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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

赤単アグロ:異郷にて待つ新カードたち!(新スタンダード)

岩SHOW

 早いもので、もう今週末に『フォーゴトン・レルム探訪』がオンラインでリリースされる。うそぉ?と思っちゃうのは自然なので安心してほしい(笑)。MTGアリーナでパックの販売より先にプレイできるので、我慢できないプレイヤーは迷わず冒険の旅に出るべし!

 今回はそんな異郷の地に挑む冒険者たちに少しでも参考になればと思い、今回はスタンダードのデッキをおさらいしつつ新カードの性能を簡単に考察してみよう!

Platinum-Mythic Rank Player - 「赤単アグロ」
スタンダード (2021年6月28日)[MO] [ARENA]
18 《冠雪の山
2 《エンバレス城
4 《不詳の安息地

-土地(24)-

4 《熱烈な勇者
4 《火刃の突撃者
4 《講堂の監視者
4 《義賊
4 《鍛冶で鍛えられしアナックス
4 《砕骨の巨人
4 《朱地洞の族長、トーブラン

-クリーチャー(28)-
4 《霜噛み
4 《エンバレスの宝剣

-呪文(8)-
4 《灰のフェニックス
1 《傷頭のアーニ
2 《レッドキャップの乱闘
4 《乱動する渦
4 《アクロス戦争

-サイドボード(15)-

 

 というわけで、この手の企画では毎度おなじみの赤単だ。やっぱり環境最初期には赤単のアグロデッキでしょ!と考えるプレイヤーは世界中で少なくないはず。使うにせよ、対策するにせよどのような形に進化してくるかを予測しておくことはプラスに働くはず。

 まず、現時点の赤単の平均値とも言えるこのリスト。クリーチャーをたっぷりと30枚近く。そのうち1マナのものが12体とてんこ盛りで、1ターン目から攻撃を仕掛けて2ターン目3ターン目とノンストップでクリーチャーを展開し、トドメは集団での攻撃から《エンバレスの宝剣》。二段攻撃で一気にフィニッシュまで持っていくのが理想的だ。

 ゲームが長引いても《不詳の安息地》で攻め手を継続させたり、サイド後は《乱動する渦》《アクロス戦争》とテクニカルなエンチャントも備えているのも赤単の強みだったりするね。

 さて、『フォーゴトン・レルム探訪』の赤いカードを見ていこう。まずはなんといっても神話レア、《フレイムスカル》! これは赤単視点では今回の目玉カードになるだろうね。

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 3マナでタフネスこそ最低限だがパワー3で飛行持ちという攻撃的なスペック。そして死亡時に誘発する能力……その名も「リジュビネーション」! これが曲者だ。

 死亡した際に、《フレイムスカル》とライブラリーの一番上のカードとを追放し、次のあなたのターンの終了時まで追放されたカードの1つを唱えることが可能というものだ。最初テキストを読んだ時、「そのうち1枚」も何も、1枚しか追放してなくないか?と思って、もう一度読み直すと気付く。追放された《フレイムスカル》本体も唱える選択肢に入っているんだ!ってね。

 これはかなりしぶといヤツで、追放除去でなければ延々とパワー3の飛行が居座ってしまう。唱えられる期間も長いのがありがたいね、こちらのターンにインスタントで除去されても、相手のターンにソーサリーで除去されても、次の自分のターンに蘇らせれるのはこの手のカードの中でもかなりしぶとい作りだ。パワー3の飛行よりももっと役に立つカードが公開されたらそっちを唱えても良いね。

 現在赤単のサイド、あるいはメインから採用されている同様の役目のカードに《灰のフェニックス》がある。これは速攻を持っているという点で《フレイムスカル》に勝り、墓地対策に弱いという点では劣る形になる。墓地の枚数など気にしなくて良い分、扱いやすいのは《フレイムスカル》になってくる。この枠がごっそり入れ替わってもおかしくはないし、あるいは両者で異常にしぶとい赤単が誕生したりするのかもしれない。

 気になる土地としては《バグベアの居住地》。

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 これは《不詳の安息地》と競合する枠になる。起動するのに氷雪マナは不要な分、安息地よりもコストは1マナ重い。サイズでも負けてはいるが、この土地をクリーチャー化させて攻撃すればもれなくゴブリンが1体ついてくる。どれだけ全体除去で盤面をリセットされても、この土地1枚でゴブリン軍団を再建できてしまえるのだ。

 氷雪マナに頼らなくて良いということは基本土地を最優先で用いなければならない構築の縛りからも解放されるので、《エンバレス城》を増やしたり、《廃墟の地》のような特殊な仕事をこなす土地と併用可能ということである。またゴブリン関連のカードも増えているので、そのタイプを活かしてデッキのスパイスとして《バグベアの居住地》は輝くかもしれないね。モジュール版の見た目も古き良きファンタジーで素敵。

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 《決闘のレイピア》はただパワーを上げるだけではあるが、1マナで+2/+0と効率の良い装備品。瞬速もあるのでサッと差し込んで思わぬダメージを与えたいところだ。

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 赤単の1マナ域で定番となっている《火刃の突撃者》との相性は抜群で、思わぬダメージを対戦相手本人やクリーチャーに叩き込むことでゲームを優位に進められそうだ。先制攻撃持ちとの相性の良さも考慮して、クリーチャーの顔ぶれも既存のものから入れ替えなどあるかもしれない。似た役割の《リムロックの騎士》とどちらが優れているか、各々試してみてほしい。

 サイドボード候補としては《アヴェルナスの大公、ザリエル》は気になるところ。

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 かつての《無頼な扇動者、ティボルト》を思い起こさせる、デビル・トークンの生成者だ。常在型能力も強いが、忠誠度を増やせずに使い切りだったティボルトと比べてザリエルは戦場に居座らせることができるし、下手に生き延びれば1枚でゲームを終わらせるポテンシャルはある。サイド後にクリーチャー除去を増やしコントロールとなった相手に対して効果ありだ。

 アーティファクトを使ってくる相手には《略取するバーバリアン》。

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 《躁の蛮人》の上位互換で、アーティファクトを壊せれば万歳、相手が出してこなかったら宝物を生成してマナ加速と能力が無駄になりにくい設計なのが偉い。

 冒険の始まりはもう目の前。既存のデッキをベースにしたものであれば、スタートダッシュを切りやすいので、シンプルな赤単で初日に突撃するのはオススメだ。もちろん使いたいカードが他にあれば遠慮なくそれを使って、マジックと「ダンジョンズ&ドラゴンズ」のファンタジーコラボを思いっきり楽しもう! マッチした時は、アッと驚くデッキでワクワクさせておくれよ!

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