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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
新環境最初の勝者! ウィンドグレイスの魂を見よ(スタンダード)
連載スケジュールの都合上、タイムラグが生じていたが……今回からいよいよ『団結のドミナリア』リリース直後に実際にトーナメントやランク戦などで使用されたデッキを紹介できるぞ!
『団結のドミナリア』には特殊で斬新なメカニズムが含まれているというわけではないが、過去のカードやキャラクターと現在を繋げるカードデザインがオールドファンの心に響くと同時に、マジック初心者にもとっつきやすいものとして作られている。
そしてこのセットの登場とともにローテーションで退場した多数のセット、かつてのスタンダードの主役たち。待ちに待った新しいスタンダード環境の始まり、その開幕を彩ったのは「Crokeyz Dominaria United」。オンラインで153名のプレイヤーが参加し、長く厳しい戦いを繰り広げた。
新セットリリース直後も直後、大直後の競技イベントは本当に面白い。定石などがないから、どんなデッキやカードにもチャンスがある。お試し枠や大胆なチョイスが各々のリストに施されており、手探り感があふれるデッキが大半を占める。完成度が高いデッキも美しいが、この雛鳥のようなリストもまた可愛く愛らしいものである。
では、あまり引っ張らずに同イベントの優勝デッキを見てみよう!
2 《沼》 2 《山》 1 《森》 4 《ジアトラの試練場》 4 《死天狗茸の林間地》 4 《憑依された峰》 3 《落石の谷間》 2 《土建組一家の監督所》 2 《硫黄泉》 1 《耐え抜くもの、母聖樹》 1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼》 -土地(26)- 4 《税血の収穫者》 2 《ラトスタイン翁》 1 《墓地の侵入者》 3 《ウィンドグレイスの魂》 2 《作業場の戦長》 2 《産業のタイタン》 -クリーチャー(14)- |
3 《電圧のうねり》 1 《切り崩し》 3 《麒麟の教え》 1 《冥府の掌握》 4 《鏡割りの寓話》 1 《魂転移》 2 《巨竜戦争》 2 《ギックスの残虐》 1 《食肉鉤虐殺事件》 2 《焦熱の交渉人、ヤヤ》 -呪文(20)- |
2 《墓地の侵入者》 3 《強迫》 1 《切り崩し》 2 《羅利骨灰》 1 《削剥》 1 《碑出告が全てを貪る》 1 《魂転移》 1 《豪火を放て》 2 《食肉鉤虐殺事件》 1 《未認可霊柩車》 -サイドボード(15)- |
黒赤緑、ジャンドや土建組と呼ばれるカラーリング。この色は古くから、パーマネントへの対処に長けた攻撃的な破壊の色である。アグレッシブな要素が強めで、パーマネント破壊で相手の攻勢も挫く、中速デッキ(ミッドレンジ)を得意としている。
このリストもその伝統に則ったもの。《電圧のうねり》《冥府の掌握》《食肉鉤虐殺事件》と前環境から定番の除去に加えて、お試し的に《切り崩し》の採用が。
パワー/タフネスの合計が5以下のクリーチャーという対象が狭いのか、あるいはイメージしているよりも広いのか? それはこれからの環境の熟成具合によって左右される要素だな。軽量クリーチャー主体の赤いアグロなどを相手にすると《無謀な嵐追い》をはじめ多くのクリーチャーを潰せて使い勝手が良いね。
1枚で複数のクリーチャーを薙ぎ払う、全体除去の枠には新たに《巨竜戦争》が選択肢に加わった。
全体2点ダメージ、それだけで見ればX=2の《食肉鉤虐殺事件》と同等というところではあるが、この英雄譚は手札を捨ててその枚数分引くルーティングと呼ばれる入れ替え能力、そして最後には4/4飛行のドラゴンを得られるというオマケ付き。そして先読という英雄譚の新たな要素を持ち、Ⅰ~Ⅲ章のどこからでもスタートできるという仕様。小粒のクリーチャーがいない時にはいきなりドラゴンにしたり、後述の墓地利用カードに繋げる下準備としてⅡ章能力を狙うのも良い。戦術はより局面に併せて進化したものとなった!
では勝つための要素について解説しよう。《産業のタイタン》《作業場の戦長》と優れたクリーチャーを《キキジキの鏡像》でコピーする、これで一気に盤面を支配してフィニッシュというのが理想的。
どちらの緑の巨体も、ライフを回復できるのが嬉しい。《硫黄泉》などのダメージランドを使う都合、どうしても色マナを優先してダメージを受けてしまう場面が増える今後のスタンダード。これまで以上にアグロに立ち向かうための回復要素は重要視していこう。
そしてお馴染みの顔ぶれに加えて、ドミナリアからやって来たのは《ウィンドグレイスの魂》!
新たなジャンドの象徴となり、このアーキタイプを引っ張っていくエース候補だ。4マナで5/4と3色必要なだけあってサイズだけでも高スペック。さらに戦場に出れば墓地から土地が拾える。対戦相手の墓地から奪うこともできるので、とりあえず戦場に出せば即除去されてもカード1枚分のアドバンテージが得られる。
生き延びて攻撃すればまた土地を戦場に戻せるので、あっという間にマナの差を大きくつけてしまうとんでもないヤツ。この今は亡きウィンドグレイス卿のために自動的に墓地に落ちる《土建組一家の監督所》を採用しているってわけだね。
何度も回収しては生け贄に捧げ、1点回復&ライブラリー1枚分圧縮を重ねて勝利へと近づこう。ウィンドグレイス自身の能力でも土地を捨てて色々なことができるので、ゲーム中に土地ばかり偏って引いてしまうマナフラッドという状態に陥ってもそれをむしろ追い風にしてしまえるだろう。
このウィンドグレイスのための土地を落とすのに《鏡割りの寓話》や《巨竜戦争》で捨てたり《麒麟の教え》で切削したりといった工夫が。そしてこれらで土地以外のカードが墓地に落ちたら? クリーチャーだったらそれは喜びに繋がるぜ、というわけで最後に紹介する1枚は《ギックスの残虐》。
Ⅲ章能力で墓地からクリーチャーを戦場に戻すことができ、自分の墓地にタイタンなどを仕込んでおけば最高に美味しい思いが……それがなくても相手の墓地からイタダキしちゃえるので、最も幸福度の高い展開を狙おう。
先読でいきなりⅢ章能力を誘発させても良いが、他2つの能力からスタートしても良い。リアニメイト呪文に手札破壊やカードサーチのオプションが付いている、と考えればこのカードの強さがわかってもらえるはず。法務官ギックス、その実力が今ここに発揮される!
パワーカードの塊という表現がぴったりなジャンドカラー。《ウィンドグレイスの魂》以外にも《太古の番人、ネマタ》など新たなフィニッシャー候補は多数。この3色の中で気になる中量級コストのカード、とにかく色々試してみてデッキの完成形を模索しようぜ。
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