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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
ジャンド・マッドネス:手札は投げ捨てるもの(レガシー)
ヒストリックで最近、《虚ろな者》にハマっている。
捨てたカードの枚数分コストが軽減されるので、2枚捨てると1マナで4/4。《信仰無き物あさり》から2ターン目に展開すると、《致命的な一押し》《稲妻のらせん》といった環境の低コスト除去では落ちない安心ボディでどんどんと攻めていけて楽しい。
捨てるカードにはマッドネスがついていればなおよく、マナが不要な《猛火のルートワラ》とはベストコンビネーション。
カードを捨てるという本来デメリットである行動を、むしろポジティブなことに変換してくれるこのコンビが愛おしくってね。
そういえばモダンでは《信仰無き物あさり》が使用できないので、この理想の2ターン目の動きはモダンでは味わえないものになっている。その分、モダンには《燃え立つ調査》があるので、幸運にも恵まれれば1ターン目に《虚ろな者》をコスト{0}で複数枚、なんていう異次元の展開も味わえたりする。
ということは、物あさりも調査もどちらも使用可能なレガシーでは……そう、1ターン目ブン回りも2ターン目安定も、どちらの動きも可能。さらにはマッドネスや墓地利用系のカードの種類も豊富なので、それはもうとんでもないことが……
今日はヒストリックで《虚ろな者》とマッドネスの楽しさにハマった人に遊んでほしい、レガシーのデッキを紹介だ!
2 《山》 2 《Badlands》 2 《Taiga》 4 《血染めのぬかるみ》 4 《樹木茂る山麓》 -土地(14)- 4 《日を浴びるルートワラ》 4 《猛火のルートワラ》 4 《朽ちゆくインプ》 4 《エインジーの荒廃者》 4 《復讐蔦》 3 《憤怒》 4 《虚ろな者》 1 《アゴナスの雄牛》 -クリーチャー(28)- |
4 《ライオンの瞳のダイアモンド》 4 《燃え立つ調査》 4 《信仰無き物あさり》 2 《ギャンブル》 4 《むかしむかし》 -呪文(18)- |
4 《フェアリーの忌み者》 4 《炎の嵐》 2 《骨の破片》 1 《鋭い痛み》 2 《基盤砕き》 2 《精神壊しの罠》 -サイドボード(15)- |
レガシーの「ジャンド・マッドネス」。手札を捨てる赤に、さらに追加の捨てる要素としての黒、そして手札を捨てることをより強烈なアクションへと繋げる緑の3色からなるアグレッシブなデッキだ。
1ターン目から積極的に手札を捨て、マッドネスなどを駆使してクリーチャーを展開して勝つ。戦術はそれだけ、ごくごくシンプルな構成だ。一切の無駄を削ぎ落したからこそ、その潔さはこのデッキに深みを与えている。
《燃え立つ調査》《信仰無き物あさり》の二大手札処理ソーサリーに加えて、ランダムではあるが《虚ろな者》を持って来て理想の1ターン目を演出し得る《ギャンブル》、自身も戦闘員として働く《朽ちゆくインプ》と手札を捨てる手段、通称「共鳴者」はたっぷり。
その中でも群を抜いているのがマナ・コストが驚異の{0}の《ライオンの瞳のダイアモンド》!
マナなしで手札をすべて捨てることができてしまい、しかもマナを得られる。大抵の場合はそのマナの使い道がないものなのだが、このデッキにはマッドネスがある。
また、《むかしむかし》を唱えて解決する前に手札を捨ててマナを得て、その後手に入ったクリーチャーを唱えるために3マナを使うというのも可能で、このアーティファクトが生み出すマナには見た目以上に使い道がある。
さて、ザクザクと手札は捨てられる。ではそれを活かすカードを確認だ。《虚ろな者》はもちろんのこと、彼とともに戦場に出るかわいいトカゲ《猛火のルートワラ》は、レガシーではその偉大な先輩である《日を浴びるルートワラ》との共演が可能だ。
たとえ素では1/1とはいえ、マッドネス{0}はどう考えても強い。
これ単体でも戦力になるのだが、そのコストの軽さを利用して《復讐蔦》と組み合わさるともはや祭り。
各種共鳴者でルートワラたちと蔦を捨て、ルートワラや《虚ろな者》などのクリーチャー呪文を2回唱えることで蔦を墓地から戦場へ戻す。2体以上戻ってきて速攻で4/3が殴る光景は圧巻の一言。アグロデッキの形をしたコンボと把握するのが正しいのかもしれない。虚ろ・ワラ・蔦の軍団には気を付けようとしたってどうしようもないゲーム展開もあるわなぁ。
ルートワラたちと同じくマッドネス持ちなのが《エインジーの荒廃者》。
これもまた共鳴者であり、攻撃すると手札をすべて捨てるという豪快さ。そしてその後にカードを3枚引く。3枚も? そう、3枚も。一度攻撃すればダイアモンドのための損失など一瞬で戻ってくるがっつりアドバンテージっぷりは他に類を見ないもので、スタートダッシュだけに見えるデッキに持久力ももたらしている。おいおい100メートル走の選手がマラソンやってるぜと言いたくなるもんだよ。
手札がカラの時に《ギャンブル》を引いてきたら、エインジーを持ってきてそのまま捨ててマッドネスで唱えるのが最強ムーブではないかな。
すべてのクリーチャーに速攻を与える《憤怒》の存在もこのデッキの強さを高めている。
どれだけクリーチャーを並べても、攻撃する前に相手がコンボを決めてきては意味がない。逆に全員が速攻を得れば、1ターン目に20点なんてのも不可能な話ではない。そもそもが真面目に細かくやっていって勝てるようにできているデッキではない。バーンと行って、ダメな時はしょうがない。そうじゃなけりゃこっちが押し切って勝てる。そういうポジティブな開き直りによって成り立っているデッキだ。
いつもじっくりと考え慎重に動くデッキを使うことが多い人は、たまにはこういうデッキをぶっ放してみるのもいい気分転換になるんじゃないかな。
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