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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

黒単コントロール:バトンは受け継がれる(パイオニア&エクスプローラー)

岩SHOW

 デッキというものはバトンである――と、思えるような時がある。

 インターネット、SNSの普及により誰もが自分の組み上げたデッキを共有できるようになった。それも世界中の人々に対して。アイディアを形にしたデッキをなんとなくツイートしておくと、知らないうちに遠い国の誰かがそれを見て興味を持ったりインスピレーションを受けたり。コピーして実際にプレイすることもあれば、そのアイディアをさらに一歩二歩推し進めたり……バトンを受け取ったプレイヤーにより、また新しいデッキが生まれることがある。今回はそんな光景を実際に目の当たりにしたという話。

 2022年6月6日、僕はいつものようにTwitterでデッキリストを求めて検索などを行っていた。その時に以下のリストを目にした。

Nereo - 「黒単コントロール」
エクスプローラー(BO1) (2022年6月6日)[MO] [ARENA]
18 《
3 《ロークスワイン城
3 《目玉の暴君の住処
1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼

-土地(25)-

4 《墓地の侵入者
4 《残忍な騎士

-クリーチャー(8)-
4 《致命的な一押し
4 《思考囲い
3 《苦悶の悔恨
2 《破滅の刃
2 《闇の掌握
2 《無情な行動
4 《絶望招来
1 《不憫な悲哀の行進
2 《食肉鉤虐殺事件
4 《不笑のソリン

-呪文(28)-
Nereo氏のTwitter より引用)

 

 MTGアリーナのエクスプローラー・イベントにて7勝2敗したリストとのことで、黒単色というビジュアルもあって目を惹かれた。

 このリストの生みの親は現在の環境に適応したデッキを目指してこのデッキを作り上げたようで、最大の特徴である《絶望招来》はまさしく環境へのアンサー。

 クリーチャーは当たり前として、《覆いを割く者、ナーセット》《創案の火》《鏡割りの寓話》などなどこのソーサリーで薙ぎ倒せるパーマネントがひしめくフィールドだ。それらを複数生け贄に捧げさせつつ、生け贄がなければライフを削りつつドローもできるスーパーソーサリーである《絶望招来》。これをデッキの最重量呪文に据えつつ、多くのクリーチャー除去と手札破壊で固めたのがこのコントロールだ。

 《致命的な一押し》は嗜みとして4枚用意しつつ、他の枠には《闇の掌握》や《破滅の刃》など個性的なチョイスも見られる。2マナのインスタントであるというところがポイントなんだろうな。

 《大牙勢団の総長、脂牙》《創造の座、オムナス》といったすぐさま対処しなければならない怪物が蠢く魔境だからね。

 除去したクリーチャーは《墓地の侵入者》で追放してライフの差をつける。

回転

 この侵入者は脂牙デッキの機体や「イゼット・フェニックス」の《弧光のフェニックス》を追放するという重要な役目も担っている。

 《絶望招来》が好き、黒単が好きというプレイヤーは世界に数えきれないほどいるわけで。彼ら彼女らがこのデッキを紹介するつぶやきを目にした時、グッとくるものがあったことは想像に難くない。

 そうしたプレイヤーの1人がこの黒単のバトンを受け取り、新たな一歩を踏み出したリストが同年6月8日に投稿された。

Parker D. May - 「黒単コントロール」
エクスプローラー(BO1) (2022年6月8日)[MO] [ARENA]
17 《
3 《ロークスワイン城
3 《目玉の暴君の住処
1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼

-土地(24)-

4 《墓地の侵入者
4 《残忍な騎士

-クリーチャー(8)-
4 《致命的な一押し
4 《思考囲い
2 《苦悶の悔恨
2 《破滅の刃
2 《闇の掌握
2 《無情な行動
4 《絶望招来
1 《不憫な悲哀の行進
3 《食肉鉤虐殺事件
4 《大いなる創造者、カーン

-呪文(28)-
1 《トーモッドの墓所
1 《宝物庫
1 《真髄の針
1 《影槍
1 《減衰球
1 《風化したルーン石
1 《セレスタス

-サイドボード(7)-
Parker D. May氏のTwitter より引用)

 

 同じくエクスプローラー・イベントで7勝2敗でフィニッシュ。呪文の枚数調整もあるが、最大の違いは4マナ域に鎮座するプレインズウォーカーの選択。本家リストでは《不笑のソリン》だったところが《大いなる創造者、カーン》に置き換わっている。

 ソリンももちろん強いカードであり、カーンと単純比較することはできないが、イベントではカーンが優れている点がある。BO1(1本勝負)でサイドボードを使用できるという点だ。

 カーンはゲーム外からアーティファクトを手札に加える能力を持ち、これで《風化したルーン石》などの特定のデッキやケースにおいて力を発揮するカードをサーチ。60枚デッキ相手に67枚デッキというちょっとの引き出しの差で勝負するというわけだ。これでより環境に適応した、スマートなコントロールに仕上がった。

 デッキとは、託そうという意志が特になくとも自然と受け取ってくれる人が出てくる不思議なバトン。誰かのリストを受け取って、上記のリストのように調整にチャレンジしても良し。あるいはなんとなく自分で組み上げてみたリストをネットに投下し、誰かに受け取ってもらうも良し。

 皆も一度、自分のデッキを世にさらけ出してみてはいかがだろうか。誰かと繋がる感覚、素敵な思い出になるはず!

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