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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

安定の選択肢、バント(ヒストリック)

岩SHOW

 前回、『カルドハイム』チャンピオンシップのヒストリックにおいては「ジャンド・フード」が最大勢力であったこと、そしてその対抗馬として《鎮まらぬ大地、ヤシャーン》で生け贄を封じた白緑のデッキが使用されたということをお伝えした。

 白黒緑の「ガブザン」はトップ8にも進出を果たし、ジャンドキラーとして結果を残すことになったデッキであるが、ヤシャーンを用いることで対ジャンドを狙ったデッキはこれだけではない。白緑の2色さえ採用していればどんなデッキでもヤシャーンを使えるのだから、2色~5色でパターンはいくらでもある。白単とか緑単にヤシャーンだけ足すとかいうアプローチだってアリなのだ。

 そんなわけで今回はヤシャーンを用いるデッキをもう1つピックアップ。そのカラーリングは……

Tulio Jaudy - 「バント・ミッドレンジ」
『カルドハイム』チャンピオンシップ / ヒストリック (2021年3月26~28日)[MO] [ARENA]
2 《
2 《平地
4 《寺院の庭
3 《陽花弁の木立ち
2 《まばらな木立ち
4 《繁殖池
2 《内陸の湾港
2 《神聖なる泉
2 《灌漑農地
4 《氷河の城砦
1 《ヴァントレス城
-土地(28)-

2 《鎮まらぬ大地、ヤシャーン
2 《スラーグ牙
-クリーチャー(4)-
4 《不可解な終焉
4 《成長のらせん
2 《探検
1 《軽蔑的な一撃
1 《本質の散乱
2 《襲来の予測
4 《神の怒り
2 《多元宇宙の警告
4 《サメ台風
2 《世界を揺るがす者、ニッサ
2 《ドミナリアの英雄、テフェリー
-呪文(28)-
1 《孤児護り、カヒーラ
-相棒(1)-

2 《鎮まらぬ大地、ヤシャーン
2 《墓掘りの檻
2 《霊気の疾風
2 《ドビンの拒否権
1 《敬虔な命令
1 《安らかなる眠り
2 《神秘の論争
2 《終局の始まり
-サイドボード(14)-

 

 バント! 白緑に打ち消しとドローの色、青が加わった形だ。

 『カルドハイム』チャンピオンシップにはこのカラーのデッキを持ち込んだプレイヤーも少なくなかった。クリーチャーなどのパーマネント除去・打ち消し・ドロー・それらを支えるマナ加速と、理想的なゲーム展開に必要なものがあらかたあるため、長丁場となるトーナメントでは昔から好まれる傾向にあるカラーリングだ。

 現ヒストリックであればマナ加速の枠には最強との呼び声も高い《成長のらせん》が使えるのがバントの利点。このデッキにはさらに《探検》も追加して6枚体制に。

 2ターン目にこれらが唱えられるかでその後の展開は大きく変わることになるための増量だ。土地という対策されにくい形で使えるマナを増やす手段であり、かつ1枚ドローがついているので手札の枚数を減らさずに済むのがありがたい。《成長のらせん》はインスタントなので、相手のターンの様子を見て何かしてきたら打ち消し、何もなければ《成長のらせん》で土地を置くというように動けて小回りが利く。

 もう1つのマナ加速は《世界を揺るがす者、ニッサ》。

 言わずと知れた、これ単体でもゲームに勝てる過去最高レベルのマナ加速能力持ちだ。《サメ台風》と組み合わせて無茶苦茶したいものだ。

 ニッサによりクリーチャー化させた土地はアンタップされ、警戒を持つ。これを利用した技が《繁殖池》との組み合わせ。

 自分のメインでマナを出して全力で行動した後、《繁殖池》をクリーチャー化させてアンタップ。そのまま攻撃できるならそうして、この土地をアンタップ状態でターンエンド。こうすると《繁殖池》から{U}{G}の計2マナ得られるので《軽蔑的な一撃》などの打ち消しを構えられる。

 これをさらに強くするのが予顕能力だ。《襲来の予測》を前もって予顕しておけば、土地1枚で対象を選ばない打ち消しが構えられる。さらにこの《襲来の予測》ではなく《多元宇宙の警告》を予顕しておくという手もある。

 対戦相手からすればその伏せられて追放されているカードの正体は分からず、ニッサと《繁殖池》で2マナ出る状況であればそれが《襲来の予測》であることをケアする。結果として様子見の行動を取り、大胆な攻めが抑えられることがある。

 疑念を抱きながらのプレイというのは思考がおかしな方向にいってしまいがちで、ミスを誘発してしまう。ニッサからあふれるマナと予顕の組み合わせは、スタンダードにないプレッシャーを与えるのだ。

 それらマナ加速から打ち消しや除去で盤面をコントロールし、《サメ台風》や《ドミナリアの英雄、テフェリー》で戦場の支配を確固たるものにして勝利する。

 その勝ち手段のひとつであり、土地を得る手段でもあり、さらにジャンドなど生け贄デッキへのアンサーでもあるのが《鎮まらぬ大地、ヤシャーン》。

 このリストの面白いところは、このヤシャーンのタイプに注目したところ。イラスト見たまんまの猪ではあるが、同時にエレメンタルでもある。これにより、ヤシャーンをメインデッキに採用しながら相棒に《孤児護り、カヒーラ》が採用可能だ。

 +1/+1修整と警戒を得たヤシャーンはまさしく攻防一体、相手の攻めを捌き切った後に切り返す手段としてはうってつけだ。

 ヤシャーンと同じく、カヒーラを相棒にする条件を満たすので採用されている《スラーグ牙》も痒いところに手が届くナイスチョイスだ。

 ここから反撃というところでライフがほとんど残っていなくてダメージ呪文で負けとか、この手のデッキが陥りがちな弱点をしっかりカバー。また、にらみ合いの状況で《神の怒り》をぶっ放してもトークンが残るのも素晴らしく、カヒーラと並んで6/4警戒になって殴っている時の楽しさったらないと、良いところしかないナイスクリーチャーである。

 結果としてこのタイプのバントはチャンピオンシップの最終日まで生き残ることはなかった。しかしながらその安定感のある強さはランク戦でも発揮されるものなので、デッキを見て気になった人は臆せずチャレンジしてみてほしい。見た目に違わぬ良いデッキだよ!

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