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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

スパイシーなヴァラクートデッキ! ホットな構築で温まろう(モダン)

岩SHOW

 急に寒くなってきたね。こんな時期には身体が何を求めるか……そう、ホットなものに違いない。

 食事は温かいものが特に美味しく感じる、ついでに言えばスパイシーなものが良いね。神経に働きかけて芯から温まるような、スパイスカレーとか鍋物とかが食べたくなるね。

 そうやってお腹から暖をとったら、次は脳へのスパイスを得る時間だ。プレイしていると刺激的で思わず心身ともに温まってしまう、そんなデッキがあれば冬への切り替わりもバッチリ乗り切れるだろう。

 ちょうど良いタイミングでホットでスパイシーなデッキを見つけたので、今日はこいつを味わっておくれ!

Devon O'Donnell - 「独創力ヴァラクート」
モダン (2021年10月26日)[MO] [ARENA]
1 《
4 《ドワーフの鉱山
2 《聖なる鋳造所
2 《蒸気孔
2 《踏み鳴らされる地
2 《ケトリアのトライオーム
1 《ラウグリンのトライオーム
3 《乾燥台地
4 《沸騰する小湖
4 《樹木茂る山麓
3 《溶鉄の尖峰、ヴァラクート
-土地(28)-

4 《原始のタイタン
-クリーチャー(4)-
3 《堅固な証拠
3 《一攫千金
2 《稲妻
4 《探検
4 《虹色の終焉
4 《不屈の独創力
4 《レンと六番
4 《時を解す者、テフェリー
-呪文(28)-
1 《
3 《花咲く沈静
3 《狼狽の嵐
3 《夏の帳
3 《霊気の疾風
2 《活性の力
-サイドボード(15)-
Devon O'Donnell氏のTwitter より引用)

 

 モダンの《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》デッキ。このアーキタイプはバリエーションに富んでいるのだが、このリストはそれらの中でも特段にスパイシーな仕上がりになっている。

 ヴァラクートデッキの基本線である《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》と6つ以上の山タイプを持つ土地を戦場に並べて、3点ダメージをどんどんと叩き込んで勝利するというのは変わらない。そして、それを達成するために土地を戦場に直接出す能力を持つ《原始のタイタン》を用いるのも一般的だ。

 しかしながらこのデッキは、そのタイタンを得るための方法がユニークでここにスパイスが効いている。《探検》から土地を伸ばして手札から素出ししても良いのだが、6マナ揃うまで待ち続けるのもおとなしすぎる。そこでライブラリーから戦場に直出し!《不屈の独創力》の出番だ!

 このデッキはクリーチャーおよびアーティファクト・カードをタイタン4枚のみに留めている。そうすることで、独創力を唱えると確実にタイタンを戦場に出すことが可能だ。

 ただこの独創力自体、まずは対象にして破壊するクリーチャーかアーティファクトが必要になる。その餌を提供するのが各種トークン生成カードだ。

 まずはデッキにバッチリ噛み合う《ドワーフの鉱山》。

 山タイプの土地で固められているデッキなので問題なく使用できるし、この土地もまたヴァラクートを誘発させる。トークンを得るためにマナを使用しないのでスムーズに独創力に繋げられる。

 ソーサリーになると《一攫千金》、これは宝物を生成するのでマナ加速としてタイタンをいち早く出すのを助けてもくれる。

 《堅固な証拠》はカニと手掛かりの2つのトークンを生成し、序盤のブロック役やドローも兼ねる。

 1枚で2つのトークンということは、タイタン2体を引っ張り出していきなり土地4枚ドカドカ並べるのは最高に気持ちがいい。もちろんタイタンからタイタンに繋げて一気に山の枚数を増やし、ヴァラクート大量噴火を狙ってもいい。臨機応変にホットに暴れていこう。

 ヴァラクートデッキの弱点は、土地をある程度並べたは良いが肝心のタイタンやそれに繋げるカード(今回は《不屈の独創力》)を打ち消されたり、あるいは下準備中に捨てさせられるとお手上げという点。

 これはまあ、あらゆるコンボデッキがそうだったりするのだが、土地コンボはなおのことこれが目立つもの。なのでしっかりとこの弱点をケアしなければならない。

 打ち消しに対しては《時を解す者、テフェリー》が良いアンサーになる。

 相手の呪文がすべてソーサリー・タイミングになるということは、打ち消しのみならず《致命的な一押し》などの除去をこちらのターンに撃たれる心配もないということ。《不屈の独創力》で対象にしたトークンへ除去を撃たれて立ち消えに……ということも防げて、臆することなくタイタンのスパイシータイムを楽しめる。

 サイドボードには《夏の帳》という青黒への完璧なアンサーがある。

 打ち消しを防ぎつつ呪禁でプレイヤーも護れるので、《思考囲い》などの手札破壊もばっちりカバー。これらのパワーカードを使えるというのはモダンという懐の深いフォーマットならではだなぁ。

 プレイヤーを護るという点では《花咲く沈静》も味わい深い。

 手札破壊対策のみならず、本体への《稲妻》などを避けつつライフを回復でき、しかも反復で2回唱えられるというのが素晴らしい。同じような役割としては《神聖な力線》との比較になるが、初手にないといけない力線とは違って、後から引いてきても無駄にならないという点を評価しての採用だろう。スパイシーでホットな体験には、このような堅実な下地が必須だってことだね。スパイスだけでなく出汁や各種調味料をバランスよくまとめてこそ美味しく温まれるってなもんだ。

 《原始のタイタン》を《不屈の独創力》で引っ張り出し、《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》をドカドカと噴火させて圧倒的に勝利する「独創力ヴァラクート」。今日は冷えるなぁって日にはこういうデッキで気持ちから温まろう! さて、今夜もあったかいコーヒーでも飲みつつマジックやろうか。

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