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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
今週のCool Deck:Storm is coming!! 災厄招来(ヒストリック)
さあやって来たぞの金曜日、成績や勝率などに関係なく「これはクールだな」と感じたデッキリストを紹介する当コーナーのお時間だ。
どう、クール足りてる?というのは尋ねるまでもないかな。『神河:輝ける世界』がもたらしたシャイニーでクールなカードは、本当にさまざまなクールデッキを生みだしてくれたね。
リリースから1か月以上、そろそろそういう目新しさも落ち着いてくるかなぁなんて考えていたのだが……どうやらまだまだ、始まったばかりということらしい……ウェブ上のデッキリストを漁れば漁るほど、クールなデッキがゴロゴロと出てくる。
今日もそんな掘り出し物を1つ取り上げる。「神河チャンピオンシップ」直後、ヒストリックに何か影響はあるかなぁ~なんて軽い気持ちで眺めていたのだが……大型トーナメントの結果などそもそも関係なく、己の道を追求したと言わんばかりのオリジナリティあふれるデッキと邂逅することとなった。もはやこれは未知なるクールとの遭遇だよ。
では、早速リストを見ていただこう。
4 《島》 4 《山》 4 《蒸気孔》 4 《尖塔断の運河》 4 《河川滑りの小道》 -土地(20)- 3 《遵法長、バラル》 3 《ゴブリンの電術師》 -クリーチャー(6)- |
3 《考慮》 3 《信仰無き物あさり》 3 《巧みな軍略》 2 《削剥》 2 《高まる復讐心》 2 《否認》 1 《ぶどう弾》 1 《才能の試験》 3 《願い》 2 《火山の流弾》 3 《ミジックスの熟達》 2 《海賊の略奪》 2 《予想外の授かり物》 1 《苦悶の触手》 3 《災厄招来》 1 《バラルの巧技》 -呪文(34)- |
1 《高山の月》 2 《丸焼き》 1 《ぶどう弾》 1 《高まる復讐心》 1 《軍団の最期》 2 《虚空の力線》 1 《粉砕の嵐》 1 《嵐の怒り》 1 《苦悶の触手》 1 《災厄招来》 1 《絶望招来》 1 《拡散する暴動》 1 《涙の氾濫》 -サイドボード(15)- |
このクールなデッキは?
ヒストリックのオンライン定期大会にて使用されていたリストだ。上位に入賞というわけでもなく、そもそも規模も大きくはないものなのだが、そういうところにこそクールというものが転がっていると信じている。
このリストはそんな期待に応えてくれるクール極まるもので……春の到来も相まって、気分が高まったね。
このデッキに採用されている神河の新カードは《災厄招来》。メイン・サイド合計4枚という数字からこれを主軸にしているのが見て取れる。
このインスタントは{1}{R}{R}{R}{R}というとてつもなく濃いシンボルもクールなのだが、それがもたらす効果ももちろんクール。手札あるいは墓地からインスタントかソーサリーを2つ、マナ総量の合計が6以下になるような組み合わせで、マナを支払わずに唱えることができる。
5マナから最大6マナの呪文になるということで単純に1マナ得をしているし、本来唱えられないような色マナの組み合わせを{R}のみで実現するとあって、なかなかにロマンに満ちた1枚である。
これをヒストリックでどう使うのか? このリスト制作者の出した答えは……ストームだ!
どこがどうクールなのか?
クールポイントその1:嵐のような風が吹くって!
