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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
久々のテーブルトップ大型競技イベント! レガシーのUR(青赤)デッキ最前線!(レガシー)
いやぁ~行ってきました横浜。2年半ぶりに新幹線に乗って、地元大阪から他府県へ。これだけでもワクワクすることだったね。
以前までは年に少なくとも4回はイベントのお仕事で出張していたわけで……当時は何の感情もわかなかったが、改めて「新幹線ってスゲ~」と謎の感動がこみあげてきた。イベントでお馴染みだった横浜の街並みもなんだか懐かしく、変わらない風景になんだかグッときたものだ。
というわけで8月20・21日に開催された「BIG MAGIC OPEN(BMO)」へ行ってきました! 台風やご時世による自粛なども重なって、このタイトルでのイベントの開催は実に4年ぶり。BMOの歴史も長い。僕は第1回からすべてのイベントにて配信での実況を担当させていただいている。
BMOは賞金制のトーナメントであり、その名の通りオープンイベント。誰でも参加できるというのが最大の魅力で、グランプリやプロツアーで活躍するプロプレイヤーから、各地域の腕自慢、あるいはもっと気軽に1日マジックを遊びたいカジュアルプレイヤー、いろいろな層が一堂に会するトーナメントだ。300名以上の規模のメイントーナメントに、さまざまなサイドイベントも2日間に渡って開催される。ちょっとしたお祭りだね。
今回はそもそも国内での大規模なオープンイベントが久しぶりだったのもあって、同窓会的な要素もいつも以上に強かった。オンライン上で顔見たり声聴いたりしていた人々もいたけれども、やっぱり会うのは別物だよなぁ。
そして会場内でのアナウンスやシャッフルといったプレイ中の音、ラウンドを終えたプレイヤー同士が成績を報告しあう姿……嗚呼、100%同じ光景ではないが、帰ってきたんだなぁ……と感慨深い時間を過ごせたよ。紙のカードの大会、最高すぎるよ。冬に控えるイベントも、待ちきれないって!
今回のBMO、初日のメインイベントはレガシー! 日本でのプレイ人口は意外にも多く、BMOでもその黎明期からこのフォーマットを通じて激闘が重ねられてきた。
レガシーのゲーム自体は定期的にプレイの光景を視聴し、その楽しさやデッキに関する知識などもある程度は蓄えていた。でもやっぱり競技イベントはもっとこう、ピリピリした空気感があって遊び心を排除したガチガチのデッキしかフィーチャーで観ることはないかもなぁなどと思っていた。
で、実際のところ……プレイヤーたちは真剣そのものでありながらも皆、久しぶりの紙でのやりとりを楽しんでいる、うきうきした感じが伝わってきた。それに個性を打ち出したデッキも観ることができて、デッキ欲も満たされた! 終わってみれば終始、「楽しい!」に尽きるものだったね。
いろいろなデッキがいる中でも、やっぱり会場内での使用率およびフィーチャー・マッチへの登場頻度の高いデッキはあった。「URデルバー」だ。
2 《島》 1 《山》 4 《Volcanic Island》 4 《沸騰する小湖》 2 《汚染された三角州》 1 《血染めのぬかるみ》 1 《霧深い雨林》 4 《不毛の大地》 -土地(19)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《ドラゴンの怒りの媒介者》 2 《厚かましい借り手》 4 《濁浪の執政》 -クリーチャー(14)- |
1 《ミシュラのガラクタ》 4 《渦まく知識》 4 《思案》 4 《稲妻》 1 《二股の稲妻》 1 《紅蓮破》 4 《目くらまし》 4 《表現の反復》 4 《意志の力》 -呪文(27)- |
2 《外科的摘出》 3 《紅蓮破》 1 《水流破》 1 《祭典壊し》 1 《削剥》 2 《否定の力》 2 《狂乱の呪詛》 1 《血染めの月》 2 《溶融》 -サイドボード(15)- |
青赤2色デッキ、「デルバー」は《秘密を掘り下げる者》のこと。
