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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
アグロの選択:緑のエルフか、赤いバーンか(パイオニア)
前回予告したように、今回も『団結のドミナリア』加入後のパイオニア環境のデッキを取り上げよう。早速リストを見ながら分析していこう!
2 《森》 4 《草むした墓》 4 《ラノワールの荒原》 4 《花盛りの湿地》 1 《耐え抜くもの、母聖樹》 1 《ハイドラの巣》 3 《ニクスの祭殿、ニクソス》 -土地(19)- 4 《エルフの神秘家》 4 《ラノワールのエルフ》 3 《ヤスペラの歩哨》 4 《エルフの部族呼び》 4 《エルフの戦練者》 4 《葉冠の幻想家》 2 《ドゥイネンの精鋭》 4 《群れのシャーマン》 4 《鉄葉のチャンピオン》 2 《夢の円環のドルイド》 2 《領界渡り》 -クリーチャー(37)- |
4 《集合した中隊》 -呪文(4)- |
1 《領界渡り》 3 《致命的な一押し》 3 《形成師の聖域》 2 《壮大な破滅》 2 《羅利骨灰》 4 《虚空の力線》 -サイドボード(15)- |
ほぼ緑単色の構造に黒を散らしたエルフデッキ! パイオニア最初期に見かけることのあったデッキを思い出す作りだ。
エルフを大量に並べてビートダウン、黒の要素である《群れのシャーマン》でライフを詰めて勝つ。
《ラノワールのエルフ》《エルフの神秘家》と1マナのマナ加速役エルフが8枚も存在するパイオニア環境ならではのデッキと言える。
これらで2ターン目から3マナ、3ターン目以降はもっとと相手とマナ格差を拡げながら戦場を構築。《エルフの部族呼び》などで全体強化して一気に押し切る、シンプルで暴力的なデッキである。
このエルフに新たに加わったのが《葉冠の幻想家》。
《エルフの幻想家》を彷彿とさせる名前だけあって、同様にドローに関する能力を持っている。全エルフを+1/+1修整でサイズアップさせて戦闘面での価値を引き上げつつ、エルフ呪文を唱えた際に追加コストを支払えばカード1枚を引ける。
この手のクリーチャーを並べて全体強化する「面展開」のデッキにおける弱点は、それらを《神々の憤怒》のようなカードでまとめて薙ぎ払われると再展開が困難であること。除去をケアして展開を渋ると破壊力は低く、相手を仕留め損なう。かといって全力展開すると酷い目にあうかも……というジレンマを、手札を満たすことで解決だ。
《エルフの戦練者》はエルフ1体にもう1体のエルフ・トークンをおまけしてくれる。
幻想家とともにエルフ呪文1枚の価値を実質2枚分、3枚分と引き上げることで、他のクリーチャーデッキに対しては数と質の両面で押し切り、コントロール・デッキを相手にしてもアドバンテージ勝負で競り負けることはない!という、理論上どんな相手とも戦えるデッキに引き上げられたかもしれない。
なにはともあれゲーム終盤で引いてくるとがっかり度が高い《ラノワールのエルフ》のようなカードが、《葉冠の幻想家》がいればどんなエルフもニッコリできる1枚になったのは嬉しいことだね。
11 《山》 4 《バグベアの居住地》 4 《ラムナプの遺跡》 1 《反逆のるつぼ、霜剣山》 -土地(20)- 4 《僧院の速槍》 4 《フェニックスの雛》 4 《損魂魔道士》 4 《砕骨の巨人》 -クリーチャー(16)- |
4 《熊野と渇苛斬の対峙》 4 《火遊び》 2 《棘平原の危険》 2 《乱撃斬》 4 《舞台照らし》 4 《批判家刺殺》 4 《勝負服纏い、チャンドラ》 -呪文(24)- |
1 《獲物貫き、オボシュ》 -相棒(1)- 4 《ゴブリンの鎖回し》 3 《暴れ回るフェロキドン》 4 《引き裂く流弾》 3 《魂標ランタン》 -サイドボード(14)- |
今回はもう1つ、赤単色のアグロデッキも紹介しよう。《獲物貫き、オボシュ》を相棒に据えた、マナ総量が奇数のカードオンリーのデッキだ。
《火遊び》《批判家刺殺》など奇数のダメージ呪文が十分に揃ったパイオニア環境であれば、飛び道具を投げつけて勝利するデッキを組むことが可能。
この「バーン」戦術だけで相手のライフを削り切ろうとするとちょっとした回復などでプランが崩れることもあるので、軽いクリーチャーを併せて使用することが重要だ。
《僧院の速槍》《損魂魔道士》などは軽くて果敢能力もありバーンと噛み合っており、《砕骨の巨人》は奇数だけで形成されたデッキに2マナのアクションを加えるとともに3マナでパワー4と打点にも優れている。
この定番中の定番のメンツに新加入したのが《フェニックスの雛》!
1/1でブロックできないデメリット持ちとはいえ速攻と飛行を持つため、最序盤からガンガンと殴って相手のライフを確実に削っていける。
《熊野と渇苛斬の対峙》で強化してやれば飛行クリーチャーとして十分な打点も見込めるし、サイズそのものについてはそこまで深刻に考えなくても大丈夫。3体以上のクリーチャーで攻撃すると墓地から2/2になって戦場に戻ってくる。このオプションもありがたい。
お世話にならずに済めばそれに越したことはないが、長期戦になってしまった場合にこういったリカバリー要素があるとないとじゃ大違い。この能力はオボシュ・デッキにおいて2マナのアクションとなり、ターン中にしっかりマナを綺麗に使い切って無駄が出ないようにしてくれる貴重な存在でもある。《墓地の侵入者》を除去した際に捨てて後から回収、なんてテクニカルな使い方もGOOD!
どちらもシンプルにして古来より続くマジックの代表的なアーキタイプ。新規のカードにより強化を受けてパイオニア/エクスプローラーで今まで以上に輝く存在となりそうだ。
僕もパイオニア仕様のエルフデッキを持っているので《葉冠の幻想家》は気になっている1枚。11月末開催の「プレイヤーズコンベンション愛知2022」内、チャンピオンズカップファイナル&オープントーナメントのフォーマットもパイオニアなので、エルフや赤単ユーザーの皆は新戦力を試してみて、本番で良い結果を残してほしいね!
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