ストームとはマジックの歴史上でも最強とも名高い能力の1つである。それを持つ呪文が唱えられた時、そのターンにすでに唱えられていた呪文の数だけそれをコピーするという……呪文の連打が大きな嵐を招くというデザインである。
『スカージ』で初登場し、《精神の願望》をはじめ各ストーム呪文はコンボデッキ界隈に新たに「ストーム」というジャンルを生みだし、大いに暴れ回ったため「この能力はもう再録されないだろう」と歴代最狂能力として認知されることになった――まあ、なんだかんだ言って調整されたものが特殊セットに再録されて今日に至るんだけどもね。
そんなストーム、呪文を同一ターンに唱えていればいるほど効果が高まるのは言うまでもなく、ということはつまり、カード1枚で呪文を3回唱えることになる《災厄招来》とは相性ピカイチというわけなんだな。
ストームデッキのゴールと言えば《苦悶の触手》。
2点のライフを吸い取るこのソーサリーをストームで増やしまくって対戦相手のライフをすべて頂戴するデッキと言っても過言ではない。
火力は半分だが《ぶどう弾》も同じくライフを削る手段であり、1ターンにたっぷりと呪文を唱えてからこれらに繋ぐ。それがストーム・デッキの基本的な動きだ。
ではストームを稼ぐために何が必要か? 言うまでもなく、マナと手札だ。
ストーム・デッキはこれらを得るためのインスタントとソーサリーで固められている。このデッキでは《予想外の授かり物》《海賊の略奪》などがそれを担う。
これらに対して《高まる復讐心》を唱えてコピーし、タップリの手札とマナを確保し、とにかく唱えまくりの連鎖からフィニッシュのストーム呪文へと繋げる。
《高まる復讐心》は墓地から唱えた場合、コピーの数が2つになる。これはすなわち《災厄招来》で墓地から拾えればかなりお得ってことで、授かり物 or 略奪をコピーして6枚ドローと宝物6個という……クールすぎる世界へと突入するべしだ。
この「墓地から復讐心を招来する」という流れを作るためにも、《考慮》《信仰無き物あさり》《巧みな軍略》と墓地にカードを送るタイプのドローを用いる。
招来などキーカードは《願い》で水増しというのも特徴的なリストで、これぞコンボデッキというクールさをビシビシと感じるね。
クールポイントその2:我々は非クリーチャー呪文だけを唱えるわけじゃない!
この手のコンボデッキはノンクリーチャーであることが多いのだが、このリストでは6枚も採用されておりかなり多めに感じる。それらは《遵法長、バラル》と《ゴブリンの電術師》、共通するのはいずれも2マナで、インスタント or ソーサリーの唱えるコストを{1}軽減するという能力を持つこと。
2ターン目にポッと出せば3ターン目にはかなりの展開が狙え、そして4ターン目には招来からの大量ドロー獲得が見えてくる。
対戦相手がこれを除去してきたらそれはそれで相手の展開が止まったりマナを使ってくれているので打ち消しが飛んでくる可能性が低下し、より大胆に動ける。もし何もされずに生き延びたら、コスト低下から好き放題暴れて嵐を起こせば良い。
特にバラルは打ち消しに手札入れ替えのオマケを付けてくれる能力がなんとも沁みるクールなもの。これのためにメインからさまざまな打ち消し呪文が散らしてあり、それらで相手の妨害をしつつ墓地に《高まる復讐心》などのキーカードを落として準備万端な状況を作っていくというわけだな。
バラル&電術師は一時期モダンを支配するレベルで使用された「イゼット(青赤)ストーム」の2枚看板であり、そしてこのデッキはヒストリックにてその後継者として誕生した、とクールな歴史も持ったデッキなわけだ。
モダンには存在しない《苦悶の触手》があることでフィニッシュの決定力はこちらの方が上とも言えるね。最新のカード、ヒストリックならではのカードと歴史ある面々を絡ませて、君だけの嵐を起こそう。
さらなるクールのために
個人的に無茶苦茶好きなカードとして《千年嵐》というエンチャントがある。
一時期はスタンダードでこれを用いた似非ストーム・デッキのプレイに精を出していた。ヒストリックでも組んでみたことあったなぁとクールな思い出がフラッシュバック。
僕がヒストリックで同様のストームデッキを組むなら、このエンチャントを1枚仕込みたいね。タップリと呪文を唱えた後での《災厄招来》大量コピーは、人類の脳には負荷とクールさが大きすぎて気絶してしまうかもしれない!?
クールなまとめ
穏やかな春風が心地よい中、我々がMTGアリーナで吹かせるのは大嵐だ。そんな宣言が聞こえてくるかのような《災厄招来》入りストームデッキを紹介させてもらった。
ストームという能力を未経験の方は、えげつないまでのパワフルでクールなカードを、ぜひともこの機会にプレイしてみてほしいね。それじゃあ今週はここまで。Stay cool! Make your own storm!!
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