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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
絶滅・砲撃・挑発者!(ヒストリック)
その手があったかぁ~!
自分でもどちらかといえば流行りのデッキ、カードではなくちょっとディープでマニアック、単純な強さよりも味わいを重視して構築フォーマットを遊んでいる自覚がある。
なので自ずと、他人のデッキにもマニア向けのカードが仕込まれていないか? 個性的なコンセプトで組まれていないか? 遊び心はちりばめられているか? そういった要素を探してしまいがちである。
そして、自分がこよなく愛するカードを採用しているリストと出会うと自然と口角が上がるというもの。そして、そういったカードを自分の中になかったアイディアで活かした構築を目にすると……冒頭のデカ文字を口にしてしまうというもの。
世界中に散らばるマニアな同志たち、いつもありがとう。僕はそのリストにいつも刺激と、さらなるアイディアをもらっています。押忍!
今回もそんなアツい、アツい、アツい思いを共有してくれたリストを紹介だ!
15 《山》 2 《エンバレス城》 1 《バグベアの居住地》 2 《反逆のるつぼ、霜剣山》 -土地(20)- 4 《黄金犬》 2 《無作法な挑発者》 -クリーチャー(6)- |
4 《棘平原の危険》 1 《信仰無き物あさり》 1 《火遊び》 1 《絞殺》 2 《精神迷わせの秘本》 1 《高まる復讐心》 4 《石の雨》 4 《嵐の怒り》 2 《アイレンクラッグの妙技》 4 《家の焼き払い》 2 《秘儀の砲撃》 4 《切り離す一撃》 2 《絶滅の星》 2 《髑髏砕きの一撃》 -呪文(34)- |
1 《稲妻牝馬》 1 《くすぶる卵》 2 《チャンドラの敗北》 1 《レッドキャップの乱闘》 3 《丸焼き》 2 《バーニング・ハンズ》 1 《瓦礫読み》 1 《粉砕の嵐》 2 《無頼な扇動者、ティボルト》 -サイドボード(14)- |
ヒストリックの赤単であるが……まずアグロではない。ではコントロールかというと、そうとも分類しきれない。コンボ要素を色濃く持った、スピード決着のルートも持った中速デッキというところかな。一番好きなジャンルかもしれないぜ。
では早速ネタばらしというか、そのコンボの部分を紹介しよう。《無作法な挑発者》……破壊不能を持つのでダメージで死亡することはないゴブリンだ。
1/1とサイズはクリーチャーの最低限の品質ながら、これが受けたダメージは対戦相手にも与えられる。つまり巨大なクリーチャーをブロックしたり、それと格闘すれば1/1では成し得ないような大ダメージを与えられる。
この挑発者のポテンシャルを引き出すには、赤の持つダメージ呪文と組み合わせてやると良い。《家の焼き払い》のような全クリーチャーにダメージを与えるような除去と併用すれば、相手のクリーチャーを薙ぎ払って挑発者だけが生き延びる状況を作りつつ対戦相手のライフを攻められる。
その最たるものが《絶滅の星》!
これをぶっ放せば隕石直撃の激痛にブチギレた挑発者が対戦相手に20点ダメージ! 一撃必殺なのである。
というわけで僕はこのコンボがたまらなく好きで、これらが揃うフォーマットではついついこれを中核にしたデッキを組んでしまう。
そんな愛しの隕石挑発者コンボを搭載しつつも、僕が組んでいるようなデッキとは少々趣が異なるのが上記のリストで……これを見てその手があったかという感嘆とリスペクトの思いが湧いてきたのだ。
この「その手」ってのが……《秘儀の砲撃》!
いやぁこれにはシビれたね。そんな新戦力があったのかと。
《秘儀の砲撃》は各ターン最初のインスタントやソーサリーを唱えるたびに墓地の同タイプのカードを追放、その後この方法で追放されているすべての呪文をマナの支払いなしで唱えられる。動き出すと途轍もないアドバンテージを生みだす、味わい深い1枚だ。
これが一体、上述のコンボとどういう関係にあるのか? それは《無作法な挑発者》との相性にある。一見して無関係な2枚だが、ところがどっこい並ぶと結構すごいことになるぞ。
挑発者をコントロールしている時に対戦相手にはクリーチャーがいないという状況。ここでダメージ除去を引くと、ちょっと迷うものだ。挑発者に撃って対戦相手のライフを詰めるダメージ源にしてしまうか、あるいは相手のクリーチャーが出てくるのを待つか。おおむね後者を選択するのだが、ただゲームがいたずらに長引くのは願っていないんだよなぁと。
ここに《秘儀の砲撃》があれば、躊躇なく引いてきたインスタントやソーサリーを唱えられる。挑発者にダメージを与えつつ、砲撃による追放呪文を増やしていくのだ。相手にクリーチャーやプレインズウォーカーがいない時に砲撃でダメージ呪文を追放した時はちょっとサムかったりするのだが、挑発者がいればそれらは勝利につながる本体への火力として機能するってわけ。2つのジレンマが、お互いが並ぶことで解決される。これぞシナジー(相互作用)というもんだ。
打ち消されたり、《思考囲い》などで手札から捨てさせられた《絶滅の星》を追放してコンボを成立させるという運用も狙える。ライフを大きく回復する相手にも、20点・40点と毎ターンのように彗星を砲撃していけばいつかは力尽きるだろう。なんちゅうロマンだ。
同様のカードを愛していながら(そうだと信じてるよ)、異なるアプローチを行っているプレイヤーを見ると……こっちも負けてないぞ!と気合いが入る。まだまだ楽しいデッキを紹介しつつ、自分でも組んでやるぞ! 夏の暑さよりも、我々マニアの熱気の方がアツいぜ!
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