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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
創造の座、オムナス:ニューカペナ、3色土地に期待して(モダン)
これを書いているのは「神河チャンピオンシップ」が週末に控えているタイミング。まさに神河がもたらした新たなマジックの盛り上がりが最高潮を迎えようというその時だ。
そんな折にだ、早くも『ニューカペナの街角』の情報が公開された。
いや、早くもってわけじゃないかもな、4月末に発売されるセットなのでスケジュール的にいつも通りだな。でももうそんなに時間が経ったのかというのは、正直なところ驚きを隠せない。それだけ神河のカードが魅力的で楽しかったってことなんだろうな。ニューカペナにも自ずと期待が高まるってなもんだよ。
早速このセットから5枚のカードが公開されたのだが……それがなんと3色土地! 『イコリア:巨獣の棲処』にて登場した3色土地、通称トライオーム・サイクル。3つの基本土地タイプを持つ多色デッキにとっての救世主! そしてサイクリングを持っているのでゲーム終盤でも無駄ドローになりにくい!
というわけで各種フォーマットの多色デッキを支える友として大活躍した人気なサイクル、そのカラーバリエーション違いが5種追加される! これだけでもニューカペナが魅力的なセットであると断言できてしまうね。
これらの土地はトライオームと名はついていないが、ひっくるめてトライオーム・サイクルと呼ばれることにはなってしまうだろうね……呼びやすいからな。
新トライオーム、これは必ずや使われることになる。たとえばこんなデッキに。
1 《冠雪の森》 1 《冠雪の島》 1 《冠雪の平地》 1 《蒸気孔》 1 《繁殖池》 1 《寺院の庭》 1 《踏み鳴らされる地》 1 《神聖なる泉》 1 《聖なる鋳造所》 1 《ケトリアのトライオーム》 1 《ラウグリンのトライオーム》 4 《霧深い雨林》 2 《吹きさらしの荒野》 2 《樹木茂る山麓》 4 《溢れかえる岸辺》 2 《沸騰する小湖》 2 《耐え抜くもの、母聖樹》 1 《天上都市、大田原》 1 《反逆のるつぼ、霜剣山》 -土地(29)- 4 《敏捷なこそ泥、ラガバン》 1 《忍耐》 4 《創造の座、オムナス》 4 《孤独》 3 《激情》 -クリーチャー(16)- |
4 《豊かな成長》 4 《稲妻》 4 《表現の反復》 4 《冥途灯りの行進》 4 《虹色の終焉》 4 《広がりゆく海》 1 《エラダムリーの呼び声》 4 《レンと六番》 4 《時を解す者、テフェリー》 2 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(35)- |
1 《空を放浪するもの、ヨーリオン》
-相棒(1)- 2 《耐え抜くもの、母聖樹》 1 《ヴェクの聖別者》 3 《忍耐》 2 《夏の帳》 4 《否定の力》 2 《仕組まれた爆薬》 -サイドボード(14)- |
モダンの「ヨーリオン・オムナス」だ。白青赤緑と4色を要求するものの、稀代のカードパワーを誇る《創造の座、オムナス》を主役とし、相性の良い各種カードをちりばめて80枚デッキにして《空を放浪するもの、ヨーリオン》を相棒とした中速デッキである。
オムナスは土地を戦場に出すことで能力を誘発させられる。最大で1ターンに3回誘発させられて、肝となるのは2回目のマナを加えるもの。4マナも増えたらもう唱えられないものはないだろってレベルの加速っぷりで、この恩恵を受けるのにはモダンならではの土地がジャストフィット。《溢れかえる岸辺》など、生け贄に捧げることでライブラリーから特定の土地を戦場に出せる、通称フェッチランドだ。
これ1枚で土地が2回戦場に出ることになるので、オムナスのマナブーストも楽々享受可能というわけ。
そもそもがフェッチランド自体が2つの基本土地タイプのいずれかを持つ土地を戦場に出せる、多色デッキのマナ基盤をサポートするものである。そしてこれでトライオームを持ってくれば……無茶苦茶安定するってことだな。
カラーリングが合う《ラウグリンのトライオーム》《ケトリアのトライオーム》の2種が採用されているわけだが、この春からはここに《ジェトミアの庭》《スパーラの本部》が新たに加わることになる。枚数やどれを優先するかはまだまだ未知数だが、より理想のマナ基盤が組めるということで、オムナスなどの4色以上のデッキユーザーは今からワクワクしているはず。
オムナスのマナ加速をベースに、フェッチランドを使いまわす《レンと六番》やタップリのドローを提供する《精神を刻む者、ジェイス》に《表現の反復》、攻撃すればするほど有利になる《敏捷なこそ泥、ラガバン》などでアドバンテージを稼いで対戦相手を圧倒するのがこのデッキの戦い方だ。
赤と白に緑と、パーマネントへの対処に長けた色が集っているのでクリーチャーを中心に盤面の脅威を取り除き続けられるのがデッキの強みになっている。
中でも《虹色の終焉》は土地以外を対処可能という範囲の広さと、モダンという低マナ域に強いカードが揃う環境において1~2マナでそれらをサクッと処理できる手軽さはかなりの強みである。
4色デッキでかつ《豊かな成長》でその気になれば{B}も得られるため、かなりのパーマネントを処理可能なのは嬉しいところ。
この終焉と似通った除去が神河で登場、《冥途灯りの行進》だ。
こちらは支払われた色マナの種類ではなく支払ったマナの数を参照して対象を追放するので、終焉では対処不可能な重いカードにも手出しできる1枚だ。
このカードのマナの支払いは、手札から白いカードを追放することで2マナ分の代替コストとして支払うことが可能になっている。手札の枚数自体は損するが、緊急事態に選択肢があるのは喜ばしいことである。オムナスがダブついたら思い切ってコストに充ててしまうのも時に英断となるだろう。
そしてこの行進の何が強いかというと、インスタントであるということ。相手のターンに行動を見てから対処可能というのはやっぱり素晴らしいことだね。手札追放のコスト軽減と併せて、相手のターンに思いがけない一撃を喰らわせよう。
このデッキもまた前々回、前回のデッキと同じく神河の魂力土地の恩恵を受けている。
《耐え抜くもの、母聖樹》《天上都市、大田原》とパーマネント対処用のものに加えて、《反逆のるつぼ、霜剣山》も採用されている。
一見アグレッシブなデッキの最後の一押しに使うカードに見えるが、こういったコントロール寄りの中速デッキでも仕事をしてくれる。特に《時を解す者、テフェリー》などプレインズウォーカーを巡る攻防で、飛び出てすかさず攻撃できるという点はかなりの評価点。いざという時は2体分のブロック役にもなるし、なかなかにイカした1枚だ。
オムナスは伝説のクリーチャーなので、コスト軽減能力が機能し、《レンと六番》で拾って投げつけているだけでもコントロールデッキを倒してしまえるのも魅力的。魂力土地、マジで恐るべし。
現有戦力でもかなりの万能さとプレイしていての楽しさを両立する「ヨーリオン・オムナス」。80枚の宝箱に、ニューカペナは新たなきらめきをもたらしてくれるに違いない。少し気は早いが、春からの新しい風が吹くことが、いまからもう楽しみになってしまっているのだ。
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