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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
密造酒トロン(パイオニア&エクスプローラー)
おう、よく来たな。尾行られちゃいないだろうな? 警察、同業者、それから常夜会一家……俺らの「財産」を狙うやつらは数えきれねぇからな。もう少しだ。
ここを抜けると……ほら、ようこそ。俺らの取引現場だ。密造酒を扱う俺らのようなヤツにとって、ニューカペナの最下層であるここカルダイヤは都合のいい場所だ。土建組一家が支配している労働者のための階層だが、それゆえにトンネルが入り組んでまさに迷宮。中にはこういう人目につかないエリアもあるってことよ。そして密造酒を欲しがる顧客も多いしな。俺らにとっての宝物、それこそがこの酒よ。俺らの土地に隠したこの宝で、買えないものはないぜ。
《密造酒屋の隠し財産》というカードに与えられたフレイバーはこんな具合かな?
本来土地をタップして得るマナというものは使用期限付きなのだが、このアーティファクトによってマナそのものではなく宝物を生成するという形に置き換えることで、マナを蓄えておくことが可能になる。
1ターン土地から宝物を得るターンを挟み、マナ2桁を必要とするような重い呪文を叩きつける! ロマンにあふれたマナ加速であり、またさまざまなコンボを発生させるポテンシャルに満ちている。
最も話題になったのは《時の篩》だ。
土地をタップして5個以上のアーティファクトを得てこれらを生け贄に追加ターン……毎ターン簡単に続けられるお手軽無限ターンだ。
そういった観点から統率者戦での活躍が期待されている1枚であるが……通常の構築フォーマットではどうか? 6マナという重さをクリアして運用可能であれば……というところ。
大半のデッキでは重い1枚となってしまうものだが、中にはこんなカードを使いこなすマニアもいるものだ。そんなわけで今日のデッキは「密造酒トロン」!
1 《森》 1 《大瀑布》 4 《眷者の居留地》 4 《カーンの拠点》 3 《総動員地区》 3 《屍肉あさりの地》 3 《爆発域》 1 《発明博覧会》 3 《スコフォスの迷宮》 -土地(23)- 2 《自動操縦の工匠》 3 《鋳造所の検査官》 3 《パラジウムのマイア》 2 《不屈の巡礼者、ゴロス》 2 《作業場の戦長》 1 《産業のタイタン》 1 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》 -クリーチャー(14)- |
4 《パワーストーンの破片》 3 《見捨てられた碑》 2 《密造酒屋の隠し財産》 1 《王神の立像》 1 《グレートヘンジ》 3 《ウルザの後継、カーン》 3 《大いなる創造者、カーン》 3 《人知を超えるもの、ウギン》 3 《精霊龍、ウギン》 -呪文(23)- |
2 《不屈の巡礼者、ゴロス》 1 《隕石ゴーレム》 1 《金属製の巨像》 1 《漸増爆弾》 1 《魔術遠眼鏡》 1 《風化したルーン石》 1 《市長の笏》 1 《霊気貯蔵器》 1 《神秘の炉》 1 《危険な櫃》 1 《見捨てられた碑》 1 《パラドックス装置》 1 《影槍》 1 《領事の旗艦、スカイソブリン》 -サイドボード(15)- |
MTGアリーナにおけるエクスプローラーのデッキだ。つまりはパイオニアでも同コンセプトのデッキは組める。
まずは「トロン」について。これは《ウルザの塔》《ウルザの鉱山》《ウルザの魔力炉》と3つの土地を揃えて大量の無色マナを生産、そのマナから唱える重たい呪文で圧殺するデッキの総称だ。
ウルザトロンという呼称が縮まって単に「トロン」となって定着した。
以来、本家トロンと構造は異なるものの似たアプローチのデッキも、その名前を目にしてどんなデッキかイメージするのが容易であるという理由から、「トロン」の名を授かるリストが散見される。このリストもまさしくその一例である。
トロンらしさというのはたっぷりの無色マナから巨大なアーティファクトや無色のプレインズウォーカーなどを展開し、純粋なカードパワーで対戦相手を徹底的に叩きのめすという戦法。このリストも見てもらえば《精霊龍、ウギン》をはじめとするパワフルな無色のカードが大量に採用されており、そのトロン感が伝わるはず。
トロンの如き爆発的なマナを発生させるのは《見捨てられた碑》。
{C}(無色マナ)を加えるパーマネントから追加の{C}が得られるようになる。これのために大量の無色土地を採用し、碑を置いた次のターンには《絶え間ない飢餓、ウラモグ》!という大技も可能にしている。無色呪文での回復や無色クリーチャーの強化など、トロンイズムを持った1枚だな。
これ自身も5マナであるため、1ターンでも早く唱えるためのマナ加速も備えている。《パラジウムのマイア》《パワーストーンの破片》と2マナ以上を得られる見込みのある3マナのアーティファクトで、他のデッキよりも一歩ならぬ二歩先の4ターン目を目指している。
またエクスプローラーでは2マナでマナ加速を行うパーマネントは限られており、碑とのシナジーを考えると無色マナを得るものが欲しい……となるとそういったカードはほぼ見られない。
そんな限られた選択肢の中から《自動操縦の工匠》という比較的新しいカードをピックアップしているのは抜け目がないね。
プレインズウォーカーやクリーチャーへのマナ加速にはならないが、碑を置くターンを早めてくれるだけで価値があるというものだ。
またマナを得られるわけではないが《鋳造所の検査官》もアーティファクトの展開を助けてくれる。
《不屈の巡礼者、ゴロス》も土地を増やしてマナを伸ばしつつ、《大瀑布》を持ってくれば5色のマナから能力起動でゲームを終わらせるフィニッシャーとなる。
これらのクリーチャーが皆《見捨てられた碑》でムキムキのボディになるのが安心感があって良いんだよな。
ヘビー級のカードの中に潜む《密造酒屋の隠し財産》。ウギンや《産業のタイタン》といったデッキの主役を唱えるためのマナ加速なわけであるが、実はこのカードのもたらす宝物そのものが爆発的なダメージを叩き出す武器にもなる。
《ウルザの後継、カーン》が生成する構築物・トークン。これは自分がコントロールしているアーティファクトの数に等しいのパワーとタフネスを持つ……ということは、土地の枚数分だけ宝物を得てしまえば10/10以上のサイズも決して夢ではない! 毎ターン無尽蔵にデカくなるロボで対戦相手をブッ倒せ!
というわけで伝統あるトロン戦法と最新の密造酒が組み合わさり、新たに誕生したエクスプローラーの「密造酒トロン」。このリストはまだまだ調整段階という感じがするので、カラーリングやカードチョイスなどなど、各々の手で好みの芳醇なデッキに仕上げてみてくれ!
とか言ってたらサツが来たぜ、ずらかるぞ!
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