レガシー環境には《渦まく知識》《思案》と欲しいカードを引き込む軽量ドローと、《意志の力》《目くらまし》などマナ不要の打ち消し呪文が多数存在する。
それらを大量に採用したデッキであれば、デルバーの変身条件を満たし、早ければ2ターン目に3/2飛行で攻撃できる。手数で押すテンポ戦術を用いる、古くから人気のアーキタイプだ。
クリーチャーで攻撃し、《稲妻》などの除去も持ち、要所を打ち消す。理論上、どんな相手とも戦えるというのがセールスポイント。手を変え形を変え、デルバー初出の時代よりここまで生き延びてきた。
その最新型がこちらのBMO優勝デッキ。クリーチャー陣に《ドラゴンの怒りの媒介者》《濁浪の執政》を迎えたことで青赤の2色で十分な打点を確保できるようになり、デッキとしてより洗練されたものとなった。
《表現の反復》でアドバンテージの勝負もできるようになり、ライフを詰めてこのソーサリーから《稲妻》や《厚かましい借り手》を見つけてフィニッシュという光景は当日何度も目にしたものだった。
ただ、「デルバー」というアーキタイプ名ではあるものの、肝心のデルバーの枚数自体が2枚と減っているリストも増えてきた。後から引いてきた時にどうしても弱く、変身の確実性も薄いデルバーよりも、非クリーチャー呪文さえ唱えれば諜報が誘発してすぐさま仕事をし、墓地の状況次第ではいきなり3/3飛行の《ドラゴンの怒りの媒介者》の方が優先されるようになった結果だ。《濁浪の執政》のための墓地も作れるのは媒介者の方というのもあるしね。
軽い飛行クリーチャーとしては《帳簿裂き》の採用率が非常に高く、これの謀議を《ドラゴンの怒りの媒介者》の諜報とともにガンガン誘発させて墓地をチャージし、《濁浪の執政》へと繋げる。
ひとたび謀議するとタフネスが4と《稲妻》では落ちなくなってしまうため、最近のデルバーではそれも枚数を減らし《邪悪な熱気》がメイン除去となっていることが一般的だ。なのでこの優勝リスト、純粋なる元祖デルバーというリストは実はレアなものになっている。
1 《島》 1 《山》 1 《神秘の聖域》 4 《Volcanic Island》 4 《霧深い雨林》 4 《沸騰する小湖》 3 《不毛の大地》 -土地(18)- 4 《ドラゴンの怒りの媒介者》 3 《帳簿裂き》 1 《厚かましい借り手》 4 《濁浪の執政》 -クリーチャー(12)- |
4 《ミシュラのガラクタ》 4 《渦まく知識》 4 《思案》 3 《邪悪な熱気》 2 《稲妻》 2 《紅蓮破》 4 《表現の反復》 2 《目くらまし》 1 《予報》 4 《意志の力》 -呪文(30)- |
1 《イゼットの静電術師》 2 《外科的摘出》 2 《紅蓮破》 3 《水流破》 2 《否定の力》 2 《狂乱の呪詛》 1 《仕組まれた爆薬》 2 《溶融》 -サイドボード(15)- |
同じくトップ8に入賞したこちらのリストはデルバー0枚!「URマークタイド(濁浪)」と呼んだ方が正しいものとなっている。
濁浪系デッキ同型をはじめとする、あらゆるクリーチャーデッキ&青デッキを強く意識して《邪悪な熱気》や《紅蓮破》を搭載。
また《帳簿裂き》と媒介者のタッグで墓地を貯めるためにも《ミシュラのガラクタ》をガッツリ4枚。
相手のトップを見てプランを立てる、自分のトップを見て《沸騰する小湖》などのフェッチランドでシャッフルするか確認、そしてトップが見えているので《予報》が100%当たる!などなど。2ターン目《帳簿裂き》からガラクタで即謀議を誘発、という流れはフィーチャーマッチでも何度も繰り返された光景、今のレガシーの日常というやつだな。
デルバー2枚、0枚型が主流になる中で4枚採用したリストが優勝したというのも、なんだか久しぶりのレガシートーナメントらしくて、良いなぁと。
このイベントに続いて国内でさまざまなマジック関係の催しが開催される、良い流れに繋がることを祈っています! もちろん諸事はケアしつつ、紙のカードで遊ぼうぜ。
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