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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
イゼット・ドラゴン(ヒストリック)
ドラゴンと言えば、何色?
この質問には圧倒的多数のプレイヤーが「赤!」と答えるだろう。マジック最古のセットからドラゴンは赤の担当するところだ。
ただ時代が進んでいくにつれ、多色のドラゴンや赤が全く関係のないドラゴンというものも増えた。だから最近マジックを始めたプレイヤーに同じ質問をすると、ちょっと戸惑ったりするかもしれないね。
なんだったら「青と赤」という答えが返ってきてもおかしくはない。青赤2色のデッキをイゼット○○と呼ぶが、このイゼットはラヴニカ次元に存在するギルドの1つ、イゼット団のこと。イゼットというギルド名はこのギルドの創始者であるドラゴン、ニヴ=ミゼットの名が由来となっている。ニヴのインパクトは大きく、これぞドラゴンという印象を強く受ける。
また、ストリクスヘイヴンの大学の1つであるプリズマリ大学の創始者、ガラゼス・プリズマリもスタンダードで活躍し「イゼット・ドラゴン」デッキを成立させているのもあって、多くのプレイヤーにドラゴン=青赤という印象を与えているのではないだろうか。
大空を舞い火炎を吐き、深い知識と破壊の本能を併せ持つドラゴンのイメージに、このカラーリングはしっくりくる。今日はそんな青と赤のドラゴンが主役のデッキを紹介しよう。フォーマットはヒストリックだ!
3 《島》 2 《山》 4 《蒸気孔》 4 《硫黄の滝》 4 《河川滑りの小道》 3 《ヴァントレス城》 4 《寓話の小道》 -土地(24)- 4 《砕骨の巨人》 4 《厚かましい借り手》 1 《ガラゼス・プリズマリ》 4 《黄金架のドラゴン》 1 《栄光をもたらすもの》 4 《パルン、ニヴ=ミゼット》 -クリーチャー(18)- |
4 《渦まく知識》 4 《記憶の欠落》 3 《ドラゴンの財宝》 2 《炎の一掃》 1 《神々の憤怒》 4 《主無き者、サルカン》 -呪文(18)- |
2 《再燃するフェニックス》 3 《墓掘りの檻》 1 《レッドキャップの乱闘》 2 《霊気の疾風》 1 《本質の散乱》 1 《否認》 3 《神秘の論争》 1 《神々の憤怒》 1 《夢を引き裂く者、アショク》 -サイドボード(15)- |
《パルン、ニヴ=ミゼット》と《ガラゼス・プリズマリ》、二大青赤ドラゴンが共演するのがなんともたまらないリストだ。
他のドラゴンはスタンダードでもお馴染みの《黄金架のドラゴン》に加えて、ヒストリックならではの《栄光をもたらすもの》が見られる。いずれも高いカードパワーを持つ、大空の覇者ドラゴンの血に恥じぬ強力なクリーチャーだ。
そのドラゴン軍団とともに《砕骨の巨人》《厚かましい借り手》と、青と赤で手数で勝負するデッキには外せないお約束のクリーチャーが並ぶ。
これらのクリーチャーで攻め、青と赤のお家芸であるインスタントでバックアップする、サクサクと動く中速のデッキがこのヒストリック版「イゼット・ドラゴン」だ。
《渦まく知識》で手札を整え、引きすぎた土地や高コストのカードはライブラリーに戻してから《寓話の小道》でシャッフルしてリフレッシュ。
巨人&借り手の出来事や《炎の一掃》《神々の憤怒》で戦場をコントロールし、《黄金架のドラゴン》で攻撃しつつ、そこから生成した宝物で《記憶の欠落》を構えて万全の体制でニヴの降臨に繋げる……理想的なゲームプランはこのような形だ。
この動きを支えるのが《ドラゴンの財宝》だ。
3ターン目に出せば、4ターン目に黄金架や《栄光をもたらすもの》で仕掛けていくことが可能となり、重めのカードが多めでややもっさりしがちなデッキをしっかりと支えてくれる。
同時に、ドラゴンが戦場に出ればカードを1枚引くための黄金カウンターを得る。ゲームが長引いた際にはこの1枚のドローが勝利をグッと手繰り寄せてくれるし、ニヴがいる状況ではこの1点がダメージ源にもなる。かなり重要な1枚で、4枚採用しても良いかなと思える。デッキの安定性を高めたい場合にはその選択肢も大いにアリだ。
で、この財宝と相性抜群であり、デッキの最大の特徴とも言えるのが……4枚採用された《主無き者、サルカン》!
ドラゴンを1体獲得しつつ、次のターンには自身もドラゴンとなって攻撃するぞというプレッシャーをかけられる攻撃的なプレインズウォーカーだ。
彼の能力でドラゴン・トークンを生成しても《ドラゴンの財宝》に黄金カウンターが置かれるので、5マナと重めな彼を呼び出すためのマナを供給しながらクリーチャーとドローを得ようじゃないか。この2枚はもはやコンボみたいなもので、コントロール・デッキ相手には揃っただけで絶望を与えられる。
そしてサルカンは、軽量クリーチャーを多数並べて攻めるアグレッシブなデッキ相手にも強いというのが素晴らしい。彼は対戦相手の攻撃クリーチャーに、こちらがコントロールしているドラゴンの数だけダメージを与える。2体コントロールしていれば2点飛ぶので、大抵の1~2マナのクリーチャーは身動きが取れなくなってしまうだろう。その隙に空から一気に勝負を決める、食物連鎖の頂点に立つ王者のようなゲーム体験を味わってほしいね。
実際にプレイしてみた感想として、かなり楽しいデッキであることは間違いないと約束しよう。特にニヴが戦場に出れば、多くの困難をこれ1枚で解決してしまえるその万能感がたまらない。
個人的には、サイドボードに《好奇心》を忍ばせておき、これをニヴにつけることで延々とドローしてはダメージを与える瞬殺コンボを狙うプランも用意するのが楽しい。高コストのクリーチャーを除去するのが苦手な相手に対して効果的だ。
細かい調整で使用感に変化が現れるタイプのデッキなので、要所を自分に合ったものにカスタマイズして、ドラゴンライフを満喫してほしい。ヒストリックは相変わらずエキサイティングだ!
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