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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

青黒忍者:忍術とからくり兵器の鋳造所(レガシー&ヒストリック)

岩SHOW

 闇に生まれ闇に消える――忍者ってカッコいいよなぁ。

 いわゆる黒い頭巾で刀を背負って手裏剣投げる、ってなテンプレ忍者はフィクション世界の住人で実際の忍者は潜伏工作員なので目立たない格好だったとは言うが……そんな細かいことはいいんだよ、カッコいい忍者が見たいんじゃ!というのは忍者の国・日本だけでなく世界中の人々が思うところだろう。外連味に溢れた、ちょっとおバカな忍者が皆大好きなのだ。

 だからマジックでも忍者がカード化されている。忍術/Ninjutsuという能力があるくらいだから、影に潜み影より飛び出す忍者のイメージは万国共通だってことだな。

Nagai Rinto - 「青黒忍者」
晴れる屋TC大阪 「Scrubland」争奪レガシー トップ4 / レガシー (2022年8月13日)[MO] [ARENA]
5 《
2 《
1 《Underground Sea
4 《汚染された三角州
1 《血染めのぬかるみ
1 《霧深い雨林
4 《虹色の眺望
-土地(18)-

4 《羽ばたき飛行機械
3 《変わり身ののけ者
4 《悪意の大梟
3 《虎の影、百合子
2 《厚かましい借り手
4 《巧妙な潜入者
-クリーチャー(20)-
4 《改良式鋳造所
4 《渦まく知識
4 《思案
2 《致命的な一押し
2 《目くらまし
1 《殺し
4 《意志の力
1 《残忍な切断
-呪文(22)-
2 《疫病を仕組むもの
3 《外科的摘出
2 《狼狽の嵐
2 《真髄の針
2 《取り除き
2 《基本に帰れ
2 《否定の力
-サイドボード(15)-

 

 というわけでこちらはレガシーの忍者デッキ。レガシーで忍者と言えば《虎の影、百合子》!

 攻撃を通せばライブラリーから直にカードを手札に加えてアドバンテージを獲得しつつ、ライフも減らすというかなり前のめり、攻撃的な忍者だ。

 この百合子の攻撃を忍術で通すため、《羽ばたき飛行機械》《変わり身ののけ者》とブロックされにくいクリーチャーを搭載。

 また忍術は攻撃クリーチャーを手札に戻すということから、《悪意の大梟》《厚かましい借り手》らを戻してドローや出来事を再利用するのも狙っている。

 忍者らしくテクニカル、細かな小技を重ねて大きな勝利を狙うデッキになっている。

 レガシーの忍者デッキにおいて、百合子と同じくなくてはならない存在となっているカードがある。それは……《改良式鋳造所》!

 文面のどこにも忍者とは書かれていないが、これぞ忍者デッキの顔だ。能力は4つもあり、自身のアンタップ、霊気装置の生成、霊気装置を生け贄に飛行機械生成、飛行機械を生け贄に構築物生成と、アーティファクト・クリーチャー・トークンをその名の通り改良していくものとなっている。構築物は4/4とサイズに優れており、これを量産できれば盤面を勢圧できてしまう。

 このカードは単体でも機能はするのだが、忍者デッキであれば飛行機械がすでにデッキ内にいる分、スムーズに構築物を得ることが可能だ。そう、《羽ばたき飛行機械》《変わり身ののけ者》のことだね。

 これらで忍術するか、あるいは構築物で盤面を固めるか。2通りの戦略が忍者デッキを強力なものへと高めているのだ。忍者には奇妙キテレツなからくりが欠かせないよな。

Ben Lewis - 「青黒忍者」
ヒストリック (2022年8月10日)[MO] [ARENA]
4 《
3 《
4 《湿った墓
4 《水没した地下墓地
4 《清水の小道
1 《ストーム・ジャイアントの聖堂
1 《目玉の暴君の住処
1 《天上都市、大田原
1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼
-土地(23)-

4 《羽ばたき飛行機械
4 《変わり身ののけ者
2 《幽体の船乗り
1 《ギラプールの希望
4 《銀毛の達人
2 《月回路のハッカー
2 《霧組のナーガ
4 《巧妙な潜入者
-クリーチャー(23)-
4 《改良式鋳造所
4 《思考囲い
4 《致命的な一押し
1 《呪文貫き
1 《かき消し
-呪文(14)-
2 《心悪しき隠遁者
3 《潜水
2 《呪文貫き
2 《霊気の疾風
2 《冥府の掌握
4 《虚空の力線
-サイドボード(15)-
Ben Lewis氏のTwitter より引用)

 

 こちらはヒストリックの忍者デッキ。レガシーの主役である百合子はこのフォーマットには存在しないが、もうひとつの主役である《改良式鋳造所》が『ヒストリック・アンソロジー6』にて登場! これにより既存の忍者カードと組み合わせたレガシーの忍者デッキを再現したものが組めるようになった。

 百合子はおらずとも、もうひと人のアドバンテージ源である《巧妙な潜入者》はいるので、これでバリバリにカードを引き込みつつ忍術を繰り返す、あるいは構築物を大量生産するのが勝利への道。

 レガシーの忍者は青の要素が強く、《渦まく知識》《思案》で常に有効なカードを補充しつつ《意志の力》《否定の力》とマナ不要の打ち消し呪文で相手の行動をシャットアウト。この青くて軽い呪文らのおかげで、忍術のためにマナを使っても複数回行動できるというわけだが……ヒストリック環境にはこれらの青い呪文はない。したがって、戦術についてはこのフォーマットに合わせたものに練り直さねばならない。

 このリストでは青から黒にメインカラーをシフト。《思考囲い》で手札を直接拝見し、強いカードを抜き去りつつプレイの指針を立てる。また攻撃をねじ込むために《致命的な一押し》でクリーチャーを排除。

 これらのバックアップを受けて攻撃する忍者の顔ぶれもより個性的に。《銀毛の達人》は忍者の強化と忍術コストの軽減とデッキの中核を担う1枚。《変わり身ののけ者》がブロックされない高打点になるのも高評価だ。

 《霧組のナーガ》は一発攻撃が通れば分身の術で大増殖! 思わず使いたくなる名忍者だね。

 これらで攻めるプランが上手くいかなくても《改良式鋳造所》でゴリ押しできるので安心だ。

 個性あふれる神出鬼没な忍者と《改良式鋳造所》。この鉄板の組み合わせ、レガシーかヒストリックで体感できるので一度お試しあれ。それでは拙者はこれにて! ドロンッ。

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