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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
斡旋屋クリーチャーズ with ビビアン:狩りに出て大物を求むる(スタンダード)
クリーチャーを何か別のクリーチャーに、より強く状況にマッチしたクリーチャーへと変換するカードというのは昔から人気の高いジャンルだ。
伝説的なパワーカードである《適者生存》や《繰り返す悪夢》はその最たるものであり、高い知名度を誇るが、それ以外にも人気の高いカードは多い。
今でもモダンなどで愛用されているのは《異界の進化》。クリーチャーをマナ総量が2つ上のものへと進化させるため、かなり強力なものを早期ターンに展開、さまざまなコンボを発生させる。《新生化》も2マナでクリーチャーを1ランク上のものへと化けさせるので使い勝手が良く、こちらもクリーチャーコンボの友と呼べる1枚。
これらのカードが行う、クリーチャーを生け贄に捧げ、より上のものへと変換する動きを毎ターン行える《出産の殻》は、まさにぶっ壊れたパワーカードであり一時代を築き上げたものだ。
そして《ニューカペナの街角》ではこの殻と同様の能力を持った《狩りに出るビビアン》が登場。殻の後継者を待望するユーザーたちを喜ばせた。
彼女はプレインズウォーカーの忠誠度能力としてこの生け贄&サーチの処理を行うので、殻のように簡単に同一ターンに再利用できるわけではない。悪用されにくいからこそ、この強く楽しいアクションを毎ターン行うことを許されたというわけだな。
かつて殻が行ったような《詐欺師の総督》や《修復の天使》と《鏡割りのキキジキ》を揃えて瞬殺!というコンボを促すカードではないが、クリーチャーの進化・手札に補充・トークン生成と、戦力を切らさずに保持し続けるための実直なカードとしての実力は高そうだ。
今回は都会にやって来たビビアンを主役にしたスタンダードのデッキを紹介しよう。
4 《スパーラの本部》 4 《枝重なる小道》 4 《さびれた浜》 4 《連門の小道》 4 《樹皮路の小道》 1 《皇国の地、永岩城》 -土地(21)- 4 《祝祭の出迎え》 4 《裕福な亭主》 4 《絡みつく花面晶体》 4 《秋の占い師》 4 《粗暴な聖戦士》 4 《スカイクレイブの亡霊》 1 《軍団の天使》 4 《マインド・フレイヤー》 1 《全知の調停者》 1 《渦巻く空、開璃》 2 《産業のタイタン》 -クリーチャー(33)- |
2 《変わり樹の共生》 4 《狩りに出るビビアン》 -呪文(6)- |
1 《黎明運びのクレリック》 1 《茨橋の追跡者》 3 《軍団の天使》 1 《過充電縫合体》 1 《作業場の戦長》 4 《ポータブル・ホール》 1 《軽蔑的な一撃》 1 《否認》 2 《放浪皇》 -サイドボード(15)- |
白青緑、通称バントカラー。今セットに寄せて表現するなら斡旋屋デッキということになるかな。《狩りに出るビビアン》と実質土地である《変わり樹の共生》、そして土地を除いた33枚が全部クリーチャー! 圧倒的な数により常にクリーチャーを展開し、より強きものへと繋ぐシンプルだけどパワフルなデッキに仕上げられている。
クリーチャーオンリーデッキと言っても良いメイン構成ではあるが、斡旋屋の3色はいずれも柔軟なクリーチャーを擁するため、対戦相手へのさまざまな干渉も行えるようになっている。
白特有の追放能力、《粗暴な聖戦士》と《スカイクレイブの亡霊》でパーマネントを狩る!
青はトリッキーの象徴、《全知の調停者》でドローしつつ相手のクリーチャーを弱めたり、《渦巻く空、開璃》をビビアンで生け贄に捧げることでその大量バウンスを誘発させたりとテクニカルに立ち回ることも可能。
そしてクリーチャーを最も得意とする緑は《祝祭の出迎え》に見られるようにマナ加速・ライフ回復・サイズで押せるクリーチャーとなんでもできる!
マナ加速から、あるいはビビアンの手によって、戦場へとおびき出された《産業のタイタン》はゲームを終わらせるパワー十分のフィニッシャー!
サイをお供に従えたり、盾カウンターで護ったり、《鏡割りの寓話》《エシカの戦車》《婚礼の発表》を叩き割ったり、ライフを得たり……本人に到達が付いているのもポイントが高いね。
そのために《裕福な亭主》や《秋の占い師》のような地道に盤面を作るためのカードも欠かしていない、実直な構成が思わず回してみたいという気持ちを起こさせる、素敵なデッキリストだ。
このデッキの極悪ムーブはやはりビビアンが絡んでくるもので、そしてそのパートナーとなるのが《マインド・フレイヤー》!
これをコントロールしている限り対戦相手のクリーチャーをちょうだいするワルな1枚だが、本体に除去耐性はないので簡単に取り返されてしまうというのが弱点。この問題を《狩りに出るビビアン》は解決してくれる。奪ったクリーチャーを即座に狩る!
これを生け贄、獲物としてライブラリーからさらなる大物を誘い出そうってことだ。こちらには強いクリーチャーが残り、対戦相手は奪い返すクリーチャーを失う。最高に気分が良くなる、もはやコンボといっても差し支えない組み合わせ。
もちろん《マインド・フレイヤー》自身もビビアンから持ってくるのが理想的。4マナ圏は《軍団の天使》であり、これが戦場にいるということは、すでに手札に2枚目が控えているということ。生け贄に捧げても全く損していないので、安心して《マインド・フレイヤー》に取り替えることができるってわけだ。
《適者生存》や《出産の殻》に言えることは、ただ強いというだけでなく、とにかく気分が良くなる・幸せな気持ちでゲームを進められるということ。これは大袈裟な表現ではなく、望みのクリーチャーを常に戦場に出せるというのは本当に心の健康に良いもので……ジャンル関係なく常に食べたいものが運ばれてくるオーダーバイキングのようなものだよ。これが楽しくないわけがないっていうね。
未体験のプレイヤーは、ビビアンがやって来たことを機に一度味わってみてはいかがかな?
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