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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
緑単アグロ:群れを率いる狼など、新戦力加入!(スタンダード)
さあ、今回からようやく『イニストラード:真紅の契り』オンラインでのリリース後に登場したデッキを取り上げていこう!
お待たせしましたというか、やり込んでいる人にとっては今さらかもしれないが、初心者や多くの方にとって構築フォーマットへの導入になるコラムを目指しているので、そこはご了承いただけるとありがたい。
挨拶はここらにして、新セットが及ぼした影響を見てみよう!
今回はスタンダード。前セットリリースからわずか2か月と短いスパンで新カードが加わることになったこのフォーマット。となると、『イニストラード:真夜中の狩り』環境における強力デッキをベースとしたものが環境最初期に台頭するのはごく自然な流れだ。
新セットがMTGアリーナでリリースとなったその週末に開催された「Red Bull Untapped 2021 International Stop IV」。1000名近くのプレイヤーが参加したこの超大規模なオンライン・トーナメントの結果は、環境の第一印象を確認するのにうってつけ。
今回は同大会の上位入賞デッキの中から、前環境にも存在し、新カードでより強化されたデッキを紹介しよう!
18 《冠雪の森》 4 《不詳の安息地》 -土地(22)- 4 《隆盛な群れ率い》 4 《冬を彫る者》 4 《群れ率いの人狼》 4 《カザンドゥのマンモス》 4 《老樹林のトロール》 2 《墓所のうろつくもの》 2 《ウルヴェンワルドの奇異》 -クリーチャー(24)- |
4 《吹雪の乱闘》 2 《蛇皮のヴェール》 3 《レンジャー・クラス》 1 《豊穣の碑文》 3 《エシカの戦車》 2 《レンと七番》 -呪文(15)- |
2 《タジュールの荒廃刃》 1 《辺境地の罠外し》 1 《野生の魂、アシャヤ》 1 《戦闘マンモス》 1 《フロギーモス》 1 《トヴォラーの猟匠》 2 《蛇皮のヴェール》 2 《貪る触手》 2 《豊穣の碑文》 2 《絡み罠》 -サイドボード(15)- |
まずは前環境のアグロ代表・緑単から。
《老樹林のトロール》《エシカの戦車》と同コストにおけるクリーチャーとして最強クラスの働きを見せるカードに恵まれたこのカラー。
その分厚いラインを2マナのマナ・クリーチャーで安定して運用し、『イニストラード:真夜中の狩り』では《不自然な成長》という超必殺技も得て爆発力は文句なく環境最強クラス。
このデッキに加わった新カードは、待望の1マナ圏である《隆盛な群れ率い》!
これまで緑単には1マナでパワー2以上のクリーチャーという枠だけが空いていた。なので1マナのクリーチャーをそもそも不採用にするリストが多かったのだが、その席にこの新たな狼はすっぽり収まることになった。
待望の1マナでナチュラルにパワー2はもちろんのこと、4マナ以上の呪文を唱えれば+1/+1カウンターを得るので《エシカの戦車》などで後から強化が可能。
さらに、しでに4マナ以上のパーマネントが出ているならこのカウンターが置かれて3/2として扱えるので、後から引いてきても最低限の戦力としての仕事を果たしてくれるだろう。特に後手番の際に1ターン目からクリーチャーを出せることの意味は大きく、「緑単アグロ」の序盤の安定感をさらに高めてくれたと言えるだろう。
そんな群れ率いと相性が良い4マナの呪文として新たに加わるのが《ウルヴェンワルドの奇異》!
かつての《探索する獣》を思わせる4マナ4/4速攻で、さらにトランプルも持っており攻撃性は抜群。《レンジャー・クラス》のレベル2で強化してモリモリとダメージを与えていきたい。
速攻というオプションが加わったことで、特にコントロールデッキに対しての耐性が大きく上昇。《老樹林のトロール》のトークン生成、普段は非クリーチャーな機体の《エシカの戦車》、《不詳の安息地》《ハイドラの巣》とクリーチャー化する土地と、強力なスタッフが結集しているおかげで、もともとコントロールデッキの《ドゥームスカール》《家の焼き払い》といった全体除去への耐性も高かった「緑単」。手札からすぐさま殴りに行く速攻持ちでしかもパワー4の《ウルヴェンワルドの奇異》はさらなる脅威として躍動することだろう。
土地ばかり引いてマナがあふれかえってしまう、いわゆるマナフラッド状態に陥っても、《ウルヴェンワルドのビヒモス》に変身させて無駄なくダメージに繋げられるのは嬉しい。
新たなる墓地対策サイクルである『イニストラード:真紅の契り』の神話レアクリーチャーたちの中から、緑の《墓所のうろつくもの》は特に優秀に見える。
戦場に出ても攻撃しても誘発するので、1枚で複数枚のカードを追放してフラッシュバックなどの再利用を防ぐ。
さらにそれらのカードを参照してコストを軽減させる能力は……使ってみたところ、このリストではそれほど大きな効果を体験はできなかった。《老樹林のトロール》は不特定コストを持っていないし、《吹雪の乱闘》はこれ以上軽くならないし、と(笑)。
でも、言うまでもなく活きてくれる場面もあるので、もらえるオマケは何でも黙ってありがたく頂戴すべしだ。スペックも戦闘向きで、メインデッキから採用しやすいのが素晴らしいね。他の墓地対策サイクルもどれぐらい戦えるか気になるところ。
同大会の参加デッキリストでは他にも新カードが使われていたので取り上げよう。
《隠遁した剥製師》は、いわゆるマナ・クリーチャー。
緑単で用いられるものには2マナ圏で《水蓮のコブラ》《冬を彫る者》《絡みつく花面晶体》と選択肢がある。剝製師は墓地にクリーチャー・カードが4枚以上あると4/4になるというオプションでこれら先達との差別化を図っている。素でパワー2あることの方が重視されるとは思うが、コブラや彫る者に追加の5枚目として採用する分には悪くないチョイスに思えた。消耗戦の末に引いてもガッカリしないのは好評価。
他にはサイドボードに《アヴァブルックの世話人》を採用しているリストも。
コストは6マナとアグロデッキで使うには重めだが、機能しだすと手が付けられないかなりデンジャラスなクリーチャーだ。マナが伸びることが想定できるマッチアップでサイドインして、その圧倒的なフィニッシャーっぷりを体感するのも一興だね。
以上のように、デッキの目指す方向や根幹などには変化はないが、新カードの恩恵を確実に受けた緑単色のアグロデッキ。今まで以上に気をつけなければならない、スタンダードの中心デッキとなりそうだ。
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