- HOME
- >
- READING
- >
- 岩SHOWの「デイリー・デッキ」
- >
- このタイミングで新機軸? マルドゥ・ホーンティング!(スタンダード)
READING
岩SHOWの「デイリー・デッキ」
このタイミングで新機軸? マルドゥ・ホーンティング!(スタンダード)
すっかり新セットの情報に注目してしまう時期がやってきた。次は神河ということもあって、いつも以上にそのムードが高まってくるよね。
で、こういう現行セットの末期というタイミングは、どうしてもスタンダードの注目度は下がってしまいがちである。十分な時間が経過し、各セットのカードの強さやそれらの組み合わせがもたらす化学反応は研究され尽くし、目新しいデッキというものが出てくることがなくなるからだ。時間の流れには逆らえないからなぁ、こればっかりはしょうがない。
逆に末期の煮詰まったスタンダード、奇抜なデッキチョイスや新しい発明で勝利するのではなくやり込んだデッキでのプレイングでがっぷりぶつかり合うというのが好きなプレイヤーも珍しくない。
そんなわけでこの時期はスタンダードのデッキを取り上げることは減ってしまうのだが……今回は例外だ。なんとこのド末期に、スタンダードに新しいアプローチのデッキが登場した。
そんなわけで焦らさず早速リストを見てみよう!
2 《平地》 1 《沼》 4 《砕かれた聖域》 4 《陽光昇りの小道》 2 《日没の道》 4 《針縁の小道》 2 《憑依された峰》 4 《荒廃踏みの小道》 -土地(23)- 3 《ドーンハルトの殉教者、カティルダ》 3 《月恵みのクレリック》 -クリーチャー(6)- |
4 《石成の荒廃》 4 《厄害のルーン》 4 《速度のルーン》 4 《持続のルーン》 2 《監禁の円環》 2 《仮初めの時間》 4 《神聖なる憑依》 4 《スカルドの決戦》 3 《食肉鉤虐殺事件》 -呪文(31)- |
4 《蝋燭罠》 3 《パラディン・クラス》 2 《監禁の円環》 4 《ヴァラクートの探検》 2 《仮初めの時間》 -サイドボード(15)- |
これは……土地、クリーチャー、そしてエンチャント!
おびただしいエンチャントで構成されていることで、これがテーマだというのがよくわかる。イニストラード系セットでは呪いや降霊など、エンチャント・カードが豊富。それとシナジーを形成するカードも取り揃えられているので、エンチャントをメインテーマにしたデッキは組もうと思えば組める。むしろ今日まであまり表に出てこなかったことの方が不思議かも?
というわけで「マルドゥ・ホーンティング」の登場だ。ホーンティング/Hauntingとは英語で「憑依」のこと。すなわち、デッキのキーカードである《神聖なる憑依》のことだ。
エンチャントを唱えればスピリットを生成、このスピリットは同種族の数をカウントしその数に等しいパワー/タフネスになる。エンチャントを唱えて唱えて、どんどんスピリットを戦場に送りだせば数もサイズもえらいことになってしまう。
さらにエンチャントの数が7を超えると飛行と警戒も付与。どんなクリーチャーデッキとも殴り合える、不滅の霊魂軍団を結成しようというロマンあふれる神話レアだ。《神聖なる憑依》の持つ価値を最大限に引き出すため、このような尖ったバランスの構成に至ったというわけだね。
また憑依とともにエンチャントを打点に変換するカードとして《ドーンハルトの殉教者、カティルダ》も用いる。
彼女はエンチャントの数に等しいパワー/タフネスに飛行と絆魂というこれまた殴り合いどんとこいなガッツあふれる仕様。またスピリットでもあるので、憑依から湧いてきた面々を強化する役目も兼ねていると言える。
彼女のサイズはエンチャントだけでなくスピリットもカウントするので、これらはばっちり共生関係と言えるね。破壊や生け贄などという形で除去されたら、墓地から降霊で彼女と同じ能力を与えるオーラになる。スピリットに対して降霊するというのはなんともシュールだが、ある種の除去耐性があるのはありがたい。
憑依とカティルダ、二大巨塔を活かすにはとにかくエンチャントを詰め込んだデッキにする必要がある。そこでこのデッキが出したアンサーが……「ルーン」の採用だ。
ルーンはそれがつけられたパーマネントに、戦闘に関するキーワード能力を与える。クリーチャーか装備品に付けることで真価を発揮するのだが、実はルーンをつけるパーマネントのタイプには制限がない。つまり、土地にだってつけられる。
というわけで序盤はルーンをとにかく土地に貼っていく、そんなゲーム展開になることだろう。絆魂や速攻を与えることに意味はないが、ドローができるので手札が減らない。これで土地やその他必要なカードを引き込む、いわゆるデッキ圧縮の役目を担っている。
そして同時に、《神聖なる憑依》&《ドーンハルトの殉教者、カティルダ》のエンチャント・カウントを増やすといういぶし銀の仕事ぶりを見せてくれる。
もちろん憑依やカティルダが機能し始めたら、これらのスピリットに能力を与えて戦闘を有利に進める、本来の使い方をしても良し。
ルーンと同じく土地に付けられる《石成の荒廃》は3色である自デッキのマナ基盤のサポートとしても使えるし、クリーチャー化する各土地への除去的な役割も担う。
特にカティルダの降霊を防ぐ《目玉の暴君の住処》は許しちゃいけない、全力で阻止しつつドローでライブラリーを掘り進み、勝利へと向かうキーカードを引き込むべし!
