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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
人間デッキのバリエーションと新戦力(ヒストリック)
前回に引き続き、今回もフォーマットはヒストリックにて開催されたアリーナ・オープンにて用いられたデッキリストを紹介しよう。
今日は共通のテーマに基づくリストを2つ、基本型と発展型という具合に見てもらえればと。では早速、まずは基本と言えるリストから見ていこう!
18 《冠雪の平地》 4 《不詳の安息地》 -土地(22)- 4 《エスパーの歩哨》 3 《無私の救助犬》 2 《不屈の護衛》 2 《巨人落とし》 1 《スレイベンの検査官》 4 《光輝王の野心家》 4 《スレイベンの守護者、サリア》 2 《封じ込める僧侶》 1 《月皇ミケウス》 4 《精鋭呪文縛り》 4 《イーオスのレインジャー長》 -クリーチャー(31)- |
4 《サリアの副官》 3 《石の宣告》 -呪文(7)- |
1 《封じ込める僧侶》 4 《スカイクレイブの亡霊》 3 《ポータブル・ホール》 3 《安らかなる眠り》 2 《スカイクレイブの大鎚》 2 《黒き剣のギデオン》 -サイドボード(15)- |
白単色のアグロデッキ、そして人間タイプにフィーチャーしたものである。
「白単人間」は『Jumpstart: Historic Horizons』で大量にパーツを獲得したことで成立した、環境的にはまだ歴史の浅いアーキタイプだ。このデッキが得たものは細かく見れば多くあるのだが、最大の決め手は《サリアの副官》。
すべての人間に+1/+1カウンターを置く、全体強化役でありながら自身も後続の人間により同カウンターを得て大きくなる、戦場を強くすることにかけては右に出る者はいないレベルの名カードだ。
2マナという軽さでこれだけ大きな効果を得るために、なるべく人間で固めたデッキを使おうということだが、その強化する人間が弱ければちょっと物足りないデッキとなってしまう。大丈夫なのか……というのは全くもって杞憂だ。
副官とともにやって来たのは《エスパーの歩哨》。
対戦相手の非クリーチャー呪文を唱えるアクションに追加のマナを強いて、それを支払わなかった際にはカードが1枚引ける。1マナでこれはなかなかに鬱陶しい能力で、パワーが2以上になるとその追加コストを支払うのも困難になってくる。《神の怒り》で除去しようとしても、《集合した中隊》で展開力に差をつけようとしても、ただでは許さないという凄まじい執念を見せる。
《スレイベンの守護者、サリア》と絡むともう手が付けられない。
サリアはコンボやコントロールへの対抗手段として必須のカードで、人間デッキの生命線と言っても良い。
《精鋭呪文縛り》も相手のプランを遅れさせて人間デッキの決着ターン以内にゲームが終わるように調整してくれる重要な1枚であり、非クリーチャー呪文を唱えさせない《イーオスのレインジャー長》も同様に人間側にとって都合の良いゲーム展開を押し付ける。同時に1マナのクリーチャーを持ってこれるので、歩哨以外にもバリエーション豊富な1マナ域からゲーム展開に適したものを持ってきたい。
中隊や《不屈の独創力》などに対して効果のある《封じ込める僧侶》もこのアーキタイプを使う理由の1つだな。
単色であるため色マナトラブルが発生せず、また《不詳の安息地》も運用できるのが「白単人間」の強みである。
対して、多少のリスクは背負うことになるが、他の色を足せばその分人間の能力に幅を持たせ、より多くのデッキへの耐性が上昇する。色を足した発展型を見てみよう。
1 《沼》 4 《神無き祭殿》 4 《秘密の中庭》 2 《花盛りの湿地》 4 《陽光昇りの小道》 4 《寺院の庭》 4 《枝重なる小道》 -土地(23)- 4 《エスパーの歩哨》 3 《スレイベンの検査官》 1 《不屈の護衛》 1 《巨人落とし》 4 《スレイベンの守護者、サリア》 3 《帆凧の掠め盗り》 4 《精鋭呪文縛り》 4 《イーオスのレインジャー長》 3 《ドラニスのクードロ将軍》 -クリーチャー(27)- |
4 《サリアの副官》 2 《不吉な戦術》 4 《集合した中隊》 -呪文(10)- |
2 《スカイクレイブの亡霊》 1 《領界渡り》 3 《赦免のアルコン》 3 《致命的な一押し》 1 《安らかなる眠り》 3 《魔女の復讐》 1 《黒き剣のギデオン》 1 《試練に臨むギデオン》 -サイドボード(15)- |
緑を足すことで人間サイドでも《集合した中隊》を使ってやろうという試み。
《サリアの副官》がうっかり2枚出たりするとそれでゲームエンドまで持っていける爆発力はなんとも魅力的、コントロール耐性もより高まるだろう。
黒についても追加の《精鋭呪文縛り》として《帆凧の掠め盗り》を使えるようになったので、相手のプランをより崩しやすくなっている。
副官とともに人間を強化する《ドラニスのクードロ将軍》は同時に墓地対策も兼ねており、多くのデッキへのアンサーとしてメインデッキから睨みを利かせる。
というわけで緑と黒を足した「アブザン人間」も白単と同様に人気の高いバリエーションとして、アリーナ・オープンでは多くのプレイヤーが使用していたようだ。マナトラブルさえなければ勝ちまくれる、そこのところはポジティブに開き直ってプレイしたいデッキだ。
『イニストラード:真夜中の狩り』でこれら人間デッキに影響を与えるものはあるだろうか。タイトルから狼男などの人間を狩る側ばかりのセットと連想しがちだが、イニストラードの人間たちはかなりたくましい。
人間を狩る者たちから毎夜生き延びてきたことで屈強な戦士となり、また生存者の中には怪物を越えた狂気に憑りつかれたものもいる。数々の夜を越えて怪物すらも凌駕した人間たちは人間デッキの新たな顔ぶれとなるかもしれない。
これまでの人間にできそうでできなかった役目を果たす1枚として《聖戦士の奇襲兵》は要注目。
2マナでパワー3と殴る役目をこなしつつ、エンチャントかアーティファクトを破壊する《解呪》的役割をこなす。特筆すべきは瞬速を持っていることで、これでコンボを始動しようとした相手のプランを突然崩してしまうなどのトリッキーな動きで翻弄することが可能となる。なかなか凄い能力を持った人間がまさかのコモンなので、とりあえずパックを剥けば手軽に手に入るもので気楽に試せるのはありがたいい話だね。
同じく2マナ3/1というスペックで絆魂を持つため殴り合いに強く、マナがあふれてしまったゲーム終盤という人間デッキの苦手な時間帯に活躍してくれる可能性のある《剛胆な敵対者》もぜひとも試してみたい1枚。
墓地に干渉する《日金の歩哨》もまた人間デッキの形を崩さずに無理なく特定のデッキを対策できて、かつこれまたパワー3なのが素晴らしい。
ヒストリックで活躍できるだけのポテンシャルを持つかどうか、実際にその手で試して確認してみよう。最も恐ろしい怪物は人間だということを、ヒストリックに集いし多種族デッキたちに思い知らせるのだ!
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