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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
単色アグロを組もう!:赤・黒・白編(パイオニア&エクスプローラー)
競技イベントの最高峰のステージ、マジックで生きるプロを目指す者が集う最もハイレベルなトーナメントとしてプロツアーが帰ってくる。
そこで、ここ最近はMTGアリーナにて「予選プレイイン」が開催され、競技プレイヤーたちが活気づいているようだ。SNS上では予選に参加したプレイヤーたちが成績とリストをアップする光景が週末の風物詩のようになっている。
エクスプローラーのBO3にて開催された予選プレイインは4勝0敗で駆け抜けることが条件になっており、ハードル自体はなかなかに高い。ただ勢いに乗ることができればサクッとスピーディーに駆け抜けて終わらせられる数字でもある。
プロツアー殿堂顕彰者であり、「メタゲームブレイクダウン」などの各種コラムにて活躍するライターでもあるフランク・カーステン/Frank Karstenもこの予選の通過報告をアップしていた。そのデッキとは……。
14 《山》 2 《エンバレス城》 4 《バグベアの居住地》 2 《ラムナプの遺跡》 2 《反逆のるつぼ、霜剣山》 -土地(24)- 4 《損魂魔道士》 1 《ファルケンラスの闘技士》 1 《狂信的扇動者》 3 《炎樹族の使者》 3 《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ》 3 《遁走する蒸気族》 4 《鍛冶で鍛えられしアナックス》 4 《砕骨の巨人》 3 《朱地洞の族長、トーブラン》 -クリーチャー(26)- |
4 《熊野と渇苛斬の対峙》 3 《無謀な怒り》 3 《エンバレスの宝剣》 -呪文(10)- |
4 《ゴブリンの鎖回し》 2 《暴れ回るフェロキドン》 1 《熱烈の神ハゾレト》 2 《トーモッドの墓所》 1 《真髄の針》 1 《無謀な怒り》 1 《丸焼き》 2 《未認可霊柩車》 1 《反逆の先導者、チャンドラ》 -サイドボード(15)- |
赤単色のアグロデッキ! カーステンといえばやはり赤いアグロの印象が強いね。
《エンバレスの宝剣》という必殺の飛び道具を用いてスピーディーにライフを削り切ることを狙う、クリーチャーを主体にした形である。《魔術師の稲妻》などのダメージ呪文を重視したバーン型とは好みが分かれるところだろう。
クリーチャー除去で固めたデッキには苦戦を強いられるが、ライフを多少回復してくるような相手にはクリーチャーのパンチ連打で押し切れるという利点があり、バーンとはうまく住み分けができている。
パイオニアでも人気カードである《炎樹族の使者》により2ターン目から手数で押していくのが必勝パターン。
懐かしの《遁走する蒸気族》もここでは現役バリバリ、炎樹族など軽いカードの連打により一気にサイズアップ&マナ加速からの更なる展開を押し進める。
《鍛冶で鍛えられしアナックス》や《朱地洞の族長、トーブラン》など少し前のスタンダードで暴れ回っていた面々で怒涛のラッシュをかける。
これらのクリーチャーを除去で根絶やしにされても、《バグベアの居住地》でまだ仕掛ける! さらに《ラムナプの遺跡》も投げつけることでライフを絶対に削り切る! そういう意志が伝わる前のめりの姿勢がステキだね。
上記のリストのような単色のアグロデッキというものは、レアの2色土地を必要としない分、組みやすいものだったりする。デッキの大部分は基本土地が占めるので、カードが集まり切っていない状態でも構築できるのが強みのひとつである。
そんなわけで今回、そして次回とあわせて5色すべての単色アグロデッキを取り上げさせていただこう。エクスプローラー含むパイオニアのデッキリストを見ていこう!
