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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

息詰まる7枚ドロー:すんげえデッキに大興奮(ヒストリック)

岩SHOW

「すんげえデッキ、ないですかね?」

 常にこう考えてデッキリストを漁っている。もはや日課、ルーティーンってやつだなぁ。インターネットが各家庭においてごく一般的なものになって、そういえばマジックで検索するとどうなるんだろう?という好奇心から海外のデッキリスト掲載サイトを見るようになって……もう何年だ?

 このデイリー・デッキの連載が始まってから、それはさらに強い習慣になり……この連載も何年? 振り返ればキリがないが、ずっと変わらないのは冒頭の一言。

 やっぱり求めているのはすんげえデッキ。目玉が飛び出るほどの、ハチャメチャなデッキと出逢いたい! あわよくば自分もそんなデッキでプレイしたい! この思いは尽きることがない。

 いつでも、どんな環境でも。この思いは常に満たされるものではなく、しかしだからこそ、すんげえデッキと遭遇した時にはこの上ない興奮と幸福を感じるのである。

 今回紹介するのもそんなすげえ、やべえ、ぶっ飛んでる、三拍子そろった逸品だ。

Platinum-Mythic Rank Player (2022年6月13日)
ヒストリック[MO] [ARENA]
6 《平地
4 《
4 《神聖なる泉
4 《連門の小道
-土地(18)-

2 《願いのフェイ
-クリーチャー(2)-
4 《予期
4 《非実体化
2 《領界からの旅立ち
2 《乱動への突入
4 《秘密のランデブー
4 《シルンディの幻視
2 《テフェリーの防御
4 《息詰まる徴税
2 《残骸の漂着
4 《ドゥームスカール
2 《有事の力
2 《海門修復
4 《暗記+記憶
-呪文(40)-
2 《精神純化
1 《ヘリオッドの介入
1 《溢れ出る洞察
1 《苦悩火
1 《啓示の終焉
1 《弾ける力
-サイドボード(7)-

 

 MTGアリーナ、ヒストリックのランク戦にて6連勝以上を記録したリストを掲載するページ。不定期にそこを覗いて心に響くリストを探しているのだが……こいつはすげえ。ちょっと類を見ない、独自色が濃過ぎる怪作だ。

 土地構成を見ると白と青の2色デッキなのはわかる。《ドゥームスカール》などからコントロール要素の強いデッキで、同フォーマットでこのようなコンセプトのデッキであれば《ドミナリアの英雄、テフェリー》をフィニッシャーに据えた形が定番。最近ではクリーチャー除去も兼ねた《放浪皇》も決め手になる……

 とか言ってみたが、《ドミナリアの英雄、テフェリー》《放浪皇》は1枚も採用されていない。ではこのデッキの勝ち手段は? 白青の2色デッキでありながら、それは《苦悩火》《弾ける力》に託されている。どういうこと?

 これこそ、このデッキの超スゲェところだよ。

 上記の勝ち手段はどちらも、いわゆる「X火力」と呼ばれるもの。マナを注いだ分だけダメージを与えるソーサリーで、これで勝つためには大量のマナが必要になる。

 ではどうやってそれを用意するか? その大任をあずかるのが《息詰まる徴税》だ。

 統率者戦ではお馴染み、対戦相手のドローに対してマナの支払いを要求する。払ってもらえなかったらこっちのマナを増やすぞと宝物を生成する、特殊なマナ加速になる。

 統率者戦では自分のターンが返ってくるまでに3人の対戦相手を経由するので、高確率で宝物の獲得が見込めるナイスカード。もちろん毎ターンの通常ドローだけでなく、各種ドロー呪文や能力にも誘発するのが強みだ。

 1対1の通常のゲームではあまり大きくマナ加速できるチャンスもないかな?という感じでそのポテンシャルを発揮させることができないことが多いが……。

 そこで、このデッキでは《息詰まる徴税》から爆発的に宝物を得るために……「対戦相手にカードを引かせる」という斜め上のアプローチ!

 白や青には対象のプレイヤーや自分だけでなく、対戦相手も含むすべてのプレイヤーがドローするというカードが少なからず存在する。ここ最近は平等を扱う色として白がそういうデザインになりつつあるね。

 その象徴的なカードが《秘密のランデブー》。

 自分と対象の対戦相手が3枚ドロー、3マナで手札が2枚増えると考えればマナ効率は素晴らしいのだが、対戦相手にもプレゼントするというデメリットがあまりにも重くて使いにくい呪文である。

 ただそんな弱点も、徴税があるなら話が変わってくる。相手が3枚ドロー、徴税で宝物を得るのを防ぎたければ計6マナも支払いが要求される。これを完全に防ぐのは簡単なことじゃないな。

 同じように《暗記+記憶》の、波及により墓地から唱える《記憶》も7枚もドローさせるのでじゃらじゃらと宝物を得られるだろう。

 同じく7枚ドローの《有事の力》も非常に珍しい1枚で、これを見てテンションがモリモリ上昇してしまった。

 自ターンで唱えれば手札からパーマネントを出せるので《息詰まる徴税》2枚目以降をこれで設置。宝物から次のドローに繋げて……と、すんげえ連鎖が繋がっていくのだ。

 最後はあふれかえった宝物を使って《願いのフェイ》を《成就》として唱え、X火力を獲得してファイア!

 いや~よくぞこんなデッキを思いついたもんだ。このコンセプトはヒストリックだけでなく、カードを入れ替えればエクスプローラーで実現可能だ。僕も思わず《息詰まる徴税》+お互いドロー呪文の組み合わせで、《富の享楽》も絡めたデッキをエクスプローラーで回して……勝つことの難しさに涙しつつも純粋にデッキ構築と、ひとつひとつのゲームを楽しむことができた。

 すんげえデッキ、ありました。この遭遇には感謝せずにはいられない。これだからデッキ紹介コラム、いつまでも続けたいって思っちゃうよ! 皆も各々が感動できるデッキと出逢えますように。

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