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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ラクドス・トレジャー(ヒストリック)

岩SHOW

 豪華な装飾の宝箱を開くとそこには……金貨に銀貨、ダイヤやエメラルドの指輪に真珠のネックレス、見事な水晶や珊瑚、黄金の鎧兜や宝剣……お宝がザックザク。おとぎ話の世界のテンプレ宝物に対する憧れを幼少時より持ち続けている。いつか海底に沈んだ海賊船からそのようなお宝を発掘したいものである。夢を見るのは自由だからね、夢を捨てちゃ人生は味気ない。

 なかなか実現するものではないが……マジックはその夢を叶えてくれる、1つのツールでもある。アーティファクトのタイプの1つとして登場した「宝物」。最初はイクサラン次元の海賊たちの生き方を表現する形で登場したトークンであった。

 この使い切りのマナ加速は使い勝手がよく、様々な世界観やカードデザインに絡めやすいのもあってか、ここ最近はあらゆるセットにこれに関するカードが収録されている。ただのマナ加速としてだけでなく、宝物であることを参照するカードも多数。それらでデッキを固めれば宝物シナジーでゲーム展開もウハウハに。

 さあ、君もこの夏の終わりを宝物で彩らないか? お宝を巡る大冒険のはじまりはじまり~!

CG | Smoak - 「ラクドス・トレジャー」
ヒストリック (2021年8月15日)[MO] [ARENA]
4 《
2 《
4 《血の墓所
4 《竜髑髏の山頂
4 《荒廃踏みの小道
2 《目玉の暴君の住処
1 《ファイレクシアの塔
-土地(21)-

4 《漆黒軍の騎士
4 《よろめく怪異
4 《隠棲した絵描き、カレイン
4 《厚顔の無法者、マグダ
4 《風雲船長ラネリー
4 《砕骨の巨人
4 《黄金架のドラゴン
-クリーチャー(28)-
4 《思考囲い
4 《命取りの論争
3 《エンバレスの宝剣
-呪文(11)-
2 《悪ふざけの名人、ランクル
1 《熱烈の神ハゾレト
2 《墓掘りの檻
2 《致命的な一押し
1 《塵へのしがみつき
1 《コジレックの審問
2 《削剥
1 《軍団の最期
1 《害悪な掌握
2 《悪意の熟達
-サイドボード(15)-
CG | Smoak氏のTwitter より引用)

 

 《漆黒軍の騎士》《砕骨の巨人》以外のメインのクリーチャーはどれも宝物に関する能力を持っている、バッチリ宝物構成なヒストリックのラクドス(黒赤)デッキだ。

 とにかく1つでも多くの宝物を得て、それを勝利へのピースとして用いる。コンセプトは徹底しており、それゆえにデッキの大部分がキッチリ4枚採用という形になっているのが特徴的だ。

 伝説のクリーチャーたちも4枚ずつで、つまりは重要なパーツというのが分かる。これらの能力から紐解いていくとしよう。

 このデッキの伝説の面々はいずれも宝物・トークンを生成する。

 《隠棲した絵描き、カレイン》は1回きりだが、後の2名は攻撃するたびにそれを生成する。

 カレインは宝物を使ってマナが支払われたクリーチャーにボーナスをもたらす。使った宝物が多ければ多いほど+1/+1カウンターの置かれる数が増えるので、たっぷり用意できている時には思いっきり注ぎ込むのがオススメだ。

 あるいは貯めた宝物は《厚顔の無法者、マグダ》で用いてもいい。5個生け贄に捧げることでドラゴンかアーティファクトをライブラリーから戦場に直接出せる。速攻持ちの《黄金架のドラゴン》を呼び出して空からダメージを叩き込みつつ更なる宝物を獲得したり、《エンバレスの宝剣》を持ってきて二段攻撃大ダメージで突然のフィニッシュを決めたり。

 マグダと相性ピカイチなのは3体目の伝説《風雲船長ラネリー》。宝物を生け贄に捧げることでパワーが上昇し、攻撃すれば宝物を生成するという能力の持ち主。速攻も持つのでタイムラグなしで宝物の数を増やし、マグダやカレインをアシスト。そしてマグダで5個生け贄に捧げた際には、しっかりとラネリーのパワーも5上昇することに注目。そこから《エンバレスの宝剣》に繋げれば……一瞬で対戦相手をノックアウトできてしまう。

 これを理想のゴールとしつつ、宝物を得ながら攻撃を仕掛けていくデッキなのである。その名も「ラクドス・トレジャー」!

 注目すべき組み合わせは《よろめく怪異》と《命取りの論争》。

 死亡時に宝物を残す《よろめく怪異》を生け贄に捧げて《命取りの論争》を唱え、合計2個の宝物を一気に獲得する。その場合のマナ効率はこの上ないものだ。《ラノワールのエルフ》などタフネス1がいれば怪異の能力で-1/-1修整を選んでも良いし、柔軟に使い分けたい。この組み合わせはスタンダードのものだがヒストリックでもかなり強い動きなので、今後の定番として特にローテーション後には目にする機会が増えるだろう。

 《よろめく怪異》は《ファイレクシアの塔》と組み合わせることでも、本来得られない量のマナを供給してくれる。

 《命取りの論争》は除去の対象となったクリーチャーを生け贄に捧げて損失なしで用いたり、4枚採用されているため重ね引いてしまった伝説のクリーチャーをドローに変換したりと、器用なプレイングで美味しくアドバンテージを得られる。特定の組み合わせで強いのは当たり前、単体でもしっかり仕事を果たすというのが、ヒストリックのような使用可能カードが多い環境では重要になってくる。

 この手のデッキにおける《思考囲い》の使い方にも触れておこう。

 対戦相手の手札から土地以外何でも捨てさせられる手軽な最強ハンデスだが、それゆえに実は正しく用いるのは難しかったりする。何でも捨てさせられるということは、間違ってどうでも良いようなカードを捨てさせてしまう可能性もあるということだ。

 このデッキはクリーチャーによりライフを攻めて早いターンにゲームを終わらせるのが目標である点、そして宝物によるマナ加速により、真面目に土地からマナを得るだけの対戦相手よりも早いターンに複数回の行動やマナ総量の大きいカードを扱えるという点に注目。

 たとえば《ドミナリアの英雄、テフェリー》や《奔流の機械巨人》のようなカードパワーが高いものが手札にあったとしても、それらが間に合わないゲーム展開を仕掛けられるのであれば、これらを捨てさせる必要はなくなる。むしろ、これらが間に合うような時間稼ぎをされるカードを捨てさせた方が自分のデッキの目指すところと噛み合っている。

 戦場への展開状況、対戦相手の戦場と残ライフ、こちらの手札やドローの期待値、そういったものから判断して、ベストなハンデスとして用いることができた時、初めてこのカードは真の役割を果たしたと言える。

 宝物・トークンを並べて一気に使っても良し、得たそばからガンガン使って加速しても良し。「ラクドス・トレジャー」は楽しさと破壊力を併せ持ち、戦うたびにゲームプランが変化するサプライズにも満ちたデッキだ。夏の最後は宝探しの旅に出かけよう!

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