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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ゴブリンたちの寓話:接死鎖を添えて(パイオニア)

岩SHOW

 前回では2022年上半期を代表する1枚、《鏡割りの寓話》の強さを振り返りつつ、クリーチャー・タイプという観点では全くかみ合っていないデッキでもそのポテンシャルを発揮するのか?という話題を取り上げさせてもらった。

回転

 結論としては、吸血鬼デッキでもとりあえず入れとけば良い仕事をするね、と。

 では、今度は逆にタイプががっちり噛み合う部族デッキに入れるとどうなるか? そりゃあもう大暴れするに決まってるというところだが……まあいったん落ち着いて、実際のリストを観ながら考えていこうじゃないか。

(使用者不明) - 「ゴブリン・カンパニー」
Korea Pioneeer Big Tournament 優勝 / パイオニア (2022年6月26日?)[MO] [ARENA]
3 《
4 《踏み鳴らされる地
1 《血の墓所
4 《マナの合流点
4 《岩山被りの小道
2 《荒廃踏みの小道
4 《バグベアの居住地
1 《反逆のるつぼ、霜剣山
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ
-土地(24)-

4 《狂信的扇動者
4 《軍勢の忠節者
4 《雄叫ぶゴブリン
4 《人目を引く詮索者
4 《ゴブリンの鎖回し
4 《ホブゴブリンの山賊の頭
-クリーチャー(24)-
4 《鏡割りの寓話
4 《集合した中隊
4 《席次 // 石像
-呪文(12)-
3 《ゴブリンの熟練扇動者
1 《不死身、スクイー
2 《高山の月
2 《火遊び
1 《真髄の針
2 《燃えがら蔦
2 《死住まいの呼び声
1 《虚空の力線
1 《未認可霊柩車
-サイドボード(15)-
Oh JooHyun氏のTwitter より引用)

 

 このリストは先日韓国にて開催されたパイオニアのトーナメントで優勝したもの。86名参加とのことで、やっぱりパイオニアは世界中で盛り上がってるなぁ。

 そして何よりも大規模トーナメントで優勝したのがゴブリンという事実! テンションが上がらないわけがない。ゴブリンを並べている中に投下される《鏡割りの寓話》……何の違和感もない! なんだか落ち着くなぁ。

 デッキとしてはゴブリンの色である赤をメインに、緑を少々、そして黒をほんの少し足した構成になっている。ゴブリンは24枚、部族デッキとしては少なめにも感じるクリーチャー総数だが、ここに寓話も加えれば28枚と十分な頭数。いずれも3マナ以下のもので、これらを序盤から展開して手数で攻めていくスタイルだ。

 緑を足しているのは《集合した中隊》を使うためであり、このデッキのゴブリンであればどれでも戦場に出せる。押し切るために、あるいは除去からのリカバリーのために、中隊からゴブリンを並べて圧倒しよう。

 ゴブリンの大半は同族を強化する能力持ちだ。シンプルに全体強化能力を持つのは《ホブゴブリンの山賊の頭》。

 ゴブリンが戦場に出た数をカウントしてダメージを与えることもでき、中隊や《キキジキの鏡像》らとも相性◎。

 《雄叫ぶゴブリン》はゴブリンのパワーを上げるだけでなく速攻も与えるので、鏡像変身からタイムラグなくコピー能力を起動まで繋げることが可能になる。

 能力は複数回起動できるので、マナがある限り注ぎ込んでフィニッシュまで持っていくマナフラッド(土地引きすぎ)対策にもなる。

 そしてパワーを上げるわけではないが、戦闘を有利にする能力をたっぷり提供する《軍勢の忠節者》。

 これが地味に見えて派手なフィニッシュを演出してくれるんだよな。先制攻撃とトランプルで対クリーチャーデッキで一方的にダメージをねじ込む! トークンにブロックされなくなるというオマケも、《放浪皇》や《鬼流の金床》などトークン生成カードが活躍しているパイオニアでは笑ってすますことのできない致命的なものだ。攻めっ気あふれるゴブリン軍団、見ているだけで気持ちがワクワクしてくるよ。

 このメインデッキにおいて対戦相手に干渉する手段は《ゴブリンの鎖回し》。

 対戦相手とそのクリーチャー&プレインズウォーカーに1点ダメージをばら撒くやんちゃ者。トークンや《ラノワールのエルフ》など軽量クリーチャーを薙ぎ払うさまは爽快。

 そしてこの全体ダメージ能力が誘発してから解決する前に……《席次》をひとつまみ。

Status+Statue.jpg

 鎖回しが接死を持つと、これにダメージを与えられたクリーチャーはタフネスがいくつあろうが全滅! 気持ち良いにもほどがあるって!

 《席次》は先制攻撃と絡めても良いし、《石像》としてややこしいパーマネントを直接潰しても良しと無駄になりにくいナイスカード。サイド後は《死住まいの呼び声》で鎖回しを蘇らせつつ接死を与えるというテクニカルな動きも。《鏡割りの寓話》のⅡ章で捨てて準備する動きはクリーチャーデッキにとって絶望を告げるものである。

 クリーチャー・カードだけでもそれぞれの相乗効果で楽しいゲーム展開を味わえるゴブリン。そこに加わったの《鏡割りの寓話》は満足度を上昇させてくれる、エキサイティングすぎる英雄譚!

 さあ、君の手元のゴブリンたちもこれによってコピーされるのを待っている! 《ゴブリンの女看守》《ゴブリンの首謀者》《包囲攻撃の司令官》《飛び道具の達人》……さまざまなフォーマットで、赤のパワーカード代表となりつつある寓話を用いて、ゴブリンを躍動させてやろう!

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