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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
白緑接合:ヒストリックのヒントはモダンにあり?(モダン)
『Jumpstart: Historic Horizons』に収録されている大量のカード。これらを使ってヒストリックのデッキを作る、ということを片っ端から真面目に続けていると、恐ろしいほどの時間がかかってしまう。
まあその時間もそれはそれで楽しいものではあるので、余裕のある人は思いっきりディープなデッキ構築の海にダイブして、その深淵目指して突き進んでほしいね。
ひたすらにアイディアを形にし続ける、それほどの時間は取れないけれども新しいカードでデッキを作るのは楽しみたい。そんなプレイヤーが多いことかと思う。そんな場合は、この新セットの特性に目を向けよう。
『Jumpstart: Historic Horizons』は新規セットで、MTGアリーナでこそ実現できる能力を持ったカードもいくつか収録されている。しかしながら本質的には再録セットで、過去のセットに収録されたカードが大多数を占めている。つまりは、すでに何らかのデッキで用いられているカードがたっぷり大集結ということだ。
なので、それらのカードが活躍している他のフォーマットを見れば、どういうデッキを組めばいいのかのヒントを得られるはずだ。0から組み上げるよりも大幅な時間短縮が可能で、その分プレイに時間を回せる。
特に『モダンホライゾン』『モダンホライゾン2』からの再録が多いため、モダンのデッキを見ることが今後のヒストリックへの理解を深める近道になることは間違いない。
例えば《微光蜂、ザーバス》。
これまでヒストリックにはなかった接合という能力を強化する伝説のクリーチャーだ。これを単体で見た場合、どのようなデッキを組むのか頭を悩ませるものだが……接合デッキの歴史が積み重ねられているモダンのリストを見れば大丈夫!
ザーバスと、他にも新たにヒストリックにやってきたカードで構成された「白緑接合」いってみよう!
2 《平地》 1 《森》 3 《寺院の庭》 2 《のどかな農場》 1 《聖なる鋳造所》 4 《吹きさらしの荒野》 3 《乾燥台地》 4 《墨蛾の生息地》 4 《ウルザの物語》 -土地(24)- 4 《微光蜂、ザーバス》 3 《電結の投槍兵》 4 《電結の荒廃者》 4 《巧妙な鍛冶》 4 《搭載歩行機械》 4 《歩行バリスタ》 -クリーチャー(23)- |
3 《溶接の壺》 4 《硬化した鱗》 3 《オゾリス》 1 《バジリスクの首輪》 1 《バネ葉の太鼓》 1 《魔女のかまど》 -呪文(13)- |
1 《夢の巣のルールス》 -相棒(1)- 2 《大祖始の遺産》 1 《流刑への道》 1 《真髄の針》 3 《虹色の終焉》 3 《虚空の鏡》 2 《減衰球》 2 《倦怠の宝珠》 -サイドボード(14)- |
接合とは、+1/+1カウンターをアーティファクト・クリーチャーが受け継いで、どんどん強力なものになっていくメカニズムだ。
最も有名なものは《電結の荒廃者》で、接合持ちやそうでないものをどんどんと食ってデカくなって、最後は自分も生け贄に捧げて接合でカウンターを託して重い一撃を叩き込む。特に《墨蛾の生息地》とのコンビネーションは格別で、数多のモダンプレイヤーに敗北を突き付けてきたものだ。
この荒廃者による接合の際に、その横にザーバスがいればカウンターの数はどんどんと増えていくことになる。瞬間的に大ダメージ、あるいは大量の毒を叩き込むことが期待できるというものだが、対処されやすいクリーチャーで4枚だけというのでは少々物足りない。
そこで併用されているのが《硬化した鱗》。
このエンチャントであれば接合能力の誘発で受け渡されるものはもちろん、それ以外の方法で置かれるカウンターの数も増やせる。ザーバスと鱗、この組み合わせで《歩行バリスタ》《搭載歩行機械》などをグングンと育てて勝つ、アーティファクトを主体としたコンボ的なビートダウンデッキがこの「白緑接合」だ!
これがヒストリックでデッキを組む上で参考になるのは、《硬化した鱗》も今回の『Jumpstart: Historic Horizons』に収録されているためだ。つまりこのリストの精神をそのままヒストリックに移行させられれば……デッキ構築がスムーズに始められるね。
このデッキの緑は完全に鱗のためだけのものとなっている。では白は……ザーバスが飛行を得られるので使い得な色ではあるのだが、それと同時にキーカードがすべて低コストで占められていることを活かして、《夢の巣のルールス》を相棒にしている。
《電結の荒廃者》で積極的にパーマネントを墓地に落としていくので、ルールスの墓地から唱えられる能力は、ただ単にルールスをリカバリー要員としているデッキよりもアグレッシブに扱えることだろう。
ルールスを使うということは、3マナ以上のパーマネントが扱えないということである。アドバンテージを稼げるカードなどを採用しにくくなってしまいがちだが、その点はご安心を。《巧妙な鍛冶》により、アーティファクト主体のこのデッキは簡単に手札を得ながらクリーチャーが展開できる。
この鍛冶には+1/+1カウンターが置かれてデカくなる能力もついており、これももちろん《硬化した鱗》と相性バッチリ。ルールス&鍛冶パッケージ、モダンで活躍しているのであればヒストリックでも大いに期待ができちゃうね。
《電結の荒廃者》や《歩行バリスタ》《ウルザの物語》など、ヒストリックに存在しない枠は他のものに置き換える必要がある。例えばザーバス&鱗と一緒にやってくる《電結のシカール》や《電結のネズミ狩り》《マイアの小屑》といった接合および+1/+1カウンターと関係のあるクリーチャーには真っ先にお声がかかることになるだろう。
またヒストリックに既存のカードで《議事会の導師》や《巻きつき蛇》も鱗と組み合わせて強いカードだ。
《ちらつき蛾の生息地》と組み合わせて、良い感じの接合デッキが作れるのではないだろうか。
モダンほどの完成度にはならないかもしれないが、何事もチャレンジ! では、ヒストリックの戦場で会いましょう。
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