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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

きらめく願いを! バント・ルールス・ウィッシュ(モダン)

岩SHOW

 あれもこれも欲しがるのはよくない、わきまえるべき。子どもの時、あるいは大人になってからもこのように注意された経験がある……よね? 僕だけじゃないよな?

 そりゃあ手に入るならなんでも、欲張りに生きていきたい! しかしそれは叶わないので、人はどこかで妥協しなければならない。好きなものを好きなだけ食べつつ体型を維持したい! そんな願いはかなわないので努力で補わねばならない。

 しかしながら、マジックの世界では……欲にまみれた自分勝手な願いも……叶うこともある! そんな無茶な、って欲望も、お願いしてみれば通ることがある。

 たとえば、《夢の巣のルールス》。

 この猫は墓地からマナ総量が2以下のパーマネント呪文を唱えさせてくれる。たかが2マナ、されど2マナ。この再利用はゲームの流れを手繰り寄せるだけのアドバンテージを生みだす。

 が、これを相棒にするには、メインデッキにマナ総量が3以上のパーマネント・カードは採用不可。軽いカードのみでゲームを戦うことになるので、ルールス以外には1枚のカードパワーはどうしても低めになるし、アドバンテージも得にくい。

 プレインズウォーカーのようなカードは自ずと採用できないものだが……ルールスを相棒にしながら、3マナどころか5マナや7マナのパーマネントを使いたい! そんな無茶苦茶な願いも、お願いする方法次第では現実になる。そう、「願い」次第なのだ。

Bailey - 「バント・コントロール」
モダン (2021年5月18日)[MO] [ARENA]
3 《冠雪の島
2 《冠雪の平地
1 《冠雪の森
2 《神聖なる泉
1 《大草原の川
1 《氷河の氾濫原
2 《繁殖池
1 《寺院の庭
4 《溢れかえる岸辺
4 《霧深い雨林
1 《吹きさらしの荒野
2 《秘教の門

-土地(24)-

4 《氷牙のコアトル
3 《瞬唱の魔道士

-クリーチャー(7)-
4 《ミシュラのガラクタ
4 《流刑への道
2 《選択
1 《呪文嵌め
4 《きらめく願い
3 《マナ漏出
3 《大魔導師の魔除け
3 《否定の力
1 《論理の結び目
3 《謎めいた命令
1 《至高の評決

-呪文(29)-
1 《夢の巣のルールス

-相棒(1)-

1 《ガドック・ティーグ
1 《クァーサルの群れ魔道士
1 《星界の大蛇、コーマ
2 《夏の帳
1 《ドビンの拒否権
1 《勇士の再会
1 《太陽と月の輪
1 《拘留の宝球
1 《虚空粘
1 《至高の評決
1 《夢を引き裂く者、アショク
1 《時を解す者、テフェリー
1 《ドミナリアの英雄、テフェリー

-サイドボード(14)-
Bailey氏のTwitter より引用)

 

 モダンにおける白青緑3色(バント)のコントロールデッキだ。

 打ち消しとクリーチャー除去で相手のゲームプランを思うように進ませず、カードを引くなどしてアドバンテージを得て戦力に差をつけて勝利する。このアドバンテージ源がルールスで、《ミシュラのガラクタ》や《氷牙のコアトル》を使いまわしてカードを引くというシンプルな方法で手札の枚数差をつけたり、《瞬唱の魔道士》で《大魔導師の魔除け》《謎めいた命令》などを使いましたりしてアドバンテージを稼いで勝とう。

 で、このルールスを使ったコントロール。ルールス以外にも勝つための選択肢を増やすために採用されているのが《きらめく願い》!

 サイドボードから多色のカードを手札に加えられるので……ルールスデッキでありながら《時を解す者、テフェリー》や《夢を引き裂く者、アショク》で対戦相手のプランを崩せる!

 1枚でゲームに勝てる《ドミナリアの英雄、テフェリー》や《星界の大蛇、コーマ》も駆け付ける!

 重くて単体のカードパワーが高いカードと、ルールスを共演させるにはシンプルに「願う」のが正解だったのだ! いや~まさかこんな腕白なデッキが出てくるとはなぁ。

 願いでサイドボードからカードを手に入れるのは、何も3マナ以上のカードを手に入れるだけが目的じゃない。2マナ以下の多色カードにも、ゲームの流れ次第ではとてつもないパワーを発揮するものがある。それらはパーマネントであれば、ルールスで使いまわせるというのも魅力的だ。

 《太陽と月の輪》は墓地を利用するデッキ相手に対策となるだけでなく、自身につけることで切削してライブラリーを0枚にしてこようとするデッキ相手にも勝利を奪う1枚となる。

 重い非クリーチャー呪文をキーカードとしたコンボなどには《ガドック・ティーグ》、エンチャントやアーティファクトを主役としたデッキには《クァーサルの群れ魔道士》。特にクァーサルは能動的に墓地に送ってはまた唱えなおしてと、悪夢のごとく生と死を繰り返すであろう。

 あとは使い切りとなるが、打ち消し・除去・そしてバーンデッキなどに対して1ターンは稼いでくれる《勇士の再会》というシブいチョイス。

 4枚採用したサーチカードで、状況にマッチした1枚挿しのカードを探してくる戦術を「シルバーバレット」と言い、特にこのデッキのように願いカードを使ってサイドボードから持ってくるカード群は「ウィッシュボード」と表現する。ウィッシュボードはその時の環境に存在するデッキと、そして個人の好みにより千差万別。このデッキに興味を持った方は、このウィッシュボードをまんま真似するのではなく、自分にとって最も合った形を目指して調整してみよう。

 願いをかなえるためには、まず願うこと自体が重要。当たり前のことを教えてくれた《夢の巣のルールス》と《きらめく願い》が共演したこのデッキ。白黒緑(アブザン)なんかでもデッキを組んでみたくなるね。皆も壮大な夢を実現させよう!

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