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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
今週のCool Deck:法務官リアニメイト(ヒストリック&スタンダード)
さあ行ってみよう。今週も私、岩SHOWがクールだなと感じたデッキを紹介する当コーナーのお時間だ。
これが更新される頃には既に知れ渡っていることかもしれないが、コチラのサイドストーリーにてファイレクシアの法務官の1人、ウラブラスクが再登場!
1年前の《巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス》の再登場時の衝撃、そしてそれに続く2022年は《発展の暴君、ジン=ギタクシアス》再臨により、さてじゃあ2023年にはまた誰か出てくるのかな、なんて考えていた矢先の間髪入れずに3人目! クールなサプライズじゃないか。
ここで背景世界のクールなヴィラン(悪役)、法務官についておさらい。
太古の昔、ヨーグモスにより形成された機械の軍勢ファイレクシア。それらは死と腐敗をもたらす邪悪なる存在であるとして、黒マナのみに関係していた。
その元祖ファイレクシアが、自身らの滅亡後にも機能し復活を成し遂げる為に用意した兵器・ファイレクシアの油により、ミラディンが侵食される。ミラディンには5つのマナそれぞれを司る5つの太陽があり、この環境に適応したファイレクシアは5色全てに関わる勢力となった。
この新ファイレクシアは5色それぞれの派閥に分かれ、法務官という支配階級がそれらを統治している。中でも白の派閥、「機械正典」は白らしく宗教要素の強い集団である。ミラディン全土をファイレクシアと同化させることこそが彼らの理想郷であると信じ、それを実行した。また同じファイレクシアの軍勢に対しても同様の考えを持ち、権力争いの結果法務官であるエリシュ・ノーンが全てを統治する者となった。
彼女の思想に基づき、ミラディンをほぼその手中に納めた新ファイレクシアは、今や多次元への進出を目論んでいる。前述のヴォリンクレックスやジン=ギタクシアスはまさにその先兵だったというわけだ。
そして今回ニューカペナに現れたウラブラスクも……というわけではないようだ。ウラブラスク率いる赤の派閥、「静かなる焼炉」は赤マナの性格を色濃く受け継いでいる。赤の思想は個人主義、自由といったその場で激情のままに振舞う生き方を重視する。それもあってか、ウラブラスクは新ファイレクシアに属していながら、自身の領土に入り込んだミラディンの人々に興味を示さずに放置していたくらいだ。
同化を推し進めるノーンと真っ向からぶつかる主義を持つウラブラスクは『新たなるファイレクシア』当時からノーンに対して反旗を翻し、ミラディン側の味方になったりして?と議論されていたりしたなぁ。
当時からクールなキャラだったウラブラスク、久方ぶりの再登場でもその個性や信念は揺るがず。まさかのビビアン・リードとの接触……さて、どうなっていくのかなと。今後が非常に楽しみである。
このストーリーが公開される直前、ちょうど今回取り上げるクールなデッキを決めたところだった。そしてそのデッキとウラブラスク再登場はなんだか噛み合っているもので、おいおいクールなシンクロしてるじゃないかとなんだかグッときたものだ。
それでは前置きはここらにして、そのデッキを見てみようじゃないか。
4 《サヴァイのトライオーム》 4 《血の墓所》 3 《神無き祭殿》 2 《聖なる鋳造所》 2 《竜髑髏の山頂》 2 《孤立した礼拝堂》 2 《断崖の避難所》 1 《荒廃踏みの小道》 1 《陽光昇りの小道》 1 《針縁の小道》 -土地(22)- 4 《不吉な儀式の僧侶》 1 《歴戦の神聖刃》 2 《歴戦の紅蓮術士》 4 《セラの使者》 2 《大修道士、エリシュ・ノーン》 1 《発展の暴君、ジン=ギタクシアス》 1 《囁く者、シェオルドレッド》 1 《飢餓の声、ヴォリンクレックス》 1 《核の占い師、ジン=ギタクシアス》 -クリーチャー(17)- |
1 《部品の組み立て》 4 《信仰無き物あさり》 3 《骨の破片》 3 《思考囲い》 4 《身震いする発見》 4 《掘葬の儀式》 2 《夢を引き裂く者、アショク》 -呪文(21)- |
このクールなデッキは?
