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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
グルール・バード・クラス:伝説の証人となれ(パイオニア)
吟遊詩人とは何か。RPGでこの職業を目にした時、一体どんなことをするのだろうかと気になったものだ。
吟遊詩人とは詩曲を作り、各地を周遊して歌っていた人々のこと。なんだか素敵なお仕事だなぁ、僕もやってみたいが作曲能力がないので諦めるしかない。そもそも主に古代ギリシアや中世ヨーロッパで活躍した職業である。民族などによってその細かい呼び名は異なり、ケルト人においては神話や歴史といった伝承・あるいは法律など記憶し、これを歌にして世に拡散する役目のことを「バード」と呼んだ。
バードは「ダンジョンズ&ドラゴンズ」でも役職の1つとして設けられ、歌う以外にも武器での戦闘や呪文など数々こなせるという。声援で味方を強化するのもバードの特色であり、これを再現したカードが《バード・クラス》。
伝説に関する能力を持っており、英雄たちの物語を伝える役目というのが一目でわかる素敵なデザインだ。
レベル1では伝説のクリーチャーに+1/+1カウンターを追加する、声援を彷彿とさせるもの。レベル2になると伝説の呪文のコストが{R}{G}軽減されるようになる。テキストにもあるように、これは不特定マナは軽減させないので気を付けて。そしてレベル3、伝説の呪文を唱えるとライブラリーの上から2枚追放、ターン終了時までこれを唱えられる通称「衝動的ドロー」でアドバンテージを獲得だ。
投資は必要だが、マナ加速とアドバンテージ源を兼ねる2マナのエンチャントというのは素晴らしい。《バード・クラス》と伝説の呪文を詰め込んだデッキを作りたい! そんな思いが歌詞のように沸き起こってきたプレイヤーは少なくないはず。
今回はそんなプレイヤーの参考になりそうな、バード感あふれるデッキリストを紹介しよう!
4 《山》 3 《森》 4 《踏み鳴らされる地》 4 《根縛りの岩山》 4 《岩山被りの小道》 1 《廃墟の地》 -土地(20)- 3 《鐘突きのズルゴ》 1 《造命の賢者、オビア・パースリー》 4 《終わりなき踊りのガリア》 3 《悪魔牙のノール、ターグ・ナール》 4 《語りの神、ビルギ》 1 《太っ腹、グラングリー》 1 《運命の神、クローティス》 1 《ケルドの心胆、ラーダ》 1 《不屈の神ロナス》 -クリーチャー(19)- |
4 《モックス・アンバー》 4 《ニッサの誓い》 4 《バード・クラス》 3 《ボーラスの壊乱者、ドムリ》 3 《歓楽者ゼナゴス》 2 《混沌をもたらす者、ドムリ》 1 《アーリン・コード》 -呪文(21)- |
1 《湧き出る源、ジェガンサ》
-相棒(1)- 2 《漁る軟泥》 1 《グルールの呪文砕き》 1 《秘密を知るもの、トスキ》 2 《高山の月》 2 《墓掘りの檻》 1 《マグマのしぶき》 1 《引き裂く流弾》 2 《削剥》 2 《焦熱の竜火》 -サイドボード(14)- |
クリーチャー呪文19枚、非クリーチャー呪文21枚。そのうち《バード・クラス》を除き……すべてが伝説! クリーチャーは皆+1/+1カウンターを得るし、《バード・クラス》以外はすべてコストが軽減され、ものによっては0マナに。そしてどれを唱えても衝動的ドロー2枚……強いことしか書いていないッ! というわけで《バード・クラス》のポテンシャルを最大限に引き出し、その爆発力を堪能することを狙ったリストだ。
クリーチャー枠はパイオニアが誇る1マナの伝説2種、《鐘突きのズルゴ》《造命の賢者、オビア・パースリー》より始まる。どちらも能力はデッキに噛み合っていると言えるものではないのだが、《バード・クラス》と相性の良い1マナというだけで価値がある。
同じく2マナにはコストが0になる《終わりなき踊りのガリア》と《悪魔牙のノール、ターグ・ナール》。
そしてデッキ的には最重量クリーチャーたちとなる3マナ域には《バード・クラス》とともにサイズアップさせる《太っ腹、グラングリー》や墓地デッキの天敵《運命の神、クローティス》など個性的な面々が。
その中でも最重要視されているのが《語りの神、ビルギ》。
呪文を唱えるたびにマナを出す能力で《バード・クラス》のレベル3から無限とも思えるほどの連鎖を生み出す強力エンジンであり、また第2面である《豊潤の角杯、ハーンフェル》は《バード・クラス》がない時のカード供給元にもなる。伝説を語り伝えるこのデッキにはカードとしてもフレイバーもばっちり噛み合った1枚なのだ。
非クリーチャーでも伝説の呪文は多くある。何といってもプレインズウォーカーがそれで、このリストでは赤緑2色のものをたっぷりと。コストが{1}or{2}に軽減されたプレインズウォーカーの連打はこのデッキにのみ許された特権で、最も楽しい瞬間でもある。
最軽量の《ボーラスの壊乱者、ドムリ》は、これ自身もマナを生み出せるのでここからさらにクリーチャーに繋げられる。3ターン目に《バード・クラス》レベルアップから怒涛の展開への火付け役だ。伝説ばかり集めていると除去が難しいので、格闘させる能力もかなりありがたい。
《歓楽者ゼナゴス》も大量のマナを発生させ、《混沌をもたらす者、ドムリ》は手札補充役。《アーリン・コード》は動かしていて楽しいロマン枠……と、キャラクターのラインナップには文句なし。
これらプレインズウォーカーとクリーチャーをサポートする伝説の呪文も。《ニッサの誓い》は万能なドローであり、今一番欲しいものが手に入る(かもしれない)。土地が得られるのが事故を回避できて非常に優秀。
そして伝説がいることでマナを生み出す《モックス・アンバー》!
《バード・クラス》レベル3からのこれの連打は「あり得んだろ!」と言いたくなるような戦場を作り出してしまう。序盤から大量展開でのフィニッシュまで、無駄になるシーンのないまさしく伝説デッキのための1枚。ズルゴなど1マナの伝説が採用されている理由もこれがあるからこそってとこだね。
英雄の物語を情熱的に歌い上げるように、スイッチが入ると手が付けられない《バード・クラス》デッキ。本当にプレイしていて気持ちの良いデッキなので、ぜひともお試しあれ。
カードプールが狭くなる分スケールダウンしてしまうが。スタンダードやヒストリックでもこれを使ったデッキを組んでみるのもオススメだ。かく言う私も絶賛研鑽中……納得のいくリストに仕上がった時には公開するので、そちらもお楽しみに!
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