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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
新カードが少なくても……大丈夫! エスパー・ダンジョン(スタンダード)
マジックプレイヤーであれば、新セットがリリースされた際にはまずパックを剥きまくってカードを手に入れる!……というわけでは必ずしもないだろう。
リミテッドをコツコツ続けてカードを集める派のプレイヤーもいるし、マジック以外にも趣味があったり入り用があればパックを買いまくるということは難しくなってくる。
僕もそれなりに趣味が多いので、それらのシーズンが重なってしまうとマジックのみにオールインというわけにもいかなくなってくる。MTGアリーナであれば日々プレイを続けていればそれなりにパックやレアが手に入るので、根気強くやれば無課金でもいつかは欲しいレアを揃えることも可能だろう。
ワイルドカードという任意のレアリティのカードと交換できるアイテムを使ってデッキを完成させることが近道ではあるのだが、このワイルドカードも入手できる数は限られるので、なるべく本気で欲しいカードのために消費したい……というわけで、ローテーション後にパックをあまり剝いていない、新レアを揃えられていないという理由でスタンダードをプレイしていない方も少なからずいるはずだ。
ただ、ローテーション後、環境に君臨するデッキが定まり切っていないスタンダードというのは実に楽しいフォーマットなので、なるべく多くの方にプレイしてほしいという願いもある。ではどうするか?
ここでご提案。前スタンダードのカードをそれなりに所持していたのであれば、それで大丈夫!と。ローテーション後は何も新セットのカードを使うのが義務というわけではない。もちろん加えた方が新しいゲーム体験は味わえるものだが、既存のセットでローテーション前にスポットライトが当たらなかったカードやメカニズムを活かすという形でも、十分に新体験は堪能できる。
例えば……ひとつ前のセット『フォーゴトン・レルム探訪』のカードなら結構持ってるよ!というプレイヤーにはこんなデッキがオススメだ!
2 《平地》 4 《さびれた浜》 4 《連門の小道》 4 《陽光昇りの小道》 4 《難破船の湿地》 4 《清水の小道》 2 《目玉の暴君の住処》 -土地(24)- 4 《光輝王の野心家》 4 《勝利した冒険者》 4 《ユアンティの呪われし者》 4 《無私のパラディン、ナダール》 3 《傑士の神、レーデイン》 -クリーチャー(19)- |
4 《パラディン・クラス》 2 《ポータブル・ホール》 4 《戦闘講習》 3 《エメリアの呼び声》 4 《情け無用のケイヤ》 -呪文(17)- |
2 《未練残り》 2 《パワー・ワード・キル》 2 《食肉鉤虐殺事件》 1 《過去対面法》 1 《拡張解剖学》 1 《墨獣召喚学》 1 《マスコット展示会》 -サイドボード(10)- |
メインデッキにおける新カードは2色土地のみ、どちらかといえば『フォーゴトン・レルム探訪』のカードが主役の「エスパー(白青黒)ダンジョン」だ。
主役となっているのはもちろん、ダンジョンの部屋能力! ダンジョン踏破に向けて突き進んでいく能力を持ったクリーチャーが3種12枚。これらで攻撃しながらダンジョンの部屋を突き進み、各部屋で誘発する能力でゲーム展開を有利に進めていく。
中でも注目の1枚が《ユアンティの呪われし者》。2マナで単独攻撃すればブロックされないという最強クラスの回避能力持ちである。
《エシカの戦車》《硬鎧の大群》に見られる横並び戦術、《レンと七番》のツリーフォークによるサイズと到達の鉄壁などを意識したところ、このユアンティの回避に注目したと製作者のコメントが。これを強化して確実に通るダメージを増やしつつ、突入していくダンジョンによってダメージを伸ばしたり相手の攻撃を受け流したりしつつゲームエンドまで立ち回る。それがこのデッキのメインシナリオだ。
《ユアンティの呪われし者》に限らず先制攻撃と接死という攻めっ気あふれるスペックの《勝利した冒険者》や、警戒で攻防一体の《無私のパラディン、ナダール》などでダメージを刻みながらダンジョンに潜るために、重要なのがクリーチャー強化である。
まず白でクリーチャーデッキであれば、というお馴染み枠の《光輝王の野心家》。
これで毎ターン強化されるのはどんなプレイヤーでも嫌がることなのでまず除去の的になるが、それならそれで結構。本命はダンジョン組だからね。生き延びれば本当にゲームを終わらせてくれるだろう。
同じく毎ターンジワリとサイズを上昇させる《戦闘講習》は講義・カードも得られてアドバンテージが取れるとても強力なカードで、ローテーション後の今こそその真価を発揮することだろう。
これら単体を連続して強化する手段に加えて、全体をまとめて強化する《パラディン・クラス》も併用し、クリーチャーサイズで完全に押し負けるという事態は起こりにくいように構築されている。
うっかりこれがレベル3になれば、二段攻撃持ちの《ユアンティの呪われし者》という本物の恐怖が襲い掛かることになる。
デッキのディフェンス面は《情け無用のケイヤ》が主に担当している。
除去であり、かつこちらのクリーチャーへの除去対策となる彼女も、前環境からの移行によりそのポテンシャルをもっと発揮できる状況にあるはずだ。
前から持っていたけど誰も使ってなかったから自分も使わなかった、でも気になっていた……こんなカードは少なくないはず。今こそそれらを試さないでどうする、活躍させてあげないでどうすると。持っていたけど使わなかったカードとはローテーション後の宝の山と言っても、決して過言ではないのだ。ケイヤに限らずなんでも、一度は使うべし!
サイドボードは10枚と不自然に少ないが、製作者本人のコメントによるとこの足りない5枚は将来的な環境に合わせて必要なものを入れられるフリースロットということのようだ。
つまりは講義と除去、そして除去デッキに対する《未練残り》はある程度アグロやコントロール相手に必要な幅広く使えるカードという証明なのかもしれない。あと5枚何を加えるか、実際に使用する直前に遭遇したデッキをイメージしながら埋めていくというのも楽しい作業になりそうだ。
新カード、新メカニズムを極力用いずにデッキを組んでも、これだけ魅力的なものが組みあがる。皆も自分の手持ちでできることを考えて、自分に合った無理のない範囲でスタンダードを楽しんでみても良いんじゃないだろうか。そういったデッキでプレイしているうちに、いつの間にか新カードは集まってくるものだ。何よりも大事なのは、楽しみながら日々プレイを重ねることだろうね。
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