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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
ジャンド死の影(モダン)
3ターン目:《地下遺跡、アガディーム》アンタップイン、《思考囲い》、《死の影》2体
そのサイズ……8/8!
先日、僕がMTGアリーナでヒストリックを遊んでいた際に実際に決められたブン回りムーブだ。手札の軽いカードを根こそぎすっぱ抜かれてのサンドバッグ、モニターに向かって「バカヤロー!笑」と叫んでしまった。いつかは僕もやってみたい、理論上最強とも言える動きだ。
《死の影》は多くのプレイヤーにとって楽しいカードで、ただ唱えれば良いというわけでなく、どこまで効率よく自分のライフを減らせるか、ある種のタイムアタック的な要素がある。そしてライフを減らすという行為は、すなわち対戦相手も勝利に近づくということ。敗北ギリギリのところを紙一重で制する、そのスリリングな体験は《死の影》デッキならではのもの。
ヒストリックでも十分にライフをすり減らして巨大な影を早期ターンに呼び出せるものだが、ではその影がやってきた本場ではどうだろうか。そりゃあもちろん、もっとスピーディーで強烈だ。
というわけで、今日はヒストリックにやってきた《死の影》の元の主戦場であるモダンのデッキを紹介だ。命を削って勝利を掴むデッキを見てみよう!
1 《沼》 1 《山》 1 《森》 2 《血の墓所》 2 《草むした墓》 4 《血染めのぬかるみ》 4 《新緑の地下墓地》 3 《樹木茂る山麓》 2 《育成泥炭地》 -土地(20)- 4 《死の影》 4 《呪詛呑み》 2 《渋面の溶岩使い》 4 《スカイクレイブの災い魔》 4 《タルモゴイフ》 -クリーチャー(18)- |
4 《ミシュラのガラクタ》 4 《致命的な一押し》 4 《稲妻》 4 《思考囲い》 2 《コジレックの審問》 2 《ティムールの激闘》 2 《四肢切断》 -呪文(22)- |
1 《夢の巣のルールス》
-相棒(1)- 2 《死の飢えのタイタン、クロクサ》 2 《夏の帳》 2 《アングラスの暴力》 2 《暗殺者の戦利品》 2 《浄化の野火》 2 《ティムールの激闘》 2 《霊気のほころび》 -サイドボード(14)- |
ヒストリックになくてモダンにあるもの、それはフェッチランド。
それ自身はマナを生み出さないが、生け贄に捧げることで特定のタイプを持つ土地をライブラリーから戦場に出す《血染めのぬかるみ》などのサイクルだ。
ヒストリックにも《寓話の小道》はあるが、これは基本土地しか持ってこられないのに対して、本家フェッチは沼を持ってくる=《血の墓所》などの沼タイプを持った多色土地を戦場に出せるということでより多色化を助けることが可能だ。
そして、それらフェッチランドはコストに1点のライフを支払うことを要求してくる。《死の影》デッキにおいては願ったり叶ったり。1ターン目からフェッチ、そしてショックランド(ライフ2点を支払うことでアンタップで出せる2色土地)、《思考囲い》と動ければ開幕からライフは15点。影の降臨は目の前だ。
《思考囲い》《コジレックの審問》で手札を捨てさせ、《致命的な一押し》《稲妻》《四肢切断》でクリーチャーを除去して、軽くて優秀なクリーチャーで攻撃して勝つ。
お互いに戦うためのリソースが尽きたところで《夢の巣のルールス》でクリーチャーや《ミシュラのガラクタ》などを使い回してアドバンテージ差を付けるのが理想的なゲーム展開だ。
《死の影》以外に採用されているクリーチャーは、同じくプレイヤーのライフがサイズに影響する《スカイクレイブの災い魔》。
災い魔&影に《ティムールの激闘》でトランプル&二段攻撃を与えて大ダメージを叩き込んでの早期決着はこのデッキのセールスポイント。
それらに加えて、ガラクタや手札破壊と相性の良い《タルモゴイフ》、生き残ればあらゆるものに対して耐性を獲得する《呪詛飲み》、ライフを減らすのを後押しする《渋面の溶岩使い》と、時代を超えたオールスターが集結している。
このデッキには冒頭でも触れたように、自分のライフを減らすという独自のプレイ要素がある。《四肢切断》のための黒マナを用意できるのにライフで支払うというのは当然のこと、状況によっては《稲妻》《渋面の溶岩使い》のダメージを自分自身に撃ち込むということもある。《死の影》か災い魔を複数体コントロールしていたり、《ティムールの激闘》があったりすると相手に撃ち込むよりもダメージ効率が良い。
もちろんやりすぎてライフが0になってしまっては問題だが、逆にゲームに勝利したとき、こちらのライフが1だろうが1万だろうが、1勝したという事実に差はない。だったら使えるものは全力で使って、使い切るギリギリのところで勝負するという戦術も大いにアリなのだ。
マジックを始めたばかりのプレイヤーには抵抗がある戦い方だとは思うが、慣れてくればライフはガチガチに守るものではなく、勝利のために差し出すものだということが分かってくるんじゃないかな。
綱渡りのようなスリルを味わい、その先に待つ大ダメージという快感に魅了されたプレイヤーたちは、今日もライフという名の蝋燭に火を灯すのだ。
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