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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
消耗戦は《沈黙の蜘蛛、琴瀬》で競り勝て! コントロール2選(スタンダード)
最初の神河三部作では伝説がメインテーマであり、クリーチャーのみならずアーティファクトやエンチャントも伝説のものが多数登場して、戦場に1枚限りという制限があるからこそのゲーム体験を味わうことができた。
『神河:輝ける世界』でも、メインのテーマというわけではないが、アンコモンも含めて多数の伝説のクリーチャーが収録されており、このキャラクターは……と背景世界への好奇心を刺激してくるラインナップになっている。
個人的に気になったのは《沈黙の蜘蛛、琴瀬》。
それほど他のサイバーパンク全開な面々に比べると派手な見た目をしているわけではないので、ちょっと影は薄め……であるが、彼女の仕事を考えるとそれは正解なのかも。
琴瀬は神河でもいわゆる貧民の生まれであり、生きるために全力を尽くした結果、音もなく侵入し手に入れたデバイスを修復することができるという、類まれなる技術を身につけた。この能力を活かして彼女はさまざまな研究施設への潜入任務を請け負う忍びとして生計を立てている。
その「通り名」は「沈黙の蜘蛛」ってんだからカッコいいよな。英語表記だとSilent Spider、サイレントスパイダーだぜ。
そんな彼女のカードは、伝説の忍者でありながら忍術は持っていない。しかしながらその能力はまさに背景設定をカード化したものとなっている。対戦相手の墓地からカードを1枚追放し、それと同名のカードをライブラリーや手札からも消し去るという、黒にはよく見られる伝統的なゲームからカードを除外する術を持っている。
そして、そうやって追放したカードのうち1枚を、こちらがプレイしてもよいという……おいおいちょっとズルくないかというアドバンテージ獲得能力の持ち主なのだ。対戦相手の墓地という廃棄場に潜入し、そこから宝を拾い上げて修復する……ストーリー性抜群なデザインがたまらないね。
今日はそんなサイレントスパイダーが忍び寄る、スタンダードのデッキを紹介しよう!
10 《冠雪の沼》 1 《冠雪の島》 4 《難破船の湿地》 4 《清水の小道》 1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼》 1 《天上都市、大田原》 1 《目玉の暴君の住処》 1 《ストーム・ジャイアントの聖堂》 1 《廃墟の地》 -土地(24)- 4 《ひきつり目》 4 《よろめく怪異》 3 《沈黙の蜘蛛、琴瀬》 -クリーチャー(11)- |
4 《血の長の渇き》 4 《命取りの論争》 1 《軽蔑的な一撃》 1 《不憫な悲哀の行進》 1 《パワー・ワード・キル》 1 《魂転移》 3 《雪上の血痕》 4 《食肉鉤虐殺事件》 4 《漆月魁渡》 1 《不笑のソリン》 1 《蜘蛛の女王、ロルス》 -呪文(25)- |
4 《強迫》 2 《レイ・オヴ・エンフィーブルメント》 1 《軽蔑的な一撃》 1 《否認》 1 《才能の試験》 1 《不笑のソリン》 1 《蜘蛛の女王、ロルス》 1 《環境科学》 1 《害獣召喚学》 1 《アルカイックの教え》 1 《マスコット展示会》 -サイドボード(15)- |
まずは「黒単コントロール タッチ琴瀬」。定番デッキの1つに琴瀬を盛り込み、対戦相手の勝ち手段を削りこちらのそれに変換してしまうという、ゲーム終盤の引き勝負に競り勝つ力を高めた構築になっている。
確かにマナトラブルはなく黒単は安定はするものの、相手の資源を潰し続けて、お互いが消耗しきった末に強いカードを引かれて負け、というパターンは少なくなかったからなぁ。この青タッチ(ほんのり色を足すこと)型は納得の構築だ。
《血の長の渇き》や《食肉鉤虐殺事件》でクリーチャーを捌き、《不笑のソリン》《蜘蛛の女王、ロルス》らプレインズウォーカーのカードパワーで圧殺する。
このプランに繋げるために《ひきつり目》《よろめく怪異》などを《命取りの論争》で生け贄に捧げてドローとマナを両方確保、というのがデッキのメイン機構だ。
このタイプのデッキが他と差をつける1枚が《雪上の血痕》。
クリーチャーやプレインズウォーカーを薙ぎ払いつつ、こちらだけは墓地からそれらを1枚蘇らせて一方的な盤面を築き上げる。
ソリンやロルスといった候補に加えて、ここに琴瀬が加わったというわけで……今しがた破壊したばかりのクリーチャーやプレインズウォーカーをシュシュっと追放し、もう一度引かれるというピンチを未然に防ぎつつ……それをサクッといただくと。
血痕一発で鬼のようなアドバンテージ差が開き、笑いが止まらない状況に。サイレントスパイダーの妙技を味わえ!
