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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
今週のCool Deck:《ヴェールのリリアナ》帰還、パイオニアでどう使う?(モダン)
今週も語るぜ、マジックのクールな一面! クールデッキの時間だ!
いや~『団結のドミナリア』のプレビュー、かつてないほどの密度で恐ろしいまでの情報量が流れ込んでくる毎日。これを書いている段階ではまだ全カードの情報は出ていないのだが、皆は気になるカードと出逢えたかな?
舞台がドミナリアということなので、この歴史ある次元を掘り下げつつ今を描いた『ドミナリア』の続編的なセットだろうと呑気に構えていたが、なんてことはない、ファイレクシアの侵略はもうかなり進んでいた!という衝撃の事実を白日の下に晒す、クールなセットではないかッッ。
いや~まさかこれほどまでにファイレクシアまみれのセットになっているとは……アジャニ、お前さん……エルズペスが死者の国から還ったことを喜び、彼女に故郷カペナへの帰還を勧めたあの優しき姿は……まさかのアジャニの裏切りはショックだったが、それ以上に失った左目が赤く輝く姿はクール極まりないな。
話を戻して、ドミナリアの懐かしい要素とファイレクシアが混ざり合ったクールなセット、そこにはサプライズな再録カードの姿が。《ヴェールのリリアナ》!
かつて『イニストラード』で登場した際には、当時の黒の地位をあらゆるフォーマットで一段階引き上げたパワーカードだ。手札を捨てさせ、クリーチャーを生け贄に捧げさせ、奥義が決まればゲームに勝ったも同然……これだけ詰まって3マナという軽さが実に魅力的、クールビューティーなイラストも相まって非常に人気の高いプレインズウォーカーだ。
ヴェールとは《鎖のヴェール》のことであり、リリアナのパワーを高める恐ろしいアイテムだ。
これの力でニクシリスはデーモンとなり、ガラクには呪いがかけられた。そのガラク繋がりもあって、ガラクが主役の『基本セット2015』にこのリリアナを再録するプランがあったそうだが、過去の実績から支配的なカードになることを恐れられ、ここでの再録は見送られた。
そんな《ヴェールのリリアナ》がついに!『団結のドミナリア』にて!再録される時が来たッ! 今のスタンダードなら問題ないという判断がなされたのだろう。クールな英断、ありがたや。
また今回の再録はスタンダードのみならず、他のフォーマットにも影響を与える。そう、パイオニア! スタンダードより幅広いカードが揃ったフォーマットに、歴史あるパワーカードが降臨する! 一体、どんなクールなデッキが生まれるのだろうか?
今回は……《ヴェールのリリアナ》を使った他のフォーマットからサンプルとなるデッキを見つけたので紹介させていただこう。
2 《森》 2 《沼》 4 《草むした墓》 4 《新緑の地下墓地》 1 《湿地の干潟》 2 《育成泥炭地》 1 《樹上の村》 1 《ロークスワイン城》 1 《耐え抜くもの、母聖樹》 1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼》 3 《廃墟の地》 -土地(22)- 4 《下賤の教主》 4 《タルモゴイフ》 2 《漁る軟泥》 2 《戦慄の朗詠者、トーラック》 2 《忍耐》 -クリーチャー(14)- |
4 《致命的な一押し》 4 《思考囲い》 3 《コジレックの審問》 1 《血の長の渇き》 2 《暗殺者の戦利品》 3 《飢餓の潮流、グリスト》 3 《ヴェールのリリアナ》 1 《最後の望み、リリアナ》 2 《ゴルガリの女王、ヴラスカ》 1 《不笑のソリン》 -呪文(24)- |
2 《忍耐》 2 《減衰球》 2 《嵐の乗り切り》 1 《屍呆症》 2 《活性の力》 1 《選別の儀式》 1 《滅び》 2 《虚空の杯》 2 《夢を引き裂く者、アショク》 -サイドボード(15)- |
こちらはモダンの「ゴルガリ(黒緑)フレンズ」。フレンズとはお友達、プレインズウォーカーを多数採用したデッキを昔からこのように表現する。戦場にお友達がたくさん並んでるよ~という幸せな勝利の盤面を表した、わかりやすくクールなアーキタイプ名だ。
《ヴェールのリリアナ》を筆頭に、黒と緑のプレインズウォーカーを多数搭載。これらで盤面を制圧していく、コントロール寄りの中速デッキだ。《飢餓の潮流、グリスト》のようなモダン限定のカードも見られるが、他のプレインズウォーカーの面々はパイオニアでも使用可能なものなのでご安心を。
それ以外の非クリーチャー呪文もほとんどそのままパイオニアで使えて、《思考囲い》《致命的な一押し》《暗殺者の戦利品》などいずれも軽くて強力なものが揃っており、これらで相手の行動を捌くことでプレインズウォーカーたちをのびのび生存させようという寸法だ。同じ戦術、パイオニアでもできそうだね。
プレインズウォーカーのみでなく、クリーチャーも用いて優位な戦場を作る。ただ《漁る軟泥》以外のカードはすべてモダンにしか存在しないものなので、何のカードに代役を務めさせるかというのが重要だな。
とりあえずパッと思いつくのは、先日『エクスプローラー・アンソロジー1』収録でMTGアリーナプレイヤーからも注目を集めた《不屈の追跡者》。
土地を出すだけでサイズアップとドローの両方を得られる、3マナのクリーチャーの中でも生きてターンが返ればかなりの支配力を誇る逸品だ。その能力で生成する手掛かりが《ゴルガリの女王、ヴラスカ》の能力で生け贄に捧げるのにももってこいで、非常に噛み合っている。
あとは、除去兼回復役で《残忍な騎士》、《タルモゴイフ》の代わりに墓地を参照する攻め役《残忍な剥ぎ取り》、5マナと重めだがパイオニア環境でもトップクラスの性能を誇る《長老ガーガロス》……
このようにクールなスタッフが揃っていれば、十分に良いデッキになるはずだ。特に剥ぎ取りは《ヴェールのリリアナ》で手札から不要な土地などを捨てて昂揚達成をアシストできる。このようにリリアナの[+1]能力を活かす構築を考えることがクールデッキへの第一歩となるだろう。
次週からは当コラムを書くにあたって『団結のドミナリア』の全カードが出揃っており、かつあっという間にオンラインでのリリースがやってくる。新環境でのデッキ案を投げていく予定なので、よろしくね!
それじゃあ今週はここまで。Stay cool! Put on the veil!!
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