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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
兄弟戦争開戦直前! 赤単編(スタンダード)
さあ『兄弟戦争』だ。
プレリリースを経て、いよいよ発売週。これを書いているのはプレビューで全カードが公開された翌週、プレリ前。毎度この新セット発売前・現環境末期シーズンでお馴染みの全カードリストを眺めながらの妄想構築劇場にお付き合いいただきたい。
やっぱりまずはスタンダードから考えていきたいね。『団結のドミナリア』リリースに伴うローテーションで使用可能カードプールが狭まったスタンダード。ここに新たに200種類以上のカードが加わるのは、文字通り環境を激変させる。
優れた工匠兄弟の戦いだけあって、多くのアーティファクトが戦列に加わったことには特に注目したいね。『神河:輝ける世界』のアーティファクトとシナジー(相互作用)を形成するカード群との組み合わせなど、スタンダードが一気にアーティファクト環境になる予感?
とりあえずカードギャラリーからビビッと刺激を放ってくるカードからデッキを作ってみるぞ!
「おっ」となったカードは多数あるが、今回気になったのは《機械化戦》。
赤とアーティファクトの発生源が与えるダメージを1点上昇させるという常在型能力を持っている。わかりやすくいえば赤とアーティファクト・クリーチャーのパワーを実質1上げ、《火遊び》などのダメージを上昇させるということだね。
これはつまりアグレッシブなデッキで使って輝く1枚だ。ライフをゴリゴリと詰めていく赤いアグロデッキを組むことにしよう。
そのようなデッキが環境初期に活躍しやすいというのは毎回書き続けているお約束ワード。アグロデッキは軽くてダメージ効率に優れたカードを用いて速やかに勝利するもので、そういったカードはテキストとスペックから判別が容易。コントロールやコンボで用いられるカードの性質を理解するために試行錯誤しているデッキを、アグロでぶっ飛ばすのは常套手段だ。
現スタンダードにはアグロの強き友《稲妻の一撃》のようなプレイヤー本体にダメージを与える呪文もある。良きタイミング、時は来た。《機械化戦》、開幕ッッ。
16 《山》 1 《反逆のるつぼ、霜剣山》 4 《ミシュラの鋳造所》 -土地(21)- 4 《フェニックスの雛》 4 《兎電池》 4 《増員された浪人》 4 《継ぎ接ぎ自動機械》 3 《蜥蜴丸》 3 《無謀な嵐探し》 1 《怪しげな統治者、スクイー》 -クリーチャー(23)- |
4 《熊野と渇苛斬の対峙》 4 《火遊び》 4 《稲妻の一撃》 4 《機械化戦》 -呪文(16)- |
《機械化戦》4枚に、3マナ以下の軽量クリーチャーをたっぷりと。非クリーチャー呪文もプレイヤー本体にダメージを与えられるもので固めて、とにかく攻めに攻めまくる構成だ。
特に《熊野と渇苛斬の対峙》は能力で与えるダメージも、クリーチャーとして叩き込む戦闘ダメージも《機械化戦》で伸ばすことが可能。
この赤いアグロを成立させている重要カードと相性が良いなら、《機械化戦》がかなりやりそうな予感。
《機械化戦》における重要なポイントとして、速攻は外せない。このエンチャントを置いた次のターンに展開してすかさずに攻撃できるクリーチャーというのはサイズの面で優れているカードよりも価値が大きい。
《フェニックスの雛》は速攻に加えて飛行もあってダメージを通しやすく、墓地から戻る能力も合わさって序盤から中盤まで活躍が見込める。唯一少ない打点を伸ばす《機械化戦》は待望の1枚だったのでは。
《怪しげな統治者、スクイー》は赤い発生源2つ以上としてカウントできるので、これも全体除去の返しから走ってゲームエンドをもたらしかねない。
速攻と同じく重視したのが《ミシュラの鋳造所》。
クリーチャー化する土地もまた《機械化戦》を置いた次のターンにスムーズに攻撃できる重要な発生源。アーティファクト・クリーチャーなので、きっちりと機械化の恩恵を受けて3点ダメージを与える無視できないプレッシャーに! さらに2枚目以降が並んでいればそれも強化できるので、いかに相手がクリーチャー除去を用いて盤面を掃除してこようとも、しつこく確実にダメージをねじ込める。
《増員された浪人》は速攻持ちでこれまた攻めを途切れさせない1枚。
手札に戻るというデメリットは《継ぎ接ぎ自動機械》と組み合わせることでむしろメリットとなる。
これらのアーティファクト・クリーチャーらのシナジーもデッキの見どころ。換装能力持ちや《鉄の弟子》、そしてもう少し土地の総数を増やして《轟く雷獣》と併用するのもアリだなぁ。雷獣の与えるダメージを《機械化戦》で底上げしてやるのは贅沢なコンボだ。
16 《山》 1 《反逆のるつぼ、霜剣山》 4 《ミシュラの鋳造所》 -土地(21)- 4 《僧院の速槍》 4 《フェニックスの雛》 2 《血に飢えた敵対者》 4 《無謀な嵐探し》 1 《怪しげな統治者、スクイー》 2 《本能を穢すもの》 2 《ロノムの発掘家、フェルドン》 2 《巨大焦がし大口》 -クリーチャー(21)- |
4 《熊野と渇苛斬の対峙》 4 《火遊び》 4 《稲妻の一撃》 2 《勝負服纏い、チャンドラ》 2 《ドラゴンの運命》 2 《機械化戦》 -呪文(18)- |
新規カードの他には意外な再録カードの姿も。《僧院の速槍》だ。
1マナの速攻クリーチャーの中では破格の性能でパイオニアやモダンでも使用され続けている名カードだ。これの果敢能力は非クリーチャー呪文を唱えることで誘発するので《機械化戦》を唱えれば都合2点分のダメージを水増しすることが可能!というわけでアーティファクト・クリーチャーにこだわらない赤単も組んでみた。
《ロノムの発掘家、フェルドン》は2マナ速攻持ちの新たな選択肢。
パワー2と堅実な打点に加えて、ダメージを受けるとプレイできるカードが増えるという珍しい条件でアドバンテージを提供する。相手クリーチャーにブロックされて死した後に意志を誰かが受け継ぐというデザインなのだろうが、《本能を穢すもの》と組み合わせて毎ターン赤いパーマネントを唱えるたびにフェルドンにチクッと1点当ててオマケカードを狙いに行く動きは強そうだ。
《機械化戦》が出るとフェルドンもやってられるかと去ってしまうので、物事には加減が必要だが。
新環境のスタートダッシュを「赤単アグロ」で切る。世界中の非常に多くのプレイヤーが狙ってくる作戦なので、自分もその勢いに乗るか、あるいはそれらを受け止める側のデッキになるかは強く意識しておこう。
特にMTGアリーナのランク戦、BO1ではそれが顕著になるだろう。ラッシュの速さ比べで最強を競うのも、なかなか熱く爽やかで良いもんだぜ!
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