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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
ストンピィのバリエーション:緑単&タッチ黒(ヒストリック)
個人的な話で申し訳ないが、8月前半はかつてないくらいにマジックの調子が良かった。MTGアリーナでの話だけれども、自分にとって手足のようによく馴染むデッキが構築・調整できて、スルスルッとミシックランクに到達。
使用していたデッキは「赤単ゴブリン」、以前にCool Deckで紹介したもののサイドを調整したものだ。
ただ、ゴブリンは強いがゆえにマークされてしまいやすい存在でもある。ミシックに到達したものの、そこからゴブリンでは逆立ちしても勝てないガチガチ対策デッキたちとマッチングし続けて地獄を体感した。こりゃあデッキを変えねばならないなと色々試していると……蒸し暑く寝付きにくいある夜、止まらない連勝を体感する。「緑単ストンピィ」という愛機とのめぐり逢い……。
16 《森》 4 《ハシェプのオアシス》 3 《ハイドラの巣》 -土地(23)- 4 《ラノワールのエルフ》 4 《生皮収集家》 4 《樹皮革のトロール》 4 《群れ率いの人狼》 4 《老樹林のトロール》 4 《鉄葉のチャンピオン》 2 《不屈の神ロナス》 -クリーチャー(26)- |
3 《レンジャー・クラス》 4 《集合した中隊》 3 《原初の力》 1 《アーク弓のレインジャー、ビビアン》 -呪文(11)- |
3 《漁る軟泥》 2 《再利用の賢者》 3 《変容するケラトプス》 2 《蛇皮のヴェール》 2 《強行突破》 3 《障壁突破》 -サイドボード(15)- |
ヒストリックではお馴染み、《鉄葉のチャンピオン》などマナ総量から見てサイズに優れたクリーチャーを主役としたアグロデッキだ。
《群れ率いの人狼》《レンジャー・クラス》《ハイドラの巣》の加入によりこの夏ちょっとしたブレイク。
似ていながらも細部が異なるいろいろなリストが世に出てきた中で、それらを参考に自分の好きなカードを優先して構築した形になる。《樹皮革のトロール》とかね。チャンピオンたちのサイズ、《不屈の神ロナス》《老樹林のトロール》《レンジャー・クラス》といった戦場に継続してクリーチャーを立たせられる面々、そして《集合した中隊》からの圧倒的な打点展開力。
幸運にも恵まれており、あれよあれよと勝ち進んで一時期はランク1桁台を維持、最大で4位まで勝ちあがることができた(余談だが、4位からは1~2回勝った程度ではランクの数字が全く動かない。トップ3は果てしなく遠かった)。ここまで手に馴染むデッキは久しぶりで、プレイしていて本当に楽しくゲームにも集中できていた。
ただこのストンピィにも時間切れはやってくる。いつまでも同じ形のデッキで勝てるほどミシック上位は甘くはないのだ。周りのデッキは日々進化し、ストンピィ同型とのマッチにおいてより強い《吹雪の乱闘》を用いた氷雪型が定着し、当時このデッキが最も美味しくいただいていた「ジェスカイ・コントロール」は一時的に数を減らし、《コーの精霊の踊り手》を用いたオーラ系や《初子さらい》+生け贄能力でクリーチャーを処理するサクリファイス系とのマッチングが続き……さっぱり勝てなくなってしまい、使用を諦めたのであった。
そして『Jumpstart: Historic Horizons』がやってくる。環境はいったんリセット、各自が新カードの探求を始める群雄割拠、戦乱の時代へと突入した。
というわけで「緑単ストンピィ」。決して捨てたデッキというわけではなく、新カード《忍び寄る牙長獣》《スカイシュラウドの襲撃》を試すなどやってみてはいたが、なかなかしっくりこない。う~む悩ましい……そんな折に目にしたのは、ちょっと懐かしいカードを採用したデッキ。これがいい意味での刺激を得られたリストだったので、この場で紹介させていただこう。
10 《森》 4 《闇孔の小道》 4 《草むした墓》 3 《花盛りの湿地》 3 《森林の墓地》 -土地(24)- 4 《ラノワールのエルフ》 4 《生皮収集家》 4 《漁る軟泥》 4 《群れ率いの人狼》 2 《精神病棟の訪問者》 4 《朽ちゆくレギサウルス》 4 《鉄葉のチャンピオン》 2 《不屈の神ロナス》 -クリーチャー(28)- |
2 《レンジャー・クラス》 2 《グレートヘンジ》 2 《原初の力》 2 《アーク弓のレインジャー、ビビアン》 -呪文(8)- |
2 《探索する獣》 3 《大祖始の遺産》 2 《蛇皮のヴェール》 2 《思考囲い》 2 《無情な行動》 2 《軍団の最期》 1 《取り除き》 1 《影槍》 -サイドボード(15)- |
緑単色ではなく黒をチョイ足しした「ゴルガリ・ストンピィ」!
黒を足した理由は3マナ域において緑のクリーチャーを上回る、歩く暴力こと《朽ちゆくレギサウルス》を用いるためだ。
7/6というサイズにタイマンで太刀打ちできるやつはいねぇ、手札を捨てるデメリットを背負っても、3回どつけば勝利というのはお釣りがくるレベルだ。
またこの異常に高いパワーのおかげで緑の最強アドバンテージエンジン《グレートヘンジ》を不特定マナの支払いなしで唱えられるというのも、緑と黒を融合させている理由だ。捨てた手札は引いて補充、シンプルなアンサーでデメリットを解決だ。
レギサウルス×緑単自体は既存の組み合わせだが、これを以前よりも肯定する新カードが加わっていることに注目だ。《精神病棟の訪問者》、マッドネス能力持ちである。
この吸血鬼をレギサウルスの能力で捨てることにより、マッドネスで唱えて手札の損失をチャラにしてしまえる。そしてレギサウルスにより手札が0になったら、今度は訪問者がドローを授けてくれる。無駄なくかみ合っているこのコンビネーションのためであれば、わざわざ色を足す価値があるということだな。
2色デッキになると《鉄葉のチャンピオン》を早いターンに唱えにくくなってしまうという、デッキの良さを潰してしまうデメリットを背負うことになるが、このデッキに関してはそれは大丈夫。《沼》を採用しておらず、《闇孔の小道》以外の多色土地はすべて緑マナと黒マナの両方を供給してくれるものになっている。
ハッキリ言って、黒マナを出す土地は1枚出せればそれで不自由はしない。なので両面土地も基本的には《蛇孔の小道》で運用し、緑の濃いシンボルを常に問題なく支払えるようにしつつ、少量を足された黒いカードを問題なく用いていくという構成にまとまっている。
こういう、違う色をわずかに足すことで長所を伸ばしたり短所を補う構築を「タッチ」と表現する。ゴルガリ(黒緑)と表記すると2色が均等のような印象を受けるので、「緑単ストンピィタッチ黒」と表現するのが良いか。あるいはタッチ黒したデッキを純正のものと比べて「ダーク○○」と豹変することもあるので「ダーク鉄葉ストンピィ」とかも伝わりやすいかもね。
3マナ以下の強いクリーチャーで勝つデッキなら、その中で最強のレギサウルスを用いれば良いじゃないかというシンプルなアンサー。緑単色にこだわらず、他の色にアンサーを求めるというのは狭まっていた視野を広げてくれたように思う。さあ、今日もデッキ調整バリバリやっていくぞ~。
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