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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
ラクドス無駄省き(パイオニア)
突発企画! 初心者のための今日のマジック用語ォ~ッ♪ 紹介したいデッキのキーワードに合わせてたまにやってることなので、何回目とか前は何をやったとかは気にしない方向で。
今日初心者に覚えてもらうマジック用語は「ディスカード」。マジック慣れしている人と対戦する際に耳にすることもあると思うので、覚えておくと安心だ。ディスカードとは英語版のカードテキストに書かれるdiscardをそのまま読んだもの。捨てるとか処分するといった意味の単語であり、マジック的には「手札を捨てる」ということを意味している。
「手札を1枚捨てます」と日本語で宣言するより「ディスカードします」という方が手っ取り早いためによく使われるフレーズだ。複数枚捨てる場合は「2ディス」「全ディス」なんて略して使われることも。慣れた人同士であればほぼ問題なく通じるが、初心者にはなんのことかわからないと思うので、対戦相手によっては略語を使わずに丁寧に捨てる旨を宣言してあげてほしいね。
さて、ディスカードを覚えたら今日はそれを活かしたデッキの紹介タイムだ。フォーマットはパイオニア。ディスカード手段は多数存在する中に、この夏、新たに《死者を目覚めさせる者、リリアナ》が加わった。
この新リリアナは[+1]能力ですべてのプレイヤーにディスカードを強いる。捨てられない対戦相手には3点のライフを失わせると、攻撃的なデザインだ。自分にもディスカードを要求してくるところが少々使いにくさを高めているが、それを活かせられるように構築すればこのデメリットは和らげられる。
パイオニアにはちょうどおあつらえ向きな、リリアナと組んでそのパワーを発揮するカードが存在する。それじゃあディスカードがテーマのデッキ、全容を見てみよう!
4 《沼》 3 《山》 4 《血の墓所》 4 《竜髑髏の山頂》 4 《ロークスワイン城》 4 《寓話の小道》 2 《廃墟の地》 -土地(25)- 4 《死の飢えのタイタン、クロクサ》 2 《残忍な騎士》 2 《熱烈の神ハゾレト》 -クリーチャー(8)- |
4 《致命的な一押し》 4 《思考囲い》 4 《無駄省き》 3 《取り除き》 2 《集団的蛮行》 3 《コラガンの命令》 3 《はぐれ影魔道士、ダブリエル》 4 《死者を目覚めさせる者、リリアナ》 -呪文(27)- |
2 《ゲトの裏切り者、カリタス》 2 《悪ふざけの名人、ランクル》 4 《魂標ランタン》 1 《漸増爆弾》 1 《古呪》 3 《屍呆症》 2 《神々の憤怒》 -サイドボード(15)- |
ディスカードと言えば、それが3回もテキストに登場する《無駄省き》こそ象徴的なカードである。
このエンチャント単体では何も起きないが、対戦相手が手札を捨てるたびに何かが起きる。クリーチャーであればゾンビを、土地であればマナを、それ以外ならドローを得る形でアドバンテージをもたらすこのカードと《死者を目覚めさせる者、リリアナ》などのディスカード専門スタッフを組み合わせたのがこの「ラクドス無駄省き」だ。基本的な動きは言うまでもないだろう、ディスカードさせてさせてさせまくる!
《思考囲い》で1ターン目から始まる無情なディスカードで相手のプランを狂わせ、クリーチャーなどは除去して敗因となるものを除外していくコントロールデッキである。
リリアナもそうであるが、《コラガンの命令》や《集団的蛮行》などなど、ディスカード以外の役目も同時にこなすカードが揃っているのが魅力だ。
《はぐれ影魔道士、ダブリエル》や《死の飢えのタイタン、クロクサ》は、ディスカードさせたうえで相手のライフも攻める勝ち手段にもなる。
これらのカードを《無駄省き》と組み合わせて、ゴリゴリと相手の手札を落としてアドバンテージを得ていこう。手札が空になった相手は、こちらが手札を多く持っていたりリリアナやクロクサが戦場に立ちはだかる光景を前に投了することだろう。
ゲームを終わらせるフィニッシャーの枠といえば、このリストはクロクサやコラガンのために赤を足していることを最大限に生かして《熱烈の神ハゾレト》も採用しているのが面白い。
この神は自分の手札が1枚以下の時にのみ戦闘を行える。リリアナのセルフ・ディスカードをポジティブな要素として変換し得るクリーチャーってわけだ。パワー5の速攻・破壊不能持ちがかけてくるプレッシャーというものは生半可ではない。クロクサやダブリエルと併せれば一瞬でライフを削り切れるはずだ。
コントロールにして、なぜこのようなアグレッシブなフィニッシャーを採用しているのかというと、それはディスカードの宿命である「トップデッキされたカードにはどうしようもない」という弱点の克服のためだろう。《コラガンの命令》は相手のドロー後にディスカードを強要できるが、基本的には相手が自分のターンにドローしたカードに対してはそれを唱えることを阻めない。散々ディスカードさせ続けたのに、パワフルなカード1枚を引き込まれただけで逆転されるというのはよくある話だ。だからこそ、相手が立て直す前に叩き潰す!
このリストは前述の通りパイオニアのものだが、《無駄省き》はMTGアリーナでもヒストリックで使用可能だ。もちろんクロクサやリリアナなどキーになるカードはあるし、ハゾレトもこの夏に『アモンケットリマスター』で導入されるかもしれない。つまり近い形のデッキは組めるというわけで、ディスカードさせまくるコントロールに興味が湧いたというプレイヤーはぜひヒストリックでもこのデッキを形にしてやってほしいね。相手の勝利を崩すことが勝利への近道だ。
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