17 《冠雪の沼》 2 《目玉の暴君の住処》 1 《ロークスワイン城》 4 《変わり谷》 -土地(24)- 4 《戦慄の放浪者》 4 《漆黒軍の騎士》 3 《血に染まりし勇者》 4 《しつこい負け犬》 4 《墓地の侵入者》 3 《残忍な騎士》 4 《悪ふざけの名人、ランクル》 2 《騒乱の落とし子》 -クリーチャー(28)- |
4 《致命的な一押し》 4 《思考囲い》 -呪文(8)- |
1 《残忍な騎士》 1 《パワー・ワード・キル》 1 《強迫》 1 《魂標ランタン》 3 《無情な行動》 3 《軍団の最期》 3 《自傷疵》 2 《真っ白》 -サイドボード(15)- |
こちらは黒単。黒はクリーチャーのみならず、非クリーチャー呪文もまた強い。
アグロは低マナ域のカードで勝負したいデッキであり、重いカードで勝負するデッキ相手には1枚のカードパワーでは劣る宿命。そういった強力なカードをプレイされる前に対処してしまえる、あるいはクリーチャーの攻撃を通すために除去を排除する《思考囲い》は、「黒単アグロ」を支える重要な1枚だ。
アグロは攻めるプランを考えることが大事で、手札を見るということはそのプラン立てを大きく補助してくれる。序盤のクリーチャーは大抵潰してしまえる《致命的な一押し》も火を噴く。
これらの呪文はパイオニアのあらゆる黒絡みのデッキで用いられているので、これらのカードを手に入れたらまずはアグロを組んでみても良いかもね。
クリーチャー陣は軽くて打撃力があり、またしぶといというのが黒の魅力。《戦慄の放浪者》《血に染まりし勇者》、そしてパイオニア初期には《屑鉄場のたかり屋》でどれだけ破壊されても尽きない攻め手を用意し続ける。
このたかり屋の枠を上記リストは《しつこい負け犬》に置き換えている。
同じ2マナでパワー3、墓地から戦場に戻るためのコストはたかり屋より重く、また戻ってもターン終了時には生け贄に捧げられるというのは劣ってしまう点ではあるが……奇襲能力で速攻を持ってすぐさま攻撃に行ける、手札から奇襲させられる、奇襲での死亡時はカードが引けると、独自のセールスポイントもてんこ盛りだ。こちらはブロックに参加できるのもあって後手に回っても戦力として機能するのが良いね。
《しつこい負け犬》と単色ならではの《不詳の安息地》とで、いつまでも攻め続けるしぶとさでしつこく勝ちを狙う!
12 《平地》 4 《シェフェトの砂丘》 1 《アーデンベイル城》 1 《皇国の地、永岩城》 4 《変わり谷》 -土地(22)- 4 《不屈の護衛》 4 《有望な信徒》 2 《スレイベンの検査官》 1 《アクロスの英雄、キテオン》 4 《光輝王の野心家》 4 《サリアの副官》 4 《スレイベンの守護者、サリア》 1 《高名な弁護士、トミク》 4 《粗暴な聖戦士》 3 《輝かしい聖戦士、エーデリン》 3 《精鋭呪文縛り》 -クリーチャー(34)- |
4 《精霊への挑戦》
-呪文(4)- |
2 《スカイクレイブの亡霊》 3 《封じ込める僧侶》 2 《無私の霊魂》 2 《高名な弁護士、トミク》 2 《エメリアのアルコン》 2 《耳の痛い静寂》 2 《安らかなる眠り》 -サイドボード(15)- |
最後に白単、このカラーリングのアグロにもバリエーションがあるが、今回は「人間」型を紹介だ。
《サリアの副官》で戦場の人間を強化、後続の人間で自身も強化されると、人間でデッキを固めることで得られるメリットを享受するスタイルだ。
人間は《スレイベンの守護者、サリア》《粗暴な聖戦士》《精鋭呪文縛り》と妨害手段を兼ねるクリーチャーに恵まれているので、これらで相手のプランを崩しつつ、副官や《光輝王の野心家》で強化して押し込んでいく戦術を用いる。
白単は他の単色アグロに対しての必殺技を有する。《精霊への挑戦》だ。
一見クリーチャーを除去から守るためだけのカードにも見えるが、プロテクションは指定された色のクリーチャーにはブロックされなくなるという回避能力にもなる。これで人間たちをブロックされない状態にして、総本山に雪崩れ込んでフィニッシュ!
単色対決の際にはこれの影響を受けない無色のアーティファクト・クリーチャーなどを用意したり、打ち消しや手札破壊など解決される前に対処する術があると九死に一生を得られるかも?
今回はパイオニア&エクスプローラーの単色アグロを赤・黒・白と紹介させてもらった。次回は残る2色! 現在の同フォーマットにおいて、かなりの地位を築き上げているデッキの登場だ。お楽しみに!
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