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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
今週のCool Deck:マスク・ドレッド(レガシー)
マジックにどっぷりハマった理由は……おもちゃ屋の店頭にディスプレイされてたパックがこの上なくクールだったから! 岩SHOWです。
というわけで今週もクールなデッキをお届けするコーナーがやってまいりましたね。マジックのパックやボックスは本当にクールな見た目してるよね。『モダンホライゾン2』のパッケージも黒き剣を担いだダッコンがめちゃくちゃカッコイイんだよなぁ。特大ポスターを天井に貼りたいレベルのクールさだ。このゲームの魅力はビジュアル面のウェイトも相当大きいね。
個人的には『ダークスティール』のパックに描かれた《日々を食うもの》なんかはたまらなくクールに見えた。
マーク・テディン/Mark Tedin特有の有機物と機械が混ざり合ったデザインがたまらない。パックから出てきたカードのそのものもクール極まるデザイン。4マナ9/8! 飛行&トランプル! どんな化け物だよ。これが戦場に出るとこちらのターンが2ターン飛ばされる。どんな化け物だよ!
その名の通り、こちらに訪れるはずの日々を食ってしまう、デメリットの塊なこのクリーチャー。使えるものなら使ってみろと言わんばかりの、機械のリバイアサンからの挑戦状だ。
この《日々を食うもの》に限らず、世界中のクールなビルダーたちの好奇心をそそる、手懐けられないモンスターたちは多元宇宙に多数生息している。今日はこのクールなやつらをどうにか手駒として扱おうとしているデッキを見つけたので紹介しよう!
19 《沼》 1 《ヴォルラスの要塞》 -土地(20)- 4 《ファイレクシアン・ドレッドノート》 4 《狩り立てられた恐怖》 3 《残忍な騎士》 4 《日々を食うもの》 -クリーチャー(15)- |
4 《暗黒の儀式》 4 《思考囲い》 2 《発掘》 1 《汚れた一撃》 4 《トーラックへの賛歌》 4 《倦怠の宝珠》 4 《運命の巻物》 2 《ヴェールのリリアナ》 -呪文(25)- |
2 《フェアリーの忌み者》 2 《疫病を仕組むもの》 1 《外科的摘出》 3 《夜の戦慄》 3 《リリアナの勝利》 2 《失われた遺産》 1 《虐殺》 1 《夢を引き裂く者、アショク》 -サイドボード(15)- |
このクールなデッキは?
レガシーの黒単! まずこの時点でクール。デュアルランドなど多色土地や《不毛の大地》などマナを加える以外の仕事をする土地があふれんばかりにあるフォーマットで、ほぼ《沼》という土地構成! これをクールと言わずしてなんと言う(1枚の《ヴォルラスの要塞》を含めて)。
このデッキはコンボで勝つデッキで、そのコンボパーツは《日々を食うもの》をはじめとしたレガシーが誇るデメリット持ち巨大生物!
プロテクション(黒)を持つケンタウルス・トークンを2体もプレゼントしてしまう《狩り立てられた恐怖》、そして自身もパワー12なら要求する生け贄もパワー12の《ファイレクシアン・ドレッドノート》! 何とも懐かしい面々が揃い踏みだ。
どいつもこいつもどうしようもなく運用が難しいクリーチャーだが、この中でもドレッドノートは《もみ消し》でデメリット能力を打ち消すことでお手軽なハードパンチャーとして運用されていた実績がある。しかしながらこのリストは黒単だ。《もみ消し》はない。では、どうやってこの理不尽な怪物らを従わせるのか?
どこがどうクールなのか?
クールポイントその1:デメリットと付き合わない生き方
《ファイレクシアン・ドレッドノート》《日々を食うもの》《狩り立てられた恐怖》……これらに共通するのは、戦場に出た際に誘発するデメリット能力持ちであるということ。つまり、何らかの方法でそれを無視する手段をデッキに用意すれば安全に運用可能だ。どうするのか?
最もわかりやすい解答は《倦怠の宝珠》!
これが戦場にあれば、クリーチャーが戦場に出たことで誘発する能力はすべて誘発しなくなる。つまり《日々を食うもの》は日々を食わず、《狩り立てられた恐怖》はケンタウルスを呼ばず、ドレッドノートは「ただの」1マナ12/12トランプルだ!
ついでにこの宝珠は対戦相手のクリーチャーでの誘発も防ぐ。《石鍛冶の神秘家》や《ちらつき鬼火》といったクリーチャーに好きなようにやられる心配もシャットアウト! 攻防一体 is クール。
憂いを断って、コストパフォーマンスに優れた軍団を展開して殴り勝つ。シンプルだが、破壊力は抜群だ。
ただ《倦怠の宝珠》4枚だけだと、引けない時が苦しくなる、コンボパーツは多くあるに越したことはない。そこで白羽の矢が立ったのが《運命の巻物》!
これは手札のカードを裏向きの状態で2/2クリーチャーとして戦場に出せる。それがクリーチャーであるなら、そのマナ・コストを支払うことで表向きにできる。この巻物から戦場に出し、その後に表向きにすることで、デメリット軍団は能力を誘発させずに攻撃することが可能となる。
巻物自体が3マナで、そこからさらにマナを支払って表にするということで少々マナはかかってしまう。ただその点は《暗黒の儀式》でカバー可能だし、巻物は対戦相手のターン終了時に起動できるのでソーサリー除去を受けずに攻撃まで繋げられるという点で優れている。《虚空の杯》をX=1で置かれてもドレッドノートを出せたりね。
この宝珠と巻物の二段構えにより、クールな黒単デッキが生まれたのだッ!
クールポイントその2:クールなコンボにルーツあり
この黒いデッキでドレッドノートを運用するというデッキ構成、どこかで見たことがあるという方もいるだろう。それもそのはず、このデッキはかつてヴィンテージで使われ、今はレガシーでも組めるコンボが先祖であるからだ。そのデッキの名は「マスク・ドレッド」!
マスクとはマジック最古のカードの1つ《Illusionary Mask》。
このクールなイラストのカード、最初に書かれたテキストからルールも何度か大きく変わっており、作られた時と別物になっているというのもまたクールである。変異や予示の元になった、クリーチャーの正体を隠しながら戦場に出すということを行うアーティファクトだ。
テキストはこの上なくややこしいが、要するにそのクリーチャーのマナ・コストを支払って裏向きで出して、正体不明だろ~? 実はこいつだ! という感じにプレイする、愉快なものだ。ドレッドノートであればマナの色を問わず1マナ支払えば出せて、裏向きで出ているので能力は誘発せず。
《運命の巻物》はこれをよりわかりやすくリメイクしたものと言える。起動にマナがかからないため基本は巻物を使っていれば問題はない。ただクールを極めたい場合は、マスクを使ってみたい気持ちもある。古いカードなので入手は困難だが、コレクションして眠らせているのであればたまにはデッキに入れて使ってやることでカードもイキイキとしてくることだろう。
クールなまとめ
わかりやすいコンボで、シンプルに勝利へと向かうスタイルがクールな現代版「マスク・ドレッド」。これからもデメリットはすさまじいがマナ総量は小さいというクリーチャーは作られていくことだろう。そんなクールな新戦力を見つけたら、このデッキのことを思い出してみてね。
それじゃあ今回はここまで。Stay cool Wear the Mask!!
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