ヒストリックの「法務官リアニメイト」だ。
リアニメイトは墓地からクリーチャーを戦場に戻すカードを使って、強力な化け物を戦場に降臨させるコンボのこと。デッキのメインテーマとして扱う場合、重要なパーツは3つ。クリーチャーを墓地に送る手段・リアニメイト呪文・そして強力なクリーチャーだ。
このリストはそのクリーチャーの部分を新ファイレクシアの法務官たちに担ってもらっているというわけだ。しかも綺麗に、ウラブラスク以外!
白の法務官ノーンは、他の青・黒・緑は完全に従えてしまっている。それに従わないウラブラスクだけは採用されていないこのリスト、ストーリーにも沿っているしタイムリーだし……いろいろとクールすぎるぜ。
《信仰無き物あさり》《身震いする発見》《骨の破片》、それに《歴戦の神聖刃》《歴戦の紅蓮術士》で手札から捨てる形で法務官らを墓地に送り込む。
あるいは《夢を引き裂く者、アショク》や《思考囲い》で自身を対象にするという方法もある。
そうやってファイレクシアが誇る最高レベルの指導者たち、あるいはその対極の《セラの使者》などを《不吉な儀式の僧侶》ないし《掘葬の儀式》で蘇らせる。
《部品の組み立て》もリアニメイトの変化球と言えるね。
法務官たちはいずれもコストが超ヘビー級であり、そしてそれに見合う超絶的な能力を持っている。そんな化け物が早期ターンに飛び出れば、文句なく勝負アリだぜ。
クリーチャー中心のデッキ相手には《大修道士、エリシュ・ノーン》で盤面を綺麗にお掃除。あるいは《囁く者、シェオルドレッド》で継続的に締め上げるのも最高だ。
対戦相手の土地が全てタップ状態であれば《飢餓の声、ヴォリンクレックス》でマナを封じてしまうという作戦も。
除去および勝利手段をインスタントやソーサリーに頼るデッキ相手には《発展の暴君、ジン=ギタクシアス》で抑え込み、《核の占い師、ジン=ギタクシアス》で手札をぶっこ抜く……素晴らしい、これぞ完成した世界ッッ。
6 《平地》 4 《森》 4 《草茂る農地》 4 《枝重なる小道》 2 《フロスト・ドラゴンの洞窟》 2 《皇国の地、永岩城》 1 《耐え抜くもの、母聖樹》 -土地(23)- 4 《裕福な亭主》 3 《束の間の霊魂》 4 《スカイクレイブの亡霊》 4 《巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス》 2 《アヴァブルックの世話人》 -クリーチャー(17)- |
4 《根囲い》 4 《永岩城の修繕》 3 《セレスタス》 4 《ドゥームスカール》 4 《報復招来》 1 《告別》 -呪文(20)- |
このクールなデッキは? その2
今回は特別にもう1つ、スタンダードでも法務官を用いるリアニメイトデッキを紹介しよう。
《束の間の霊魂》や《永岩城の修繕》、そして《根囲い》で墓地に《巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス》を置く。
それを戦場に引っ張り上げるのは《報復招来》の役目だ。
英名では「Invoke Justice」、ジャスティス! 正義がやってくるという触れ込みで新ファイレクシアの恐怖の先兵がやってくる……ちょっとクールすぎやしないかい?
そして《巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス》は、こちらが+1/+1カウンターを置く場合にそれを倍の個数にしてくれるという能力の持ち主。《報復招来》で釣り上げた場合、ヴォリンクレックスが戦場に出てから、対象としたプレイヤーのコントロールするクリーチャーや機体に+1/+1カウンターを4個置く(割り振り可)。このとき《巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス》の常在型能力はすでに存在しているので、このカウンターは倍の8個置けてしまうのだ!
これをヴォリンクレックスに全部置き、14/14トランプル・速攻を走らせて一発でゲームを終わらせても良いし、他のクリーチャーも強化して面でのダメージを狙いに行っても良い。いずれにせよ報復する気満々のヴォリンクレックスは、勝利をグッと近づけてくれるはずだ。正義の名のもとに!
クールなまとめ
『ニューカペナの街角』にてさらにクールな展開を見せる背景ストーリー。ウラブラスクを筆頭に、いよいよ本腰入れて動き出した法務官たちと、我らがプレインズウォーカーたちがどのような物語を紡ぐのか。おそらくその先にはタミヨウの変貌のように、クールすぎる結末が待っているのだろう。ゲームの盤上でそれを表現するような、新ファイレクシアの法務官が主役のデッキを作るのも有意義な楽しみ方だ。
それじゃ今週はここまで。Stay cool! Unleash the Praetors!!
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