発売の『兄弟戦争』、復活した合体カードはどんなデッキを組もうか? じっくり考えさせてくれる最高にクールな存在だ。

 さあ、近くのショップにパックを買いに行って、デッキを組もう。スタンダードをはじめレガシーなど他のフォーマットでも、新カードを使ったデッキを考えるのは最も楽しい時間だ。

 それじゃあ今週はここまで。Stay cool! Meld your cards!!

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