1 《平地》 4 《さびれた浜》 4 《連門の小道》 4 《砕かれた聖域》 4 《陽光昇りの小道》 4 《難破船の湿地》 4 《清水の小道》 1 《皇国の地、永岩城》 1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼》 -土地(27)- 1 《魅せられた花婿、エドガー》 2 《沈黙の蜘蛛、琴瀬》 -クリーチャー(3)- |
4 《冥途灯りの行進》 2 《不憫な悲哀の行進》 2 《消失の詩句》 1 《否認》 1 《黄昏の享楽》 3 《ドゥームスカール》 4 《告別》 4 《漆月魁渡》 4 《放浪皇》 2 《ニコ・アリス》 2 《日没を遅らせる者、テフェリー》 1 《不笑のソリン》 -呪文(30)- |
1 《沈黙の蜘蛛、琴瀬》 4 《強迫》 3 《梅澤俊郎の生涯》 2 《否認》 1 《軽蔑的な一撃》 1 《眼識の収集》 1 《不笑のソリン》 -サイドボード(13)- |
こちらはエスパーカラー(白青黒)が均等に採用された「エスパー・フレンズ」。
プレインズウォーカーが大量に採用されており、そのようなコントロールデッキをお友達たくさんという意味合いで「○○フレンズ」と呼ぶのが昔からの習わしだ。
ソリンに《ニコ・アリス》《日没を遅らせる者、テフェリー》《放浪皇》《漆月魁渡》がお友達グループに加わった形だ。
《放浪皇》の強さについてはもう語るまでもなく周知の事実になりつつあるが、魁渡だって負けてはいない。3マナという軽さと、出たターンの終了時にフェイズ・アウトするため3ターン目から強気に出していけるというのは彼ならではのセールスポイントだ。
忍者を繰り出し、カードを引き……という細かい技を対戦相手が嫌ってここを狙ってくれれば、それだけ他のプレインズウォーカーやプレイヤーに猶予が生まれる。目を引くおとり役でありながら、生き延びればそれはそれで多大なるアドバンテージを供給する。厄介なプレインズウォーカーが増えたものだな。
このリストは《告別》を4枚採用する徹底ぶりで、プレインズウォーカー以外のパーマネントの生存を許しはしない。
このソーサリーは墓地も追放可能で、一見すると琴瀬との相性は良くなさそうではある。が、そこを気にして放置していては危ない墓地のカードというものはフラッシュバック呪文などなど多くある。まとめて流し去った後に、ポトッと落ちたカードを琴瀬で頂戴する。それだけでも十分なアドバンテージ足り得ると納得した上で共存させれば、第2の手札と呼ばれる墓地を対戦相手に決して有効活用させない非常なるゲーム展開を堪能できるはずだ。
相手が強いカードをもう引いてくる可能性がなくなり、こちらにそれがプレゼントされる。《沈黙の蜘蛛、琴瀬》は神河の秘密組織に重宝される凄腕忍者というのが頷ける、一見地味に見えてかなりのパワーカードに仕上がっている。
ドロー勝負で競り負けることが多いそこのあなた、思い切って彼女をエージェントとして雇ってみるのをオススメするぞ!
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