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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ターボ独創力(ヒストリック)

岩SHOW

 マジックのデッキ名における一大派閥を紹介しよう。それは「ターボ」一派だ!

 ターボとは……加速するということ。マジックにおいて「ターボ○○」と呼ばれるデッキは、その名の通り何かを加速させている。

 「ターボ・ステイシス」というデッキはドローをひたすらに加速させて《停滞》を維持することを狙った。「ターボ・ランド」は《踏査》などで土地を戦場に出す回数を加速させて《どん欲の角笛》などで勝利する。「ターボ明神」は《食物連鎖》でマナを加速させまくる……と、ターボの意味することはデッキごとで異なるものである。

 つまり派閥であるとは言ってもターボ・デッキたちに共通点というものが必ずしもあるわけではない。初期ターボ・デッキは《吠えたける鉱山》などでドローを加速させるもの、加速だけでなく圧縮的な意味でのターボも兼ねている。

 鉱山がスタンダードから去ったことと、継続的なドローカードよりも爆発的なマナ加速の方がデッキの個性として目立つものとなってきたことで、近年ではある種のデッキの速度をより高めたものを「ターボ○○」と呼ぶようになっているかな。

 こんな導入だから今回のデッキも、もちろんターボデッキの1つ。『神河:輝ける世界』の参入で生まれた新しいヒストリックのデッキだ。

 ヒストリックはただでさえゲームスピードは速めで、ゲーム開幕と同時に畳みかけるデッキも多数存在する。そんな中でも特に速いのはコンボデッキ。対処されればリカバリーが効きにくく、そのまま押し切られるというリスクを背負っているがゆえに許された速度が武器である。

 そんなただでさえ早いコンボデッキに、通常のものよりももっと多くのマナ加速を搭載することでターボ・バージョンに仕上げたデッキが誕生した。ではそのリストをターボに見てみよう。

AlthMTG - 「ターボ独創力」
ヒストリック(BO1) (2022年2月18日)[MO] [ARENA]
7 《
4 《踏み鳴らされる地
4 《落石の谷間
4 《根縛りの岩山
4 《岩山被りの小道
2 《反逆のるつぼ、霜剣山

-土地(25)-

4 《セラの使者

-クリーチャー(4)-
4 《一攫千金
4 《新緑の命令
4 《入念な栽培
4 《鏡割りの寓話
4 《珠眼の寺守り
4 《異形化
4 《不屈の独創力
3 《反逆の先導者、チャンドラ

-呪文(31)-
AlthMTG氏のTwitter より引用)

 

 ヒストリック・プレイヤーであればリストに1種4枚のみクリーチャーが採用されている時点でどのデッキかはわかるだろう。《不屈の独創力》デッキだ。

 デッキ内にクリーチャーやアーティファクトであるトークンを生成するカードをたっぷりと用意し、それらを対象に《不屈の独創力》。

 ライブラリー内の唯一のクリーチャーである《セラの使者》が戦場に出て、インスタントやソーサリーを指定することで対戦相手の除去に対する耐性を与え、2体以上同時に出るならクリーチャーやプレインズウォーカーといった相手の勝ち手段も指定することで、プレイヤーも不死身の存在に。対戦相手のすべてを否定したうえでパワー7で攻撃して終わらせるというコンボデッキである。

 独創力と同様の働きをする赤のカード、そしてトークン生成とドローや打ち消しといったコンボサポートに長ける青の2色を中心に、《セラの使者》を素で唱えられるように白マナも出るようにしたジェスカイ・カラーのデッキが一般的ではあるが……この「ターボ独創力」はまさかの2色目が緑である。これまでに見たことがないこの組み合わせに至った理由は、そう、神河でこのデッキと噛み合う緑のカードがリリースされたからだ。

 神河の緑のカードが生成する、緑マナを加える能力を持っている人間・トークン。《入念な栽培》の魂力と《珠眼の寺守り》のⅠ章能力がこれを供給する。

回転

 独創力と《異形化》の対象になり使者へと変身するクリーチャーが、それらの呪文を唱えるためのマナ加速を兼ねるというのが「ターボ」というわけだな。

 緑を相方に選べるようになったことで対象を2つ用意し、また同時に別のことも行える便利インスタント《新緑の命令》を用いることができるのも大きいプラス要素だ。

 コンボ成立が難しい時にはこれらのトークンで攻撃するという勝ちパターンもあり、特に《珠眼の寺守り》はクリーチャーを強化しつつ自身もクリーチャー化するので、これで攻撃したりクリーチャー化したこれを対象にソーサリーを唱えたりと動きのバリエーションが豊富だ。

 《珠眼の寺守り》以外にもクリーチャー化する英雄譚の姿が。《鏡割りの寓話》だ。

回転

 《キキジキの鏡像》となったらクリーチャーをコピーできるので、戦場に出たばかりの《セラの使者》をコピって即攻撃→次のターンにまたコピーの2体で殴って計21点とコンボ成立から勝利までのラグをかなり緩和してくれるカードになっている。勝つのも早いって意味でこれもまたこのリストがターボたるゆえんとなっている。

 同時に、この寓話もまたトークンを生成するカードである。ゴブリンを生成するが、これが攻撃すると宝物まで生成される。これもまたマナがターボであり、トークンが並べば並ぶほど《不屈の独創力》の対象が増えて《セラの使者》軍団で盤石の戦場を創り出せる。

 Ⅱ章能力もコンボパーツを引き込むための手札入れ替えと、至れり尽くせりだ。3マナとヒストリックで用いるには少し重めに見えるかもしれないが、意外や意外、この英雄譚はかなりのターボなヤツのようだよ。

 《反逆のるつぼ、霜剣山》も加わり、あらゆる方法で非クリーチャーカードからクリーチャーを用意できるようになったヒストリックの《不屈の独創力》デッキ。ビートダウンプランを重視して《大修道士、エリシュ・ノーン》で仕留める形のデッキも、今回の神河で強化されているってことで……これからはトークンを出してくるデッキに要注意だなぁ。本気で《悪性の疫病》とか使ってみる時代が来たのか?

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