まさかまさかの環境末期にエンチャントをテーマとした目新しいデッキに遭遇するとは。しかもルーンの使い方が固定観念から逸脱した新しい世界観! こりゃあカッコいいよなぁ、やっぱりデッキ構築は諦めないと何かが生み出される。そんなことを再確認させてくれる、良いリストだったなぁ。
皆も環境末期だからこそ新しいアプローチ、狙っていくのを意識するとマジックがより楽しめるかも? やってみようぜ! もちろん神河産のエンチャントも要チェックだ!
RANKING ランキング
-
コラム
スクウェア・エニックスで「マジック体験会」を開催!?『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』に向けたインタビューも|企画記事
-
広報室
年末年始もマジックづくし!「お年玉キャンペーン」&「プレマ&スリーブゲット!年末/年始スタンダード」開催決定|こちらマジック広報室!!
-
戦略記事
ラクドス・サクリファイス:クリーチャーともう一つの生け贄要員(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
戦略記事
とことん!スタンダー道!まさかまさかの複製術、コピーされ続ける先駆者(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
戦略記事
今週のCool Deck:ロータス・コンボ、遂にアリーナにて始動!(パイオニア)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
NEWEST 最新の読み物
-
2024.12.26広報室
2025年1月より「プレインズウォーカー・フレンドリーマッチ(PWFM)」新シーズン!その他イベント情報更新も|こちらマジック広報室!!
-
2024.12.25戦略記事
師走のサプライズ!物あさり復活、今こそホロウワン(モダン)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.24戦略記事
リザード・バーン:紙のトカゲは冬眠しない(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.23戦略記事
グルール&ボロス、赤いアグロとダメージ呪文(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.20戦略記事
今週のCool Deck:ロータス・コンボ、遂にアリーナにて始動!(パイオニア)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.20読み物
第51回:0から始める統率者戦|クロタカの統率者図書館
CATEGORY 読み物カテゴリー
戦略記事
コラム
読み物
BACK NUMBER 連載終了
- Beyond the Basics -上級者への道-
- Latest Developments -デベロップ最先端-
- ReConstructed -デッキ再構築-
- Daily Deck -今日のデッキ-
- Savor the Flavor
- 射場本正巳の「ブロールのススメ」
- 津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ
- 浅原晃の「プレミアイベント三大チェックポイント!」
- ガフ提督の「ためになる」今日の1枚
- 射場本正巳の「統率者(2017年版)のススメ」
- かねこの!プロツアー食べ歩き!
- ロン・フォスターの統率者日記
- 射場本正巳の「統率者(2016年版)のススメ」
- マアヤのマジックほのぼの日記
- 金子と塚本の「勝てる!マジック」
- 射場本正巳の「統率者(2015年版)のススメ」
- 週刊連載インタビュー「あなたにとってマジックとは?」
- なかしゅー世界一周
- 中村修平の「デイリー・デッキ」
- 射場本正巳の「統率者(2014年版)のススメ」
- 中村修平の「ドラフトの定石!」
- 浅原晃の「プロツアー観戦ガイド」
- 鍛冶友浩の「プロツアー観戦ガイド」
- ウィザーズプレイネットワーク通信
- Formal Magic Quiz
- 週刊デッキ構築劇場
- 木曜マジック・バラエティ
- 鍛冶友浩の「デジタル・マジック通信」
- 鍛冶友浩の「今週のリプレイ!」
- 渡辺雄也の「リミテッドのススメ」
- 「明日から使える!」渡辺リミテッド・コンボ術
- 高橋優太の「このフォーマットを極めろ!」
- 高橋優太の「このデッキを使え!」
- 黒田正城の「エターナルへの招待」
- 三田村リミテッド研究室
- 新セットめった切り!
- シングルカードストラテジー
- プレインズウォーカーレビュー
- メカニズムレビュー